開会・はじめの手続き
委員長香原勝司委員長
おはようございます。定足数に達しましたので、委員会を開きます。
はじめに審査日程の変更についてです。本日は、知事への残りの保留質疑と採決を行います。採決は、知事保留質疑の終了後に行います。
それでは、知事への残りの保留質疑を行います。江口善明委員、どうぞ。(拍手)
1. 知事保留質疑:福岡市への一極集中の是正・地域間格差の解消(江口善明委員)
委員江口善明委員
自民党県議団の江口善明です。県内の地域間格差の是正のための人口減少対策について質問します。
今議会の代表質問で広域連携についてただしたところ、知事から「福岡都市圏への一極集中の流れを変え、県全体の地域創生を図る」と答弁いただきました。福岡県では福岡市への一極集中が進み、福岡市以外のほとんどの市町村で人口減少が続き、その多くが福岡市への人口流出です。特に20代の若者の流出が顕著で、就職を機に福岡市に移り住むケースが多い。福岡市の活力が県の発展を牽引しているのは事実で大きく伸びてほしいですが、人口減少に危機感を持つ市町村を支援するためにも、県として福岡市一極集中の現状を最新のデータで分析していただきたい。
本県でも移住・定住の推進などに取り組んできましたが、20代の若者は県・市とも就業者の95%が雇用者(サラリーマン)です。福岡市への交通の便がよい地域も多くあります。地元で働き地元に住むことが大前提ですが、「福岡市で働いても地元に住み続ける」というライフスタイルを県として提唱し、人口減少に直面する市町村と連携して具体的な政策に取り組むべきと考えますが、知事の考えを伺います。
▷ 服部知事。
県の担当者服部知事
おはようございます。お答えします。
令和2年の国勢調査を見ると、福岡市の昼間の人口は夜間の人口の約1.1倍で、働く場所や大学などが福岡市に集中し、多くの県民が通勤・通学していることを表しています。県はこれまで、通勤・通学時の地域公共交通の維持・確保、パーク・アンド・ライドの推進、各地域と福岡都市圏を結ぶ道路網の整備や渋滞対策などを進め、福岡市で働き続けても地元に住み続けられる環境の整備を図ってきました。
しかし、地理的に福岡市への通勤・通学が困難な市町村もあります。県では市町村振興局の局長・課長などが地域に頻繁に足を運び、実情や課題の把握に努めてきました。人口減少地域の皆様からは「もはや猶予のない喫緊の課題で、単独の市町村で食い止めるのは難しく、県と共同で取り組みたい」との声をいただいています。特に県境地域では、体験先への交通費を上乗せ助成する「福岡くらしごと体験」などで移住・定住を進めてきました。
今後も、4月1日に新設する市町村・地域振興部を中心に市町村との連携を一層強化し、広域連携による取り組みを強化して、地域の特性や課題に応じた施策を講じていく考えです。
委員江口善明委員
福岡市の一極集中の流れを変えるのは容易ではなく、より戦略的な取り組みが必要です。我が会派は具体的な提案をしてきました。今議会の代表質問では有明海沿岸道路と九州縦貫自動車道の連携強化をただし、知事から、国と九州各県で策定した計画でこの2つを連絡する道路を構想路線と位置づけ調査するとの答弁がありました。また6月議会では直方市の新幹線新駅の活用を視野に入れた広域連携をただしました。こうした戦略的な取り組みを一つ一つやっていかなければなりません。より具体的な交通政策・交通インフラ整備に早急に取り組むことが、福岡市で働いても地元に住み続けるライフスタイルの実現に重要だと思います。知事の所見を伺います。
県の担当者服部知事
福岡市への一極集中の流れを変え、地域間格差を是正するには、誰もが住み慣れたところで働き、長く元気に暮らせる地域社会をつくることが重要だと私も考えます。
県はこれまで、県内各地域での中小企業や農林水産業の振興、裾野の広い観光産業の振興、企業誘致、基幹的道路や産業団地の整備などで、雇用・就業の場の創出に取り組んできました。同時に、住みたいと思ってもらえる地域をつくるため、子育て支援や医療・福祉、教育の充実、地域公共交通の維持・確保など生活環境の充実にも取り組んできました。
特に交通施策では、人流や交通利用のデータ(モビリティデータ)を分析し、住民の移動ニーズに合った地域公共交通の最適化を進めています。来年度はこれをさらに進め、複数市町村が取り組む交通結節点でのスマートバス停の設置や、広域運行のコミュニティバスの位置情報を提供するシステムの導入などを支援します。
また交通インフラの整備では、主要都市間の連絡強化が重要です。国道3号・201号の整備に加え、県は国道322号や県道筑紫野古賀線などの基幹的道路やインターチェンジへのアクセス道路の整備を進めています。九州縦貫自動車道と有明海沿岸道路の連絡強化の方策についても調査を行います。さらに来年度からは、企業誘致や物流の効率化を図る「Fukuokaスムーズコネクト」を本格化し、交通ビッグデータの分析結果を踏まえた戦略的な道路整備を行っていきます。
委員江口善明委員
終わります。(拍手)
2. 知事保留質疑:金利上昇局面での県の財政運営(高橋義彦委員)
▷ 質疑を進めます。高橋義彦委員。
委員高橋義彦委員
自民党県議団の高橋です。質問します。
現在、私たちは過去30年とは異なる金利・物価の高騰の局面に入っており、地方自治体の財政運営も大きな転換期を迎えています。私はこの予算特別委員会で、金利上昇局面での県の基金運用や財政運営のあり方をただしてきました。
県の基金運用では、約9,000億円ある32の基金について、安全性と流動性を確保しつつ国債や地方債などで運用しており、直近の運用利回りは0.488%、運用益は約43億円であることが分かりました。そこで、運用プロセスを透明化し実績を県民に積極的に公表すべきと提言しました。また、金利の見込みを1%引き上げたことで利子負担が52億円増加することも明らかになりました。
金利の上昇、建築資材の高騰、人件費、エネルギー価格といったインフレ基調は今後も続く可能性が高いです。県有施設について必要な事業費は確保しつつ、中長期的な視点での資産マネジメントが必要で、それには安定的な財源確保が必要です。知事がこれからどう取り組むのか質問します。
▷ 服部知事。
県の担当者服部知事
高橋委員には、金利上昇局面での県の財政運営について部局審査で議論いただきましたが、今回は中長期的な資産マネジメントとその財源確保についてのお尋ねと考えます。
県有施設の整備では、まず長寿命化のための維持管理や改修を適切に行い、必要に応じて建て替えなどの更新を行っています。更新の手法は、県で直接建て替えるほか、民間の技術・ノウハウや資金を活用し、価値の高い都市部の県有地を民間に貸し付けて安定的な歳入を図りつつ、そこに建てられた民間施設に県が賃借して入るというPPPの手法も取り入れています(東京のふくおか会館跡地、福岡東総合庁舎跡地など)。
財源については、改修や更新のための財源は、世代間の負担の公平を図る観点から地方債を活用し、負担軽減のため地方交付税措置がある有利な地方債や国庫補助金を最大限活用しています。施設の維持管理費用は建設地方債を充てられないため、使用料などの特定財源や一般財源で賄っています。
今後、労務費・資材費の高騰に加え金利の上昇で、県有施設の整備費用の増加が懸念されます。引き続き長寿命化のための維持管理・改修を適切に図りつつ、更新ではPPPなどの手法も積極的に取り入れ、財政負担の軽減や平準化に配慮して計画的に行います。財源は、地方債・国庫補助金・公共施設整備基金を含む特定財源と一般財源のバランスを図りながら確保します。その際、金利上昇を踏まえ、ワンヘルスボンドやグリーンボンドなど有利な条件で発行が期待できるESG債を活用し、発行時期や償還年限も債券市場の動きを見極めながら、金利負担を極力抑える取り組みを進めます。
委員高橋義彦委員
質問を終わります。(拍手)
委員長香原勝司委員長
以上で、知事への保留質疑を終わります。知事は退出して結構です。
―― 服部知事 退席 ――
3. 付託議案20件(令和8年度当初予算ほか)の採決
委員長香原勝司委員長
議事の都合により、しばらく休憩します。委員の皆様はそのままお待ちください。
―― 休憩 ――
委員長香原勝司委員長
再開します。休憩前に続いて議事を進めます。
これより、付託された議案20件の採決を行います。採決は一括して行います。
第一号議案から第二〇号議案までの20件について、原案のとおり可決することに賛成の委員は起立してください。
―― 賛成者起立 ――
委員長香原勝司委員長
起立多数です。よって、20件は原案のとおり可決されました。これで、付託された議案20件の審査はすべて終了しました。
委員長報告は、委員長と副委員長に任せていただいてよろしいですか。
―― 「異議なし」と呼ぶ者がある ――
委員長香原勝司委員長
それでは、そのようにさせていただきます。
会議録に署名する委員として、江頭祥一委員と新井富美子委員を指名します。
この委員会は議事調整日を使っての審査となりましたが、連日、熱心に審査いただいた委員の皆様、協力いただいた執行部の皆様に心から感謝申し上げます。これで予算特別委員会を閉会します。ありがとうございました。
出典: 福岡県議会 会議録検索システム