1. 児童虐待の予防・防止について
委員長壹岐和郎委員長
定足数に達しましたので、子育て支援・人財育成調査特別委員会を始めます。本日は議題の関係で、和田市町村行財政支援課長と笠井体育スポーツ健康課長にも出席してもらっています。
まず、議題「児童虐待の予防・防止について」を取り上げます。担当の課長から説明してもらいます。
県の担当者境野こども福祉課長
児童虐待の予防・防止について、こども福祉課から説明します。
虐待は子どもの権利を著しく侵害し、成長や人格形成に重大な影響を与える、決して許されない行為です。令和6年度の児童虐待の相談対応件数は1万3,786件(うち県の児童相談所で7,442件)と、近年高い水準が続いています。
県の主な取り組みは3つです。1つ目は児童相談所の体制強化で、配置基準を踏まえて職員を計画的に増員し、今年度は児童福祉司を190人、児童心理司を86人にしました。久留米児童相談所の執務室の増築や大牟田児童相談所の一時保護所の整備も進めています。2つ目は市町村や関係機関との連携で、市町村の要保護児童対策地域協議会の強化や、市町村を専門的に支える児童家庭支援センターの増設(令和7年度に2か所増設し計4か所)に取り組んでいます。3つ目は発生予防から再発防止までの総合的な施策で、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行っています。
住民にとっての第一の窓口は市町村ですので、母子保健と児童福祉を統合的に支援する「子ども家庭センター」などの市町村の部署に情報提供し、連携しながら住民のニーズに寄り添えるよう対応します。
委員長壹岐和郎委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。松本委員、どうぞ。
委員松本國寛委員
今日、市町村・地域振興部からも来ていただいていると思いますが、相談センターは県内3か所で、ホームページやSNS、ドラッグストアのポップで広報しているとのことです。ただ、県民が本当に困ったときに駆け込むのは警察か病院か役場で、県に相談しようと考えるのは違うのかなと思います。県に相談すべきことと市町村に相談すべきことが切り分けられていて、役場に相談したら『県が制度を変えた、予算が終わった』と素っ気ない返事だった、という話も多く聞きます。
実行部隊は市町村です。身近な行政サービスは市町村を通じて受ける中で、市町村とやろうとしていることが共有できているのかが疑問です。住民にとっては、役割分担がパーテーション(仕切り)ではなく、どこかでワンストップになっていなければならないと思います。県が専門性を持って施策をつくり、市町村が実行するという一体的な関係であるべきで、今回、服部知事が部制を変えて市町村・地域振興部をつくった中で、その部から市町村に対し、施策がきちんと実行できるように働きかけてほしい。県庁の中でそういう約束事をつくるべきだと思います。課長方の所見と、市町村・地域振興部の見解を聞かせてください。
▷ 境野こども福祉課長。
県の担当者境野こども福祉課長
ご指摘のとおり、県内どこに住んでいてもワンストップで同じような相談を受けられるようにするには、市町村が窓口になります。あらゆる事業について、市町村とパーテーションで分かれるのではなく一体として推進できるよう、市町村と連携しながら引き続き取り組んでいきます。
委員松本國寛委員
その答弁は何度も聞いています。今回はこういう形で市町村・地域振興部から来ていただいての所見を聞きたいので、それを踏まえてください。
▷ 森山こども未来課長。
県の担当者森山こども未来課長
ご指摘のとおり、児童虐待や子どもの貧困など子どもを取り巻く課題は多様化し、相互に関連しており、庁内の複数の部署で対応しています。これらの施策を総合的に進めるため、知事をトップに部長・教育庁・警察本部長で構成する「県子ども施策推進本部」を設置し、私どもこども未来課が事務局として市町村や関係機関との総合調整を担っています。子ども施策の各分野で市町村が混乱しないよう、事務局として関係課の間で横串を通したうえで、新しくできた市町村・地域振興部としっかり連携し、市町村の理解と協力を求めていきます。
▷ 和田市町村行財政支援課長。
県の担当者和田市町村行財政支援課長
市町村行財政支援課の和田です。本来は推進監や部長が答弁するところですが、市町村の行財政全般を私が所管していますので説明します。
ご指摘のとおり、人口減少の中で市町村の人材や財源が不足し、地域による実情のばらつきも出ています。子ども福祉に限らず様々な問題に効果的に取り組むには、県と市町村がばらばらの方向を向いていてはいけません。だからこそ令和4年度に市町村振興局をつくり、さらに今年4月に市町村・地域振興部へ再編して、市町村長の皆様から直接お声をいただくようにしています。市町村・地域振興部が最も身近な部署として、特に新設した市町村連携推進監を中心に、市町村の課題を的確に把握し、市町村の立場に立って庁内各部と協議していきます。県庁各部が事業を進める際には、私どもが窓口となって市町村の意見をしっかり反映できるよう、連携して進めていきます。
委員松本國寛委員
そのとおりだと思います。令和4年に初代の局をつくってやってきて、一定の成果が上がっていると感じています。県がつくった形をそのまま市町村に落として命令するのではなく、地域性もあるので、市町村の行政側からの使い勝手の良し悪しも吸収していくべきです。今回、市町村・地域振興部として切り出したのは本当にすばらしいことで、知事を先頭に教育・警察も含めて一体となっていく、知事に情報がしっかり入る形をつくるのが今回の部の大きな特徴だと理解しています。政策を練る中で、それがいかに効率的・効果的に実行できるか、市町村と協議しながら一つ一つ検証してよりよいものをつくっていくことが必要です。今の課長の考えは正しいと思いますので、しっかり持ち帰って、知事に代わって市町村を巻き込み、県民のために働ける環境をつくってください。よろしくお願いします。
委員長壹岐和郎委員長
ほかにありませんか。
―― 「なし」と呼ぶ者がある ――
2. 里親支援センターによる里親等委託の推進について
委員長壹岐和郎委員長
ないようですので、この議題は終わります。
次に、議題「里親支援センターによる里親等委託の推進について」を取り上げます。担当の課長から説明してもらいます。
県の担当者境野こども福祉課長
里親支援センターによる里親委託の推進について説明します。
県内では約1,800人の子どもが、虐待や親との死別など様々な理由で里親家庭や児童養護施設で生活しています。子どもが安定した環境で特定の大人と愛着関係を築くことは健やかな成長に重要なので、県は家庭と同様の環境で養育されるよう、里親やファミリーホームへの委託を進めています。令和6年度の里親等委託率は、3歳未満43.3%、3歳以上就学前29.3%、就学期以降28.8%で、目標に向けてさらなる取り組みが必要です。
里親委託を進めるため、里親のリクルートから養育支援までを一貫して行う「里親支援センター」(令和6年度から児童福祉法に規定された施設)を、昨年4月から県内4か所(福岡市のウェルツリー、小郡のOHANA、嘉麻市のそわか、岡垣町のリンク)に設置しています。制度の普及・リクルート、里親の研修、委託のマッチング、養育支援、委託児童の自立支援などを、児童相談所と連携して行っています。
委員長壹岐和郎委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。
―― 「なし」と呼ぶ者がある ――
3. 貧困の状況にあるこどもへの学習支援等について
委員長壹岐和郎委員長
特にないようですので、この議題は終わります。
次に、議題「貧困の状況にあるこどもへの学習支援等について」を取り上げます。担当の課長から説明してもらいます。
県の担当者森山こども未来課長
貧困の状況にある子どもへの学習支援について、こども未来課から説明します。
子どもの貧困の解消に向けた法律の理念を踏まえ、県は、生まれ育った環境に左右されず、貧困が世代を超えて連鎖しないよう学習支援などに取り組んでいます。主な事業は4つです。
(1)町村に住む生活困窮家庭の小中学生への、集団指導での学習・生活支援。令和6年度は22町で164人が利用しました。
(2)町村に住む生活困窮家庭の中学2年〜高校3年への、個別指導での進学支援。令和6年度は170人が利用し、高校3年生の大学等進学率は63.6%でした。
(3)令和8年度から新たに始める、生活困窮世帯の子どもの大学等の受験料助成。入学試験は5万3,000円、模擬試験は8,000円を上限に助成します。町村の子は県から直接、市の子は市を通じて助成します。
現在、県内29市のうち17市が学習支援事業を実施しており、未実施の12市には県職員が訪問して働きかけます。
▷ 滝澤保護・援護課長。
県の担当者滝澤保護・援護課長
続いて、(4)生活保護世帯の子どもの進路選択支援について、保護・援護課から説明します。
これは生活保護法に基づく事業で、本県では令和7年9月から始めました。県の保健福祉環境事務所の区域内の町村に住む生活保護受給世帯の小学1年〜高校3年(高校中退者を含む)とその保護者が対象です。教員経験者などの相談員が、生活保護のケースワーカーと連携して各世帯の課題を把握し、奨学金や進路に必要な資格の情報提供、学習支援への橋渡しなどを行います。令和7年9月から令和8年2月までの利用者は28人、相談員の延べ支援回数は252回です。
委員長壹岐和郎委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。
―― 「なし」と呼ぶ者がある ――
4. 令和七年度の学校における性に関する指導状況について
委員長壹岐和郎委員長
特にないようですので、この議題は終わります。
次に、議題「令和7年度の学校における性に関する指導状況について」を取り上げます。担当の課長から説明してもらいます。
県の担当者笠井体育スポーツ健康課長
令和7年度の学校での性に関する指導の状況について説明します。
学校での性に関する指導は、学習指導要領に基づき、体育・保健体育をはじめ、家庭科・公民科・理科・道徳・特別活動などで、科学的知識や命の大切さ、男女の相互理解などを計画的に指導しています。例えば、小学校の体育では思春期の体の変化、中学校の保健体育では月経や射精・性感染症の予防、高校の保健体育では妊娠・出産や家族計画などを扱っています。
外部講師の活用状況は、小・中学校とも北九州教育事務所が最も高くなっています。医師や助産師などの専門家を外部講師として活用することは有効なので、今後、北九州教育事務所に状況を聞き取り、好事例を研修会で紹介していきます。外部講師の活用にあたっては、事前に十分な打ち合わせを行い、学校の教育活動として適切に位置づけることが重要ですので、周知していきます。
今後も、性について自ら判断し適切に行動できる子どもの育成に向け、県医師会などの協力を得ながら指導を推進します。
委員長壹岐和郎委員長
説明は終わりました。
これより質疑を行います。何か質疑はございませんか。松本委員。
委員松本國寛委員
そもそもなぜ体育スポーツ健康課が担当するのかという疑問もありますが、学校全体・社会全体で支えるべき課題だと思います。いくつか聞きます。この調査は福岡・北九州などの教育事務所別ですが、政令市は含まれていないということでいいですか。
▷ 笠井体育スポーツ健康課長。
県の担当者笠井体育スポーツ健康課長
事務所別でアンケートを実施しているので、政令市は含まれていません。
委員松本國寛委員
なぜ北九州が一番多いのか、想定できる理由を教えてください。それと、外部講師は増えたほうがいいと思っているのか、増えないほうがいいと思っているのか、この2つを聞かせてください。
県の担当者笠井体育スポーツ健康課長
北九州教育事務所が多い理由は、まだ分析ができていませんので、どういう状況で多いのかをしっかり聞き取っていきたいと思います。
もう1点、外部講師の活用がいいか悪いかについては、専門性が高い部分でもあることから、活用は有効だと捉えています。
委員松本國寛委員
義務教育の頃が一番体の変化が出てくる頃で、高校になると妊娠や性感染症の話も出てきます。昔は女子だけ呼んで講義をしたりしましたが、今も男女別々にやっているんですか。
県の担当者笠井体育スポーツ健康課長
前回の委員会で松本委員から聞かれたので調査しました。私が学生の頃とは違い、中学校の体育・保健体育で全授業を男女別で実施している割合は7%まで下がってきています。
委員松本國寛委員
別々に行った世代は、今の説明に『えっ』と感じるでしょう。性の話題を表で議論するのを避ける感覚がまだあるのかなと感じます。おなかや腰が痛いのと同じように、普通にみんなと共有できることであったほうがいいと最近思います。教員が個人の表現力の中で十分に授業をするのは難しい面があり、外部講師が入ると専門性があり恥じらいも取り除かれる一方、よそから来た人の話を自分事として聞いてくれるかという課題もあります。
子どもたちはYouTubeなどで性に関する動画も見ていますが、分かりやすいのは掛け合いでやっているからです。一方的に説明するのではなく、外部講師と自校の先生が掛け合いで、体の変化や、好きな子とのスキンシップの先に何があるかなどを問いかけながら進めると、みんな興味を持って自分事として聞いてくれる。そういう演習的なものを、外部講師の活用が進んでいる北九州でどこか取り入れて、成果を全体に広げるなど、活用している学校と協議して進めてもらえればと思いますが、いかがですか。
県の担当者笠井体育スポーツ健康課長
ありがとうございます。いただいた点も含めて、外部講師を活用してどのような講演や授業をしているのか、しっかり情報収集します。掛け合いや模擬授業のようなことをしているのであれば、好事例として、本課が行っている性に関する指導者研修会の中で、教員に情報提供していきたいと思います。
委員松本國寛委員
子どもたちが将来の自分事として大切に捉えられているか、各学校での成果をフィードバックしながら、今言ったことも含めて早急に検討してください。よろしくお願いします。
委員長壹岐和郎委員長
ほかにありませんか。
―― 「なし」と呼ぶ者がある ――
委員長壹岐和郎委員長
ほかにないようですので、この議題は終わります。
議題のほかに、何かありませんか。
―― 「なし」と呼ぶ者がある ――
委員長壹岐和郎委員長
特にないようですので、次に進みます。
今後の委員会活動については、委員長と副委員長に任せていただけますか。
―― 「異議なし」と呼ぶ者がある ――
委員長壹岐和郎委員長
異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
最後に、会議録に署名する委員として、松本國寛委員と椛島徳博委員を指名します。
以上で今日の議事はすべて終了です。これで子育て支援・人財育成調査特別委員会を閉会します。ありがとうございました。
出典: 福岡県議会 会議録検索システム