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発言のやり取り

農林水産委員会2026年5月14日(木) 開催

1. 小麦新品種「ちくし春香」の推進について

委員長吉田浩一委員長
令和8年5月14日(木曜日)  午前11時09分 開会 定足数に達しましたので、ただいまから農林水産委員会を開会します。 本日の議題はお手元に配った資料のとおりです。ご確認ください。 それでは本日の議事を行います。はじめに、「小麦新品種『ちくし春香』の推進について」を議題とします。執行部(県の担当者)の説明を求めます。堺田水田農業振興課長、お願いします。
県の担当者堺田水田農業振興課長
小麦新品種「ちくし春香」の推進についてご説明します。 まず、福岡県の小麦の現状と課題です。本県の小麦は、米・大豆と並ぶ水田農業の基幹作物で、担い手の経営を支える重要な品目です。令和7年産の作付面積は約15,500ヘクタールで、北海道に次ぐ全国2位の産地です。県は全国に先がけて、ラーメン用小麦「ちくしW2号」を開発し、商標名「ラー麦」として推進してきました。ちくしW2号の作付面積は近年約1,900ヘクタールで安定し、実需者(使う側の企業)からの評価も高く、商標ラー麦の使用登録は累計261件になっています。ただ、ちくしW2号は、追肥で草丈が伸びて倒れやすく、収量減の原因となるコムギ黄斑病に弱いため、生産現場から改良が求められていました。 次に、新品種「ちくし春香」の開発と特長です。県農林業総合試験場が、倒れにくい「ちくしW34号」とちくしW2号を交配して開発し、令和6年に品種登録を出願しました(登録決定を待っている状況で、令和7年産から一般栽培を開始)。ちくし春香は、収穫時期はちくしW2号とほぼ同じで、草丈が10センチほど低いため倒れにくく、コムギ黄斑病に強いので収量・品質が安定します。たんぱく質の量も安定し、ゆで伸びしにくく、中華麺に向いています。 振興方針としては、来年収穫する令和9年産から、ちくしW2号をちくし春香へ全面的に切り替える予定です。切替えに備えて栽培技術を確立し指導を徹底します。切替え後も商標ラー麦は継続して使い、ロゴマークの使用地域の拡大や販売促進課と連携したPRなどで需要拡大に取り組み、作付面積を2,000ヘクタールまで拡大する計画です。米や大豆に麦を組み合わせた水田のフル活用を進め、生産者の経営安定と水田農業の振興に努めます。説明は以上です。
委員長吉田浩一委員長
説明は終わりました。これより質疑を行います。何か質疑はありませんか。松本委員、どうぞ。
委員松本國寛委員
お疲れさまです。最近あまり聞かなくなったなと思っていたラー麦のことですが、表を見ると令和7年産まで約1,900ヘクタールだったのが、8年産で320に落ちるとなっています。これは種子を増産していると受け止めていいと思いますが、そうすると9年産からは全て入れ替わり、8年産はちくしW2号とちくし春香が混在して栽培されているという認識でいいですか。

堺田水田農業振興課長。

県の担当者堺田水田農業振興課長
全面切替えの間は、ちくし春香とちくしW2号が混在して生産されている状況です。
委員松本國寛委員
含有率が安定して(品質のばらつきが小さく)なるということは、ラー麦が実質2種類出回ることになるので、実需者の反応や数値、意見を集める作業が必要になると思います。ただ、先ほどの説明では品種登録がまだということですが、そうするとラー麦としてはちくしW2号が主体で、新しいちくし春香は「ラー麦」と名のれない状況が続くということですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
「ラー麦」は商標で、現在はちくしW2号だけがラー麦として出回っています。これからちくし春香の生産が増えていきますが、その間は実需者と相談しながら両方を使い、商標名はラー麦として、その中にちくし春香やちくしW2号の粉が混じる形になると考えています。
委員松本國寛委員
品種登録が終わるまでは「ちくし春香」と名のれないのではないですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
ちくし春香は現在、出願が公表されていますので、「ちくし春香」という名前は使える状況です。
委員松本國寛委員
ということは、育成者権(品種を開発した人の権利)はちくしW2号とちくし春香の両方にあり、これを商標「ラー麦」として名のることは可能で、これまでもそうだったし、これからはその中にちくし春香が加わるという認識でいいですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
委員のおっしゃるとおりです。混在する期間をどうしていくかについては、PRの仕方も含めて実需者としっかり協議を進めます。
委員松本國寛委員
これから実需者との情報交換を販売促進課でも進めていくとのことですが、令和9年産からは通常の量に戻り完全に入れ替わるので、この8年産は極めて大事な時期だと思います。実需者の反応を生産側と販売促進課がどうつかむかが大事なところですが、販売促進課としてこの1年間の反応をどう捉え、どう取り組んでいくのか教えてください。

古財福岡の食販売促進課長。

県の担当者古財福岡の食販売促進課長
混在する期間については、産地訪問などで実需者(外食事業者)を産地に招いてご案内しPRしています。品種が混在する内容や今後変わっていく点を丁寧にお伝えし、引き続き取引につながるように努めます。
委員松本國寛委員
簡潔に答えられましたが、これまで安定的に増えてきて、令和11年には2,000ヘクタールとしているものの、そこで止まっています。力を入れてさらにヒットする意識があれば、もっと拡大する可能性もあると思います。2,000で収まっているのは、ほかの作物(うどん用小麦や大麦・大豆など)とぶつかってこれ以上増やせないということなのかが1点。もう1点は、品質が向上し生産も安定するという話があったので、引き合いが増えて価格も上がり作りやすいとなれば、もっと増やす計画も出てくるはずです。付加価値をつけて伸ばしていく意向はないのか、出口(販売)を広げる側と生産者に寄り添う側のどちらからでもお答えください。
県の担当者堺田水田農業振興課長
1点目の、令和11年産の目標2,000ヘクタールから増やせないのか、ほかの作物とぶつかるからかという点ですが、麦は米以上に需要と供給のバランスに応じた生産がしっかり行われる品目です。これまでのラー麦は約1,800〜1,900ヘクタールの粉で十分賄えていました。今後は商標の使用基準を、九州内に限っていたものを外して全国でも使える形にし、需要を拡大して生産につなげたいと考えています。一方でちくし春香を増やしすぎるとほかの麦が減って実需のニーズに応えられなくなるので慎重に進めますが、裏作で麦を作っていない所もあり、もう少し増やせる余地はあると思います。需給を見ながら、ちくし春香は販売促進課と連携して需要拡大に取り組み、引き合いが強ければ価格も上がる、そうした状況をつくりたいと考えています。2点目の付加価値については、多くの外食事業者やラー麦を使った商品を通じて需要を広げ、出口を大きくすることで生産につなげていきたいと考えています。
県の担当者古財福岡の食販売促進課長
販売促進では製粉会社への案内も行っています。さらに、県産小麦として用途を広げられないか、外食事業者と協議していきます。
委員松本國寛委員
育成者権を福岡が持っていても、生産を福岡に限定せずオープンにするなら、例えば福岡のバリカタラーメンに向く高たんぱくの麦が全国に広がり、佐賀や北海道でもラー麦を生産できるようになる可能性があると思います。商標「ラー麦」は全国で使えるが「福岡のラー麦」とは名のれないということなのか、全国ではどう名のるのか教えてください。
県の担当者堺田水田農業振興課長
ちくしW2号もちくし春香も福岡県が育成した品種なので、栽培は県内だけで、県外への許諾は今のところ予定していません。商標については、ちくし春香・ちくしW2号を100%使った商品に「ラー麦」を使えます。これまでは九州内に事業者がある場合に認めていましたが、今後は東京・関西などの事業者でも、福岡県産のちくし春香・ちくしW2号を100%使い、他地域名でなく「福岡」「博多」などをつけた商品であればラー麦のロゴを使えるようにする考えです。
委員松本國寛委員
加工してラー麦と名のったラーメンをラーメン店で名のっていいのは福岡・九州内だけで、山口県でこの2種類を使ったラー麦のパウダーを製粉会社から仕入れて「下関ラーメン」として出したときは「ラー麦です」と言ってはいけない、ということですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
はい、そのとおりです。これまでは福岡・九州内に事業所があれば県外でもできましたが、九州にゆかりがなければ使えませんでした。今後は、九州内に事業所がなくても、ちくし春香・ちくしW2号を100%使った商品を製造・販売する場合はラー麦のロゴを使えるようにする考えです。
委員松本國寛委員
(周りに向かって)今の意味が分かりましたか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
もう一度ゆっくり説明します。これまでは九州内に事業所・工場を構えていれば、ちくしW2号とちくし春香を……。
委員松本國寛委員
口を挟みますが、その「事業所」というのは製粉会社ですか、ラーメン店ですか、農家ですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
ラーメン店です。製粉会社ではありません。それを使ってラーメン店やマルタイのような加工品をつくる会社です。 これまでは、九州内にそうした事業所(ラーメン店・製造会社)があり、ちくし春香・ちくしW2号を100%使った製品にラー麦のロゴマークを使えました。今回、その地域の制限を撤廃しようとしています。ちくし春香への全面切替えに伴い、東京にしか事業所がない所でも、ラー麦(W2号・春香)を100%使っていればロゴを使えるようになります。ただし、その商品が「札幌ラーメン」などだとロゴはつけられず、「福岡」「博多」など福岡の地名がついた商品ならつけられる形にする考えです。
委員松本國寛委員
半分分かりました。生産に縛りはあるのですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
生産については、福岡県の生産者が福岡県内で栽培していただくものです。
委員松本國寛委員
そこは変わりないわけですね。
県の担当者堺田水田農業振興課長
はい、そこは変わりません。
委員松本國寛委員
そうすると、品種はW2号からちくし春香に変わったけれど、生産は変わらない。ただ、商標ラー麦を使う部分については、ネームバリューを上げるため全国展開もできるようにする。ただし「山口ラーメン」「札幌ラーメン」といった名前で使ってもらっては困るが、札幌のすすきので出す店でも「博多ラーメン」と明示してラー麦を使うのは可、ということですね。
県の担当者堺田水田農業振興課長
はい、委員のおっしゃるとおりです。ネームバリューを上げるため広く違う地域でも使っていただきますが、「福岡」「博多」などの名前でなければロゴは使えない形です。
委員松本國寛委員
それは誰が考えたか知らないけれど、いい案ですね。以前は福岡に行かなければラー麦を使ったラーメンを食べられなかった。生産も福岡で、提供もほぼ限定でしたが、博多の長浜ラーメンが東京に支店を持っていればそこは使える、ということでした。それを、どの事業者でもこの麺を使いたいと思えば使える、ただし「九州・博多」のふるさとは名のってほしい、という整理に変えたということですね。
県の担当者堺田水田農業振興課長
はい、そのとおりです。
委員松本國寛委員
分かりました。それから、このラー麦は輸出していないのですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
ラー麦(ちくしW2号)については、わずかですが輸出の実績があります。
委員松本國寛委員
どこに、どのくらい出ているのですか。何年前ぐらいからですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
私が確認している範囲では、令和6年・7年にイギリスへの輸出実績があります。正確な量まではすみません、把握できていません。
委員松本國寛委員
それはどういうきっかけで、どこでラーメンに使われているのか。今回、2,000ヘクタールに抑えつつ全国で使えるようにしていくわけですが、ラー麦をどう育てて農家の収益性を上げるのか、どこを目指すのかという設定が必要だと思います。海外での現状や今後の方向も含めて、せっかくイギリスで定期的に使ってくれているなら伸びしろがあるはずで、海外展開も必要でしょう。ヒットすればほかの小麦からラー麦に転換する農家も出て、これまでの実需者との信頼関係に影響も出るでしょうが、そのあたりを含めて、これはどこを目指すのですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
まずは2,000ヘクタールまで伸ばし、国内をしっかり攻めます。ロゴマークを九州外でも使えるようにして国内の需要を上げ、需要が増えれば供給が追いつかず価格も向上すると考えます。需給のバランスが取れなければ生産を増やす必要があり、増やしながらさらに需要を拡大し、委員のおっしゃるとおり国内だけでなく海外も攻められる部分があればしっかり考えます。ただ今回は中華麺・ラーメン用としての適性を重視しますので、ほかの用途にどこまで通用するかは今後の研究課題です。
委員松本國寛委員
課長はそこまでしか言えないでしょう。ただ、輸出の可能性があるなら増やしていくべきで、今回商標の使い方が変わることで人目に触れる機会が増えると思います。福岡の料亭などでしっかり使い「ラー麦」をアピールすれば、首都圏の人にも興味を持ってもらえます。ラー麦ができたとき、英国のラーメン店は当初イタリアのデュラム・セモリナ(パスタ用の硬質小麦)を使っていましたが、それより中力で少し硬めのラー麦が手に入ってよかったと取ってくれているのが実情です。今回たんぱく質が安定し伸びにくくなったので、成分分析も含め販売促進課などで取り組んで販路を探すべきです。英国に出している分を、場合によっては視察して見てみたいとも思います。服部知事は「世界に選ばれる福岡県」とうたっているので、課長は控えめに「国内で少しでも広がれば」という話でしたが、本来は海外から引き合いが来るのが到達点だと思うので「ラー麦はどこを目指すのか」と聞きました。新しい課長はそうした意欲をお持ちですか。

高井良輸出促進課長。

県の担当者高井良輸出促進課長
委員ご指摘のとおり、英国で穀物類の取扱いをしていただいていることは把握していますが、個別の店名までは把握できていません。服部知事の海外戦略でも「選ばれる福岡県」がうたわれ、日本食への関心が高まりインバウンドでも認知度が上がっていますので、そうした状況を注視して努めてまいります。
委員松本國寛委員
インバウンドだけではありません。例えば、商工部が支援して福岡県の6次産業化(生産・加工・販売を一体で行うこと)の商品を展開している人が、アメリカやパリでも一定の成果を上げています。リッツカールトン広島でフランスのバイヤーから紹介されたものが北九州市産だったという現象も起きています。英国でこれだけ使ってくれていることが横展開し、情報として日本に戻ってくることでラー麦の付加価値が上がり、生産者の手取りに戻る、そうした好循環をつくるべきです。生産の堺田課長のところと販売促進課、輸出促進課が一緒に考えるべきで、この足踏みの今年こそ研究の時期だと思います。麦の生産者には支援金(いわゆる下駄)がついていますが、その原資は、輸入した安い小麦で得た利益が転作作物への支援に回っている現実があります。ここで麦に生産に見合った形をつけていくことは大事です。このラー麦にも生産に対する支援金は入っているのですか。
県の担当者堺田水田農業振興課長
ラー麦(ちくし春香・ちくしW2号)についても、生産に対する支援金は入っています。
委員松本國寛委員
ということは、自力で価格競争に向かうことはまだ難しい現状だと認識しつつ、今後は付加価値の戦略をつくっていただきたいと思います。答弁は要りませんが、徳田部長、司令塔として指示を出していただき、先ほど商工の話もしましたが、今年新しくできた政策企画部が横串を入れてくると思いますので、輸出促進課だけでなく国際局なども含め、様々な形で知事の「世界に選ばれる福岡県」に農林水産部も寄与してほしい。水産物の輸出展開も含め、新設の政策企画部と農林水産部が連携して知事の目指す方向へ進むという意識をきちんと持つべきだと思いますので、よろしくお願いします。

徳田農林水産部長。

県の担当者徳田農林水産部長
委員のご意見のとおり、司令塔として政策企画部が新たにスタートしました。部局を超えた課題は農業にも幅広くありますので、国際局や観光など関わりのある分野としっかり連携できるよう、政策企画部と情報を共有し、庁内全体でうまく回せるように動いていきたいと考えています。
委員松本國寛委員
せっかくお越しいただいたのでお願いですが、国も含めて農林水産物の輸出額を増やす目標(今2兆円を超えているはず)を設定しています。福岡県も輸出促進の課があるということ自体が輸出を増やそうとしているわけですから、今回のラー麦も一つのツールとして使えます。ほかの品目も含め、国や県が決めたことをしっかり伸ばしていっていただくよう、お願いとして申し添えます。よろしくお願いします。
委員長吉田浩一委員長
ほかに質疑はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長吉田浩一委員長
ほかにないようですので、以上でこの件の質疑を終わります。 次に、議題にはありませんが、その他として何かありませんか。桐明委員、どうぞ。

2. その他(農業資材の価格高騰・供給不安対策、米価・八女茶の課題など)

委員桐明和久委員
1月ごろからの流れですが、資材の価格上昇とその対策について聞きます。私のところには畜産関係から、1月から3月ごろに飼料の値段が上がり、さらに4月から6月にまたその倍ぐらいに上がるので支援してほしいという声がありました。国際情勢で全てが上がる中、通常なら補正予算を組んで対応すべき局面ですが、今の国は、資材や燃料は「あるので今のところ補正は組まない」とし、県もその流れで補正を組まないと聞いています。ただ実情として、八女ではこれからキウイの収穫期ですが、加工・保存に使うビニールなどの資材が当初まったく手に入らず、生産に大きな影響が出ました。JA福岡八女なども動き、最終的に高くても確保しましたが、通常より安く入れるルートでは入らなくなったためです。今後、全体に影響が出るのではと心配しています。国は「経済産業省で目詰まりを言ってくれれば原因を調べて対応する」としていますが、一番身近な県が、農業関係で資材が入らない現状を報告できる窓口をつくってでも対応すべきではないか。今の県の認識を聞きたいです。

諸富農林水産政策課長。

県の担当者諸富農林水産政策課長
中東情勢を受けて、物価の高止まりや、物によっては供給不安が起きているという声を4月以降の調査で伺っています。具体的には、フィルムやトレー、パックといった石油由来の資材で、4月下旬時点で前年比約40%の値上がりがあり、発注量どおりに入荷できていないと聞いています。国は、4月28日・5月12日の農林水産大臣の発言で「57品目の流通実態を調査しているが、マルチビニールやハウスのビニールなどの供給は全体としては足りている」としていますが、調査の詳しい中身はまだ把握できていません。国の説明と現場の声にずれがあるのは事実ですので、国の調査結果を見極めながら、供給の目詰まりの箇所を特定し、その解消に向けた対策を臨機応変に講じてまいります。
委員桐明和久委員
臨機応変に対策をやっていくとのことですが、地元から「これが手に入らない」という声があったとき、それを聞く部署や窓口をつくるということですか。
県の担当者諸富農林水産政策課長
現時点では、調査の際に地元の声を普及センターや関係課で集めています。今後の状況をしっかり見極めて、対応窓口などを考えていきたいと思います。
委員桐明和久委員
とりあえず、困ったときは普及センターに言ってくれということでいいですね。確認です。
県の担当者諸富農林水産政策課長
現時点でははっきりした窓口をつくっていませんので、身近な県の出先機関にご相談いただければ、順次こちらで状況を把握させていただきます。

松本委員。

委員松本國寛委員
このことは前回の委員会で指摘していたはずで、JAも含め県庁を挙げてやっていくという話だったと思います。今の答弁はおかしい。流通も含めて目詰まりを調査すべきと指摘したのに、初めて聞くような答弁ではいけません。もう一度言います。中東情勢が厳しくなったとき、福岡県は知事をトップとする対策の窓口を設置したはずです。なぜその話が出ず、普及センターに聞いて何になるのか。県を挙げてやっているはずです。以前から続く価格転嫁のキャンペーンも、なぜ農業(1次産業・6次化)が外され商工や労働だけなのか不思議でした。今回はそういうことのないよう、農業も含めて対応してほしい。農業は福岡県の基幹産業です。資材不足を含め県民向けの窓口をつくっているのに、主管課長がその答弁ではいけません。もう一度聞きます。
県の担当者諸富農林水産政策課長
申し訳ございません。認識が甘かったです。現在、中小企業を対象にした特別相談窓口が商工部を中心に設けられています。私どももしっかり窓口について早急に対応を考えていきます。
委員松本國寛委員
前回はまさにそこを指摘したのです。桐明委員が「その後1か月でどう変わったのか」と問い、現場の声がどんどん上がって、高い・ない・代替は何を使うか、というところまで展開するはずです。そのために、かつて言われた1,400名という農林水産部のスタッフは農家のために頑張っているのですから、もっと緊張感を持ってほしい。部長も、今回の物価高騰対策と中東情勢による調達難で大きな声を上げていい。しっかりやって、成果も逐一我々に知らせてほしい。それは、相談に来る県民に現状を伝えるためです。できますか。
県の担当者諸富農林水産政策課長
早急に対応させていただきます。
委員松本國寛委員
別件です。長くなってすみません。米価の高騰対策はこの3年間やってきて、国を巻き込んで対応してきました。米が足りないと昨年は500ヘクタールの増産体制をつくり、買入れ価格が高くなったのは生産者にはよいことですが、長くは続かないでしょう。夏に向けて低温倉庫から放出されて安くなると見られますが、目詰まりで価格が上がった経験もあります。今回の包装資材も同じで、かつて物価統制の法律を復活させてはどうかという話もしました。主食用米が上がった一方、消費者向けの米は高いままで、酒米や飼料用米にも影響が出ています。酒米より主食用米が高くなれば誰も酒米を作らなくなるので支援でなんとか維持できました。飼料用米も、高く買ってくれるなら主食用米に切り替えるとなり、糸島や八女の生産者は困っています。飼料用米・酒米・米粉用の多用途米は、いざというとき主食用米に転換できる安全保障上の意味がありますが、価格や風評で環境が大きく変わってしまいます。 そしてお茶です。今、世界的な抹茶ブームで、これまで煎茶を作っていた人が碾茶(抹茶の原料)に切り替えて抹茶に向かっています。その結果、少量・高付加価値の八女茶で、長く八女の煎茶を愛してくれた人に届かなくなっています。碾茶が持っていき、煎茶が減っている。今後、お茶文化の高い中国が一斉に碾茶に切り替えて大量に市場へ流せば、日本の抹茶は価格競争で一旦負けると思います。そのとき「もう一度煎茶や玉露に力を入れよう」としても、技術面で、碾茶に一度切り替えた木を翌年すぐ煎茶に戻せるものなのか。八女茶を愛してくれた人のことを考えると、碾茶に切り替えたものを戻さざるを得ない状況が来ると思いますが、どう考えますか。

石井園芸振興課長。

県の担当者石井園芸振興課長
ご指摘の碾茶ですが、世界的な抹茶ブームでニーズが非常に強く、今年に入って市場価格も昨年の2〜3倍近くで売られています。生産者は目先を見るのでどうしても碾茶に流れつつあります。まず生産方法ですが、お茶づくりは「加熱する・もむ・乾燥させる」の3工程で、碾茶は「もむ」工程がありません。あとは被覆(茶葉を覆う)をするかどうかで、碾茶は被覆します。使う茶の木は基本的に同じなので、被覆の有無や時期、製造工程を変えれば煎茶に戻すことは可能です。 もう一つ、碾茶が増える中で煎茶・玉露をどう伸ばし維持するかですが、本県でも有機(オーガニック)に力を入れており、輸出も踏まえてオーガニックに転換することも進めています。その場合はリーフ茶(茶葉のお茶)で考えていますので、そこの支援を中心に臨機応変に対応したいと考えます。
委員松本國寛委員
「生産者が目先の利益に追われている」という言い方はよくなかったですが、現実そうです。だからこそ将来を考える必要がある。中国が入ってくれば価格競争はできません。八女茶を碾茶にして煎茶の値段まで上げ、長年愛してくれたユーザーの信頼が壊れれば、八女茶の方向性が定まらなくなります。米の多用途米が役割を持っていたところまで影響が及んだのと同じことが、お茶でも今回のブームで大きく変わっていくと思います。碾茶は「もむ」工程が減って費用対効果が高いので碾茶用に刈っていくと、煎茶として使っていた良い新芽が出るのか。碾茶ブームが中国に押されて厳しくなり戻そうとしても、本当に木が今までどおり高品質を出せるのか。そうしたことも含め、JAも県も、総合的に先を見た情報交換を今やっておくべきではないですか。
県の担当者石井園芸振興課長
ご指摘のとおり、将来、中国産の安い抹茶が入ってくれば価格競争は厳しくなると思います。それについては、お茶の生産者や農協、県茶連や茶推協といった県のお茶の生産販売をコントロールする団体と定期的に情報交換していますので、お茶の価格動向や海外からの流入量の情報をしっかり集めながら、関係機関で方向性を引き続き検討していきます。
委員松本國寛委員
そういう答弁しかないでしょうが、現実にはお茶農家と一緒に、もう一度八女茶の評価を原点から考え「これでいいのか」を問う時期だと思います。ラー麦もそうですが、八女茶も碾茶が増えたのは去年ぐらいから。来年さらに碾茶に転向すれば必ずどこかにしわ寄せが来て、八女茶でなくてもよくなってしまう。市場も含めもっと真剣に取り組んで守らないといけません。米も、勝手に安い値がつけられ、また高い値に書き換えられ、生産者はうれしくても先の不安がある。同じことが八女茶にもかぶさる気がします。私の杞憂ならいいですが、本当に心配していないのですか。 もう1点、今日は筑後農林事務所で八女市も来るので、この点をどう考えているか議論しておく必要があると思い申し上げました。
県の担当者石井園芸振興課長
まず生産者の意見を聞かなければなりませんが、お茶は茶商(お茶を扱う商人)が消費者に売る形になりますので、生産者・茶商・消費者に近いところの意見をしっかり聞くことが大事だと思います。先ほど申したとおり、関係機関で定期的に集まっていますので、八女茶振興の将来について関係機関と一緒にしっかり話し込んでいきます。
委員松本國寛委員
今おっしゃったことが一番大事で、県茶連や茶商としっかり意見交換して産地を守ることが大切です。その観点から今のうちに話をしておかないと、後で「どうするのか」となって困るので、今年は議論を深める年になると思い、指摘させていただきます。

原竹委員。

委員原竹岩海委員
意見・要望です。質問ではありません。農業新聞を読んでいたら米農家が5年連続で赤字とありました。中東情勢からして資材の高騰は言われるとおりで、生産者・農家を直撃すると思います。5年前からして農業者が25%減という過去最高の減少率で、歯止めが全くかかっていません。将来の農業がどうなるかという不安もあります。県の皆さんが現場で一所懸命頑張っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、福岡県で限界のある部分(エネルギー問題など)は、国にしっかり意見・要望を上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

浦委員。

委員浦伊三夫委員
前回の委員会からの話ですが、中東情勢による今回の問題は、資材が入ってくるか分からないこと、既に価格が上がっていること、生産者がこの先続けていけるのか、という3つぐらいがあると思い、一つずつ聞きます。先ほどの答弁のとおり、国が57品目を調べていくとのことですが、これは早くやってもらわないといけないし、正確な情報を出してもらわないといけません。「(供給はある)」という程度の話では安心にも対策にもつながりません。まず、国にそうした要望をすることはできるのか教えてください。

諸富農林水産政策課長。

県の担当者諸富農林水産政策課長
ご指摘のとおり、全体で足りているといっても、地域で物がないのは本当に困る状況ですので、私どももしっかり国に対応を要望していきます。
委員浦伊三夫委員
私も農家や農協に聞くと、価格は2割・3割・4割といろいろ上がっていて、来月・再来月あたりにもう商品がなくなるのではと言うメーカーもあるとのことです。もう一つ、価格高騰にしっかり対応しないと農家は大変で、農業を続けられなくなります。市町村と違い、福岡県には様々な出先機関があり、そこがしっかり情報を受け取る必要があります。特に農林水産部には販売の課もあるので、そこも含めて価格高騰対策を、少なくとも上がったコスト分だけ生産者の販売価格が上がらなければ苦しいので、販売促進課の意見も教えてください。

古財福岡の食販売促進課長。

県の担当者古財福岡の食販売促進課長
販売促進課で行っている業者との取引では、しっかり価格を提示し、納得の上で契約していただいています。農家が直接取引している例もありますが、安売りにならないようきちんとした価格を提示されています。
委員浦伊三夫委員
県が価格に介入するのは難しいかもしれませんが、その「納得されている」というのは、誰がいくらで納得しているのか教えていただきたいのですが。
県の担当者古財福岡の食販売促進課長
生産者の取引は生産者自身が価格を出しており、適正な価格で取引されています。漁協との取引についても──今後も価格高騰については事業者に丁寧に説明し、価格をきちんと提示できるよう努めます。
委員浦伊三夫委員
農業者が納得して販売していると言うなら、それはそれで何も問題ありません。ただ、恐らく納得していないでしょうし、これから資材が上がって生産コストが上がれば、2〜3割は販売価格に乗せていかないといけません。そこを頑張ってもらわないと、「頑張ります」だけでは意味がありません。これから出る商品を2〜3割上げられるよう、しっかりやってください。 もう一つ、農業者に「農業を続けよう」と思ってもらうには、何かしらのエールを送る必要があります。私は、災害で農業者が被災したときはいつも「うちの農林水産部は寄り添ってくれるから大丈夫」と言っています。10年ほど前から「寄り添う」と言ってきたわけです。今回も、ほぼ生産者に責任はなく、世の中の情勢でこの大変な状況になっている。いわば災害の一つと考えてもいいくらいです。生産者に寄り添った部長の覚悟・意気込みを聞かせてください。

徳田農林水産部長。

県の担当者徳田農林水産部長
ご指摘のとおり、厳しい情勢の中で生産者が生産を続けられるよう、農林水産部の全職員が何ができるかを考え実行することが肝要だと思います。具体的には、生産者を直接指導する普及指導センターや水産の海洋技術センターなどの出先機関を中心に、まず生産者の声をしっかり把握します。そのうえで生産者に寄り添って何ができるかを考え対応します。現場の状況を本庁でも共有し、国に言うべきことはしっかり言い、実態を伝えて国と連携します。農林水産部だけでなく全庁的に対応すべき内容もありますので、「連携」をキーワードに、現場に直結したところで生産者に寄り添ってしっかり対応してまいります。
委員浦伊三夫委員
農業者も漁業者も、続けていけるように、本当に真摯になって取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

桐明委員。

委員桐明和久委員
先ほどは優しく言いましたが、はっきり言います。JA福岡八女は「値段ではなく、資材がないとできない」と、資材をそろえようと組合長たちが必死です。これまでの「状況を聞いてまいります」という答弁では、農業者の現状を全く分かっていないのではないですか。それなら一度、組合長を集めて八女に来てください。組合長は皆の前で「値段に関係なく資材を確保するので生産を続けてほしい」と言っています。今の部長の答えも「話をします」程度で、生産者の声と全然違います。ぜひ今日は八女に来て声を聞かないと、部長はじめ職員の皆さんの答え方は現場を分かっていない。生産者がどういうつもりで生産をやろうとしているのかと、相当差があると思います。

徳田農林水産部長。

県の担当者徳田農林水産部長
厳しいご指摘をいただいた点については、とにかく状況を把握するよう今後努めてまいります。これまでも現場の情報把握に努めてきましたが、認識のずれや現場の厳しさの情報収集の甘さがあったとのご指摘ですので、改めて情報把握を見直し、全力を挙げて対応してまいります。
委員長吉田浩一委員長
よろしいですか。ほかにありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長吉田浩一委員長
ほかにないようですので、次に進みます。 次に、「今後の委員会活動について」お諮りします。今後の委員会活動については、正副委員長にご一任いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

―― 「異議なし」と呼ぶ者がある ――

委員長吉田浩一委員長
ご異議ありませんので、そのようにさせていただきます。 最後に、会議録に署名する委員として、浦伊三夫委員と塩生好紀委員のお二人を指名します。よろしくお願いします。 以上で当委員会の議事はすべて終了しました。これをもって農林水産委員会を閉会します。  午後0時27分 閉会

出典: 福岡県議会 会議録検索システム