1. 第十二次福岡県職業能力開発計画の策定について
委員長中嶋玲子委員長
令和8年8月6日(木曜日)
午前10時58分 開会
おはようございます。出席者が必要な人数に達しましたので、商工労働委員会を始めます。
仲谷国際スポーツ大会推進室長から欠席の届けが出ていますので、お知らせします。
報道機関からテレビカメラなどでの撮影の申し出があり、許可しています。撮影する方は、配付している撮影エリアの図面と注意事項を守り、事務局の指示に従ってください。
今日の議題は、お配りしたとおりです。
それでは、議事に入ります。
「第十二次福岡県職業能力開発計画の策定について」を議題にします。県の説明をお願いします。案浦職業能力開発課長。
県の担当者案浦職業能力開発課長
第12次福岡県職業能力開発計画(働く人の技術や能力を高めるための県の計画)を作ることについて説明します。
【計画の概要】
今の第11次計画が今年度で終わるので、新しい計画を作ります。この計画は、職業能力開発促進法に基づく都道府県の計画で、厚生労働大臣が作る国の基本計画とも内容を合わせます。期間は令和9年度から13年度までの5年間です。
スケジュール:7月に審議会に相談して計画づくりを始めました。12月の委員会で素案を報告し、その後パブリックコメント(県民からの意見募集)を行って、令和9年2月議会に計画案を出す予定です。なお、この審議会には横尾副委員長にも参加していただいています。
【現状】
・人口:福岡県の生産年齢人口(15〜64歳の働く世代の人口)は、今後25年間で58万人減る見込みです。
・雇用:若者が卒業後3年以内に仕事を辞める割合は、福岡県は全国より高くなっています。また、高齢の労働者や外国人の労働者は増えています。
・今の計画の目標の進み具合:高等技術専門校(県立の職業訓練校)などの就職率は、目標をやや下回るものもありますが、おおむね良好です。デジタル人材の育成数(職業訓練でプログラミング関係の科目を修了した人数)は、令和6年度までの3年間で累計1,630人で、令和8年度までの5年間では約2,700人と見込まれ、目標の3,000人をやや下回る見通しです。また、ウェブサイトの閲覧数や技能検定の受検申請者数は目標を下回っています。特にウェブサイトは近年閲覧数が減っており、SNSやAIの普及が影響していると分析しています。
厳しい状況もありますが、今年度も目標達成に向けて取り組んでいます。
【課題】
・産業界や地域の求めに合った人材育成:企業ではDX(デジタル技術による変革)に対応できる人材やノウハウが足りず、あらゆる分野でデジタルを使いこなせる人材の育成が急がれます。また、建設・介護分野の人手不足や、若者のものづくり離れが深刻で、若い人が魅力を感じる訓練が必要です。
・誰もが活躍できる社会:働く世代の人口が減る中、女性や高齢者など、さまざまな人が活躍できるよう、きめ細かな職業能力開発が必要です。
【新しい計画の主な変更点】
リスキリング(働きながら新しい知識や技術を学び直すこと)の支援と、外国人への支援を新たに盛り込みました。
【審議会での主な意見】
5年前と比べてDXが進んでおり、AIも含めてあらゆる産業で使えるよう重点的に取り組む必要があること、転職を希望する人が増えて働き方が変わってきているので、自分で考えてキャリアを築くことやリスキリングを重視する必要があることを共有しました。また、インターンシップをきっかけに建設業界のイメージが変わって就職した女子高校生の例が挙げられ、子どものころからいろいろな分野に目を向けてもらうことが必要だという意見もいただきました。
説明は以上です。よろしくお願いします。
委員長中嶋玲子委員長
ありがとうございました。説明が終わりました。
これから質疑を行います。質問はありませんか。野原委員。
委員野原隆士委員
資料を見て、気になることが2つあります。
1つ目は、第11次計画の目標の進み具合の表です。2つ目までは分かります。高等技術専門校の就職率の目標を91%に上げるということですね。ところが、下から2つ目は、今が80%なのに目標が73%と低くなっています。もう一つも、61.4%なのに目標が60%です。ふつう目標は上げるものだと思いますが、なぜこうなっているのでしょうか。
2つ目は、基本的な施策にある「ものづくり分野の人材育成」です。これは商工部も同じようなことをやっています。先日、私たちは新潟県の燕三条に県外視察に行きました。その後、燕三条の若手経営者の方々が福岡に来て、商工部の主催で催しをしていただき、私も少しのぞかせていただきました。そうした取り組みとの連携をどう考えているのか教えてください。
▷ 案浦職業能力開発課長。
県の担当者案浦職業能力開発課長
まず、障害者職業能力開発校の就職率についてです。これは第11次計画の目標値で、令和4年度から8年度までの目標を73%としていたのに対し、今は80.0%と上回っている状況です。第12次計画の新しい目標は次の審議会で話し合っていただく予定なので、こうした状況も踏まえて設定したいと考えています。
もう一つのものづくり分野については、私たちも商工部と情報を共有しながら進めており、新しい施策を決めるときも商工部と連携していきます。今、県の総合計画も並行して作っているので、それとも内容を合わせながら決める予定です。
▷ 平田技術人材育成室長。
県の担当者平田技術人材育成室長
商工部も、職業能力開発計画の中に施策を入れています。委員がおっしゃったオープンファクトリー(工場を公開して見学や体験をしてもらう取り組み)の事業は、今年度からの新しい事業なので今の計画には入っていませんが、課長が申し上げたとおり、商工部の新しい施策もこの計画に取り入れて連携していきたいと考えています。
委員野原隆士委員
はい、分かりました。
▷ ほかにございませんか。井上正文委員。
委員井上正文委員
今の野原委員の質問に関連して、商工部との連携について質問します。
資料では、建設・介護などの人手不足と若者のものづくり離れを課題に挙げ、その対策として人手不足の分野での人材育成の強化を挙げていますね。一方、目標には主に就職率が書かれていて、就職した後に職場に定着しているかどうかは書かれていません。職業訓練を受けて就職しても、すぐに辞めてしまっては人手不足の解消につながりません。県は、訓練を終えて就職した人がその後も働き続けているかをどのように把握し、職業訓練の内容や企業への支援に生かしていくのか、考え方を教えてください。
▷ 案浦職業能力開発課長。
県の担当者案浦職業能力開発課長
就職後の定着についてです。まず就職率は、学校を卒業してから1か月、3か月、6か月の時点で確認して出しています。そこまでは追っていますが、その後はなかなか追えていないのが現状です。
▷ 平田技術人材育成室長。
県の担当者平田技術人材育成室長
就職した後に働き続けてもらうことについてです。例えば半導体やものづくりの分野では、技術の進歩が速くてなかなかついていけないという課題を聞いています。そこで、半導体はリスキリングセンターでの講座、ものづくり企業には飯塚研究開発センターで中心となる人材を育てる講座を行っています。こうした講座で、働いている人のスキルアップを図り、定着につなげようと取り組んでいます。
委員井上正文委員
定着については調べているとのことでしたが、辞めた人がなぜ辞めたのか、例えば賃金なのか、働き方なのか、職場の環境なのかといった、辞める原因となる問題にも対応しなければならないと思います。そこを一体的に進めて、就職後に定着しているかまでしっかり確認することが、県が職業訓練を行ううえで必要だと思います。計画を作った後にやるのではなく、今は計画を作る段階なので、そうしたこともしっかり視野に入れて取り組んでください。
県の担当者案浦職業能力開発課長
貴重なご意見ありがとうございます。審議会でもいろいろ議論していただいてご意見をいただいているので、それも踏まえて計画づくりに取り組みます。
▷ ほかにございませんか。神崎委員。
委員神崎聡委員
全部に関連することですが、県の総合計画も今同時に審議されています。総合計画と商工の部分、そしてこの職業能力開発の部分について、労働の担当部署とどう連携しているのかがまず一つです。
また、これまでの5年間の総合計画や能力開発計画の反省を踏まえて、です。5年前のAIやDXの状況と比べると、比べものにならないくらい進歩が速く、私たちもついていくのがやっとです。そうした中で、特に中高年の方々の能力開発は非常に大きな課題だと思います。
基本的な施策の案は書かれていますが、これだけ変化が速い中では、審議会や目標値、能力開発の講座などを、スピード感を持って企業のニーズに合わせて変えていくことが強く求められると思います。この5年間を踏まえて、どのように変えようと考えているのか聞かせてください。
▷ 案浦職業能力開発課長。
県の担当者案浦職業能力開発課長
今、働く世代の人口が減っています。これを今いる人材でカバーするには、働いていない女性や高齢の方に活躍していただくことがとても重要になると考えています。
これまでの職業訓練は、主に仕事を辞めた人や、高校を卒業して入ってくる新卒の人を対象にしてきました。若者向けの訓練には30歳までといった年齢制限を設けていたものもありますが、これからは中高年の方や子育てを終えた方にも訓練を受けて就職していただけるよう、年齢の幅を広げることを考えています。
委員神崎聡委員
人手不足の中で、特に中高年の方々の能力開発はとても重要だと思います。もう一つ、都市部と地方とではニーズが違い、それが大きなミスマッチ(求める人材と働きたい人との食い違い)を起こしていると思います。そうした点も審議会でしっかり検討して計画に盛り込んでください。変化がこれだけ速い中では、県には柔軟に変更できる対応が求められると思います。総合計画も同じですが、企業と働く人のマッチングをきちんと行っていただくよう要望します。
県の担当者案浦職業能力開発課長
すみません、総合計画と商工部との連携についてお答えするのを忘れていました。商工部とは、計画を作るにあたって、本当に毎回のように密に協議しています。総合計画については、私たちの計画のほうが先に進んでいて、今総合計画が追いついてきているところなので、これから足並みをそろえていきたいと考えています。
委員神崎聡委員
ありがとうございました。そのために今年から「商工労働委員会」という形に変わったわけですから、そこは大きな強みだと思います。ぜひこの委員会でしっかり議論しながら対応してください。以上です。
▷ ほかにありませんか。坪田委員。
委員坪田晋委員
分かればで結構ですが、2点お聞きします。
1点目は、現状の中で、障がいのある人の求職申し込みの件数と就職件数が増えていることについてです。申し込みが増えているのは、仕事を失った人が増えたからなのか、単純に仕事を探す人が増えたからなのか、分析していれば教えてください。
2点目は、福岡県の職業訓練のウェブサイトの閲覧数が目標を大きく下回っている理由を、SNSとAIのためと説明されたと思いますが、もう少し詳しく教えてください。
▷ 案浦職業能力開発課長。
県の担当者案浦職業能力開発課長
障がいのある人の求職者数についてです。企業が雇わなければならない障がい者の割合(法定雇用率)が少しずつ上がってきていること、障がい者雇用が広く知られるようになったこと、企業がダイバーシティ(多様な人材の活躍)に取り組んでいることなどから、障がいのある方も働いてみようと考え、求職者が増えているのではないかと考えています。
ウェブサイトについては、私自身もそうですが、インターネットで何かを調べるとき、以前はホームページまで入って調べていましたが、今はその前の段階でAIが答えを教えてくれることがあるので、ホームページにたどり着く前に戻ってしまうことがあります。また、パソコンを開かなくても、スマホでSNSを見て情報をかなり得られるようになっています。こうしたことから、ホームページの閲覧数が減ってきたと分析しています。
委員坪田晋委員
ありがとうございます。仕事を探している人や訓練を希望する人がSNSで情報を集めているのであれば、SNSの活用も検討して、そうした人をホームページに呼び込んで情報を見てもらうなど、県民の皆さんが職業訓練の機会を逃さないような手を打っていただければと思います。要望です。
県の担当者案浦職業能力開発課長
SNSについては、各高等技術専門校ががんばって発信していますが、なかなか伸び悩んでいます。また、SNSが得意な人がいる学校はそれなりに発信できますが、そうでない学校は発信するところから苦労しています。こうした状況を踏まえ、今年度は魅力発信の事業を行う予定で、SNSで使える動画を作って情報を発信していきたいと考えています。
▷ ほかにありませんか。野原委員。
委員野原隆士委員
神崎委員の質問に関連して、参考までに教えてください。高等技術専門校と障害者職業能力開発校の充実・強化のところに、「社会の変化に対応し、企業のニーズに合った人材を育てる」と書かれていて、その対応にも「新しい技術や多様なニーズに対応した」と書かれています。この企業のニーズは、企業と定期的に意見交換会などをしているのか、商工部が集めた情報をもらっているのか、どのようにして把握しているのですか。
▷ 案浦職業能力開発課長。
県の担当者案浦職業能力開発課長
県内には高等技術専門校が7校あります。各校は、ふだんから地元の周辺企業を回って、訓練生の就職先を見つける仕事もしているので、企業とはかなり密に連携しています。そうした機会にニーズを調べています。
委員野原隆士委員
そうすると、このリスキリング支援は、その地域の企業を支援していくということでよろしいですか。
県の担当者案浦職業能力開発課長
今も「在職者訓練」といって、仕事を探している人ではなく、今企業で働いている人を対象に、短期間のコースの職業訓練を一部行っています。そうした形で企業と連携し、企業の支援も行っています。今後はそこを強化していく必要があると考えています。
委員野原隆士委員
商工部はどのようにしていますか。
▷ 平田技術人材育成室長。
県の担当者平田技術人材育成室長
商工部も、日々企業と連絡をとって、さまざまなニーズを把握しています。例えば半導体分野のリスキリングセンターにはコーディネーターがいて、地域の企業を回り、こういう講座がほしい、こういう技術を身につけたいという声があれば、それを反映して新しい講座をつくっています。このようにして日々企業のニーズをとらえています。
委員野原隆士委員
はい、分かりました。両部でしっかり連携できているということで、よろしくお願いします。
▷ ほかに質問はありませんでしょうか。神崎委員。
委員神崎聡委員
今日から視察で小竹(小竹町の高等技術専門校)に行きます。7つの職業訓練校にはそれぞれ特徴があると思います。商工部の半導体の取り組みは、先日視察させていただいてよく分かりましたが、職業訓練校にはなかなか行く機会がないので、どんな様子なのか、今日の視察でいろいろ見させていただきたいと思っています。
そこで前もってお聞きしたいのですが、先ほど企業のニーズという話がありました。筑豊地域になりますが、小竹校ではどんなニーズを把握して、どんな職業訓練を行っているのか教えてください。視察の前に、少し予備知識を入れさせてください。
▷ 案浦職業能力開発課長。
県の担当者案浦職業能力開発課長
小竹校は、県内の高等技術専門校の中でも、かなり幅広い科目を持っています。プログラム設計科、自動車整備科、機械関係の科、建築科、デザイン塗装科、介護サービス科などがあり、本当に幅広く訓練を行っています。
特にプログラミングの科については、小竹校は高速道路に比較的近いので、学んだ後に北九州方面や宗像あたりの企業も就職先として考えられることから、プログラミングにかなり力を入れています。
委員神崎聡委員
ありがとうございました。よく分かりました。自動車はトヨタの宮田工場があり、介護は高齢者が多く介護施設も多いので、そうした分野の訓練をしているということですね。対象となる方は、先ほど言ったような中高年の方や、第二の人生を考える方などが中心で、そうした人のための訓練をしていると理解してよろしいですか。
県の担当者案浦職業能力開発課長
手元に年齢層のデータまではありませんが、介護の人材が不足していることに加え、介護は中高年の女性にとって比較的入りやすい仕事で、訓練の後にしっかり就職できるという面もあります。そうした地元の要望も受けて、比較的新しい科として介護サービス科を設けています。
委員神崎聡委員
どうもありがとうございました。
委員長中嶋玲子委員長
ほかに質問はありませんか。
―― 「なし」と呼ぶ者がある ――
2. その他(熊本地震による県内の企業・経済への影響)
委員長中嶋玲子委員長
ほかにないようなので、この件の質疑を終わります。ありがとうございました。
次に、議題にはありませんが、「その他」として委員の皆さんから何かありませんか。堀委員。
委員堀大助委員
熊本地震について、商工部の担当になるかと思いますが、お聞きします。福岡県の中小企業や経済への影響について、今の時点でどのように見込んでいるか、分析しているか、大まかで構いませんので分かれば教えてください。
▷ 酒谷商工政策課長。
県の担当者酒谷商工政策課長
県内の商工関係の被害の状況は、市町村や関係団体を通じて随時把握しています。8月3日時点で、主に筑後地区の事業者6件の被害を把握しており、内容は主に商品や設備の破損などです。
県内企業への影響については、商工部では特に自動車や半導体などの先端成長産業の情報を集めています。県内にはトヨタ自動車や日産自動車九州などの自動車メーカーがありますが、部品の供給網(サプライチェーン)の影響で一時的に稼働を止めていました。本日8月6日から再開すると聞いています。また、半導体関連の企業などにも聞き取りを行っており、今のところ、すぐに操業に支障が出るような状況は確認されていません。今後も状況の変化に応じてしっかり見守っていきます。
委員堀大助委員
ありがとうございました。これからもいろいろな影響が出てくるかもしれないので、その都度適切に対応してください。
それから、分野が違うかもしれませんが、熊本の港が被災しているのを見ました。それに関連して、福岡の大牟田港が使われるなど、何か情報は入っていますか。なければ、分かったときで構いません。
県の担当者酒谷商工政策課長
その状況については、今の時点では詳しく把握していないので、情報を集めて報告します。
委員長中嶋玲子委員長
ほかにありませんか。
―― 「なし」と呼ぶ者がある ――
委員長中嶋玲子委員長
それでは、ほかにないようなので、次に進みます。
次に、「今後の委員会活動について」ですが、委員長と副委員長に任せていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
―― 「異議なし」と呼ぶ者がある ――
委員長中嶋玲子委員長
反対がないようなので、そのようにします。
最後に、会議録に署名する委員を指名します。井上正文委員と塩出麻里子委員のお二人を指名します。
これで今日の議事はすべて終わりました。商工労働委員会を閉会します。ありがとうございました。
午前11時33分 閉会
出典: 福岡県議会 会議録検索システム