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発言のやり取り

予算特別委員会2026年3月12日(木) 開催

1. 令和八年度福岡県一般会計予算の歳出三款保健費及び四款環境費の審査

委員長香原勝司委員長
おはようございます。定足数に達しましたので、委員会を始めます。本日は、令和8年度福岡県一般会計予算のうち、歳出の3款保健費と4款環境費の審査を予定しています。 まず、3款保健費について説明を求めます。田中保健医療介護部長、どうぞ。
県の担当者田中保健医療介護部長
おはようございます。3款保健費について説明します。 主なものとして、保健環境研究所の整備に約81億8,000万円余、難病患者への医療費の公費負担に約60億5,900万円余、後期高齢者医療給付費の法定負担金などに約915億1,500万円余などを計上しています。保健費全体では、各項合わせて数千億円規模をお願いしています。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。板橋聡委員、どうぞ。
委員板橋聡委員
おはようございます。自民党県議団の板橋聡です。ノーリフティングケアの普及について質問します。 高齢化が進み介護を必要とする方が増える中、介護現場では人材不足が深刻で、特に腰痛などの身体的負担が離職の大きな要因で、「きつい・危険」というイメージが人材確保の壁になっています。これを改善するため進められているのが、人の力だけに頼らず福祉用具を使って利用者を持ち上げない介護技術「ノーリフティングケア」です。私は令和5年3月と令和6年12月にも質問しました。 今回はその後の取り組みを踏まえ、県による支援の必要性を質問します。まず、ノーリフティングケアに取り組む意義を、県としてどう考えているか改めて説明してください。

高田介護人材確保対策室長。

県の担当者高田介護人材確保対策室長
ノーリフティングケアの導入は、介護職員の腰痛などの身体的負担や疲労の軽減につながり、安心して介護を続けられる環境を整えます。同時に、介護を受ける方も無理な抱え上げによるけがのリスクが減り、より快適な姿勢で介助を受けられます。介護サービスの質の向上、職員の負担軽減、離職率の低下など多岐にわたる効果が期待できる、極めて有益な取り組みだと認識しています。
委員板橋聡委員
県の普及促進事業では、県内4地域で自主的に普及活動を行う協議会を立ち上げ、研修などに取り組んでいると聞いています。一昨年質問した際は60事業所が参加とのことでしたが、現在の参加事業所はどうなっていますか。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
県内4地域の協議会は、地域で自主的に普及活動に取り組んでいただくために立ち上げたもので、県は研修会の開催経費を負担して支援しています。令和2年度から参加事業所を募集し、毎年約10事業所が新たに参加いただいていますが、翌年度に継続しない事業所もあり、現在の参加事業所は58事業所です。
委員板橋聡委員
県内には約1,900か所の入所系介護事業所がありますが、参加が58にとどまっている現状について、既存の事業所が継続しなかった理由や、新規が増えない要因をどう考えていますか。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
既存の事業所が継続しなかった理由は、取り組みは続けているものの、人手不足が深刻になる中で協議会での活動時間の確保が難しくなったことや、主要な役割を担っていた職員の異動などが挙げられます。新規が増えない理由は、効果は広く知られているものの、従来の介助方法から新しい手法に変える心理的抵抗が大きいこと、新技術の習得・定着に継続的な研修が必要で事業所や職員の負担が生じることなどが考えられます。
委員板橋聡委員
事業開始から6年が経ち、参加が増えていない現状を踏まえると、事業手法の見直しが必要です。普及・定着には、技術の習得、リフトやスライディングボードなどの環境整備、職員の意識共有の3つが必要だと考えます。まず技術の習得について伺います。県事業では技術リーダーを育成する研修を行っていますが、一定レベルの技術者への認定証の交付は、委託先のNPO法人が独自に行っていると聞きます。公的機関である県が認定証を交付すれば社会的信頼が高まり、リーダーの評価や職員のモチベーション向上につながり、普及に弾みがつくと思いますが、いかがですか。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
県は技術リーダーを育成する研修を行っており、委託先のNPO法人が独自に一定レベルの技術者に認定証を交付しています。さらなる普及には地域の核となるリーダーの育成が重要で、リーダーが意欲的に活動できる仕組みが必要と考えます。ご指摘の県による認定証の交付も含め、リーダーが意欲的に活動できる仕組みについて、今後、委託先のNPO法人や協議会の意見を伺いながら検討を進めます。
委員板橋聡委員
次に環境整備です。職員が研修で技術を習得しても、実践に必要な福祉用具が事業所になければ学びを生かせません。今年度、介護DX支援事業費補助金の対象に床走行式リフトやスライディングボードなどが追加されましたが、補助要件に制限があり活用しづらいとの声もあります。ノーリフティングケアに取り組む事業所がこの補助金で福祉用具を整備しやすくなる方法を検討すべきですが、いかがですか。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
介護DX支援費補助金は、介護ロボットやICT機器の導入と福祉用具の購入に助成するものですが、申請希望が多いことから、これまでは介護テクノロジーの導入を優先し、その導入(予定)事業所に限って福祉用具の導入にも助成してきました。今年度は申請件数が落ち着き、介護テクノロジーの導入も進んできたことから、来年度事業について、どのような補助要件がよいか検討します。
委員板橋聡委員
普及には、技術習得と環境整備のための補助金や認証制度といったインセンティブが不可欠です。そのうえで、施設管理者と職員が「抱えない介護」の重要性について共有認識を持つことが重要です。これまで取り組んでこなかった事業所が最初の一歩を踏み出し、共有認識を醸成するために、県はどのような取り組みを進める予定ですか。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
来年度、新たに、県内で取り組んでいる事業所の導入までの経緯や効果をまとめた事例集や動画を作成し、県ホームページなどで積極的に発信する予定です。また、取り組んでいない事業所を対象に実際に体験してもらう導入研修会を開催し、導入を検討する事業所には協議会の協力を得て技術指導や定着への助言を行う予定です。
委員板橋聡委員
最後に部長の決意を伺いたいところですが、その前に。ノーリフティングという言葉が福岡県議会で初めて出たのは平成21年6月、17年前です。平成30年の決算特別委員会で当時の室長が初めて言及し、その後、私が令和5年と令和6年に質問してきましたが、1,900か所の入所系事業所がある中で、参加が60から58へ減る状況がこの2年続きました。前回も「しっかり取り組む」との言葉をいただきましたが、参加が減ってしまったことについて、事業全体を所管する部長として率直なコメントをいただけますか。

田中保健医療介護部長。

県の担当者田中保健医療介護部長
ノーリフティングケアは、介護現場で安心して介護していただくためにも重要で、介護従事者の負担軽減にもつながる有意義な取り組みだと認識しています。参加事業所が58になっていることは大変残念なことだと思っており、周知についてしっかりやっていきたいと思います。
委員板橋聡委員
これ以上聞くと止まりそうなので。数字が一番大事で、65ある事業所のうち60が58になったのではなく、1,900ある入所事業所の中で60が58になった、ということです。それを踏まえて、部長としてノーリフティングケアの普及促進にどう取り組むのか、どのような決意を持っているのか聞かせてください。
県の担当者田中保健医療介護部長
高齢化で介護ニーズが増大する中、ノーリフティングケアは介護する側・される側にとって安全で質の高い介護を実現するために必要な取り組みです。普及・定着には環境整備、技術の習得、意識の共有が重要で、制度の見直しについてもご指摘をいただきました。現在の制度や仕組みの見直しも検討し、助成制度を利用しやすくしていきたいと思います。多くの事業所で取り組みが進むよう、委託先のNPO法人や協議会の意見を伺いながら、しっかり取り組んでまいります。
委員板橋聡委員
3回目の「しっかり取り組む」というお言葉ですが、その意味でも県のトップである知事の考えも聞きたいので、委員長、知事保留質疑のお取り計らいをお願いします。
委員長香原勝司委員長
ただいま板橋委員から申し出のあった知事保留質疑を認めます。知事保留質疑は3月19日木曜日に行う予定ですので、ご了承ください。
委員板橋聡委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。原田博史委員。

委員原田博史委員
民主県政クラブの原田です。通り魔的事件の未然防止に向けた危機対応体制の強化について伺います。 近年、面識のない人を狙う通り魔的事件が続いています。多くは直前の予測が難しい一方、大声や奇妙な行動、近所トラブル、警察の出動、孤立、生活の行き詰まりなどが前触れとして積み重なっていた可能性も報じられています。私は北九州市選出として、2024年12月14日に北九州市のファストフード店で中学3年の男女2人が刃物で襲われ1人が亡くなった事件を重く受け止めています。 本日は、精神疾患と暴力を短絡させず偏見を広げないことを大前提に、危機のサインを支援につなぐ行政の仕組みが本当に動いているのかを、精神保健福祉法22条の実効性も含めて質問します。まず、22条・23条・47条の概要について、資料の説明をお願いします。

松田こころの健康づくり推進室長。

県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
お手元の資料をご覧ください。この法律は、精神障がい者の権利擁護や医療・保護、社会復帰の促進などを目的としています。 22条では、精神障がい者またはその疑いのある者を知った場合、誰でも精神保健指定医の診察や保護を都道府県に申請でき、自傷他害のおそれがある場合が対象です。23条では、警察官が自傷他害のおそれのある精神障がい者を発見した場合、最寄りの保健所長を通して知事に通報しなければならないとされます。22条・23条は、大都市特例により政令市が処理します。47条では、都道府県・市町村は、精神障がい者やその家族などの相談に応じ、必要な情報提供や援助を行わなければならないとされています。
委員原田博史委員
北九州の事件では、事件前から周辺での騒音・大声・奇妙な行動の相談や警察の出動が語られ、前触れが点在していた可能性が指摘されています。北九州市は政令市で精神保健の担当課があります。23条の警察官通報は、条文上は保健所長を経て知事へですが、国の運用上、措置診療が必要かの判断は知事や政令市長が行う整理になっています。 そこで伺います。県として、政令市と、危機の判断の目安(どんな状態なら危機が高いと判断するか)、警察・保健所・指定医・医療・福祉へつなぐ流れ、個別ケースの検討などを、合同研修などを通じて同じ考え方・同じ動きにそろえる枠組みが必要だと考えます。県は、政令市も含めたそのような枠組みをつくっていますか。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
警察官からの23条通報への対応は、県も政令市も、国が作成した措置入院の運用ガイドラインに基づいて対応しています。また県は、政令市とともに、夜間・休日でも通報から入院までの流れが迅速・適切に行われるよう、警察・保健所・指定医・医療機関などとの連携体制を構築しており、この協議の場で地域で起きた困難事例の対応を共有して平準化を図っています。
委員原田博史委員
次に22条について。22条は、本人が受診を拒む場合でも指定医の診察につなぐための入り口の制度です。しかし、慎重運用や人権配慮を理由に、住民や家族が制度になかなかたどり着けず危機が放置されては本末転倒です。県は、22条の申請件数・受理件数・診察につながった件数などを把握し、制度が実際に動いているか確認していますか。また、相談が入ったときの保健所の基本の手順を整えていますか。さらに、自治体で運用に差があるとも言われますが、県はどう周知していますか。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
22条申請は誰でもできますが、本人の同意なしに強制的な入院につながり得るため、相談段階でそのことを丁寧に説明し、申請があった場合には本人や家族への事前調査を慎重に進める必要があります。このため、直近3年間の申請・受理件数は3件で、指定医の診療に至ったのは1件です。保健所の対応手順は、県の事務処理要領を定めて運用しています。周知については、県ホームページに申請様式を掲載していますが、22条に限らず幅広く相談を受けられることを知っていただくことが重要と考え、各保健所や精神保健福祉センターで精神保健相談を受けていることを、県ホームページや市町村広報を通じて周知しており、今後も継続します。相談では本人の人権に配慮しながら、必要に応じて22条申請も丁寧に説明しています。
委員原田博史委員
近所トラブルや騒音などで警察が関わる場面は、地域の不安が最も高まり危険なサインが表に出やすい局面です。ここで警察対応だけで終わらず、支援が必要なケースを保健所につなぐことが重要です。22条申請に至らずとも保健所が相談に乗り援助する47条の規定もありますが、県域の保健所として実際どう対応するのか、具体的にお答えください。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
47条にもとづく相談は、保健所で本人・家族・地域住民・警察・関係機関などからの相談や支援に応じています。本人の精神症状が認められる場合には、関係機関と連携し人権に配慮したうえで医療や福祉サービスなど必要な支援につなげます。例えば、何度も同じ商店に入り大声を出す迷惑行為の相談があった事例では、本人に関わる市町村・警察・支援機関と協議する中で治療の中断が判明したため、医療機関と連携し介入の方法や時期を協議しながら受診につなげる対応を行いました。
委員原田博史委員
次に、精神科病院を退院した方への支援について。措置入院から退院した患者は地域生活で様々な課題を抱えることが多く、退院後に医療・福祉・介護・就労支援を受けられる環境整備が大事で、それを支える家族も心身ともに疲弊します。県は、措置入院から退院した患者やその家族に具体的にどのような支援を行っていますか。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
県では、患者が地域生活を継続できるよう、措置入院から退院された患者本人の同意を得て退院後の支援計画を作成しています。この計画に基づき、状況に応じた医療・福祉サービスの提供や、状況が悪化したときに家族や関係機関と連携して早期に医療機関につなぐ仕組みづくりを行っています。この計画は家族の意見や希望を踏まえて作成しており、家族への支援にもつながっていると考えています。
委員原田博史委員
最後に部長に伺います。県民の命と安心を守るため、県が広い立場で前に進めるべきことは3点です。①県域だけでなく政令市も含めて危機対応を標準化し、どの地域でも対応が変わらない状況をつくること、②保健所の精神相談を「いつでも来ていい」と周知すること、③退院後の支援・家族支援をもう少し強化すること。この3点について、部長の考えと決意を示してください。

田中保健医療介護部長。

県の担当者田中保健医療介護部長
県では、精神障害の有無や程度にかかわらず誰もが安心して暮らせるよう、市町村などと連携し、個々の状況に応じた医療・福祉サービスの提供や相談対応に取り組んでいます。通報時の対応は、関係者との協議の場で政令市も含めて困難事例を共有し、平準化・標準化を図っており、引き続き図ってまいります。精神保健相談の周知は、各保健所や精神保健福祉センターで幅広く受け付けていることを分かりやすく周知します。さらに、退院後の患者が生活支援を継続できるよう、本人や家族の意向を踏まえた支援計画を作成し必要な支援を行います。これらの取り組みを通じ、誰もが安心して暮らせる地域生活の実現を目指してしっかり取り組んでまいります。
委員原田博史委員
少し長くなり申し訳ありません。最後に要望します。当たり前の日常を送っていた中学生2人に突然の悲劇が襲い、1人は貴い命を奪われ、もう1人は心と体に大きな傷を負いました。お願いは、まずこの事件を風化させないこと。そして「どうしようもなかった、やむを得なかった」で終わらせないこと。県民が「相談しても無駄だ」と感じる社会が最も危険です。事件が起きてからの検証ではなく、起きる前につなぎ切る、最後まで面倒を見る行政を、政令市とも足並みをそろえ、県が先頭に立って具体的な行程と成果で示すことを強く要望し、終わります。ありがとうございました。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。塩出麻里子委員。

委員塩出麻里子委員
公明党の塩出麻里子です。介護施設における口腔ケアについて質問します。 令和3年度の介護報酬改定により、令和6年度から介護施設での口腔ケアが基本サービス化され、事実上の完全義務化となりました。我が会派は、福岡市西区の特別養護老人ホーム「マナハウス」の先進事例(介護職員が週2回、入所者全員に口腔ケアを実施し、肺炎や誤嚥性肺炎による入院日数が7割減、他の疾病の入院も5割減、施設の稼働率が上がって約1,200万円の増収、約4,200万円の医療費削減につながった)を紹介してきました。 まず、3年間の努力義務期間を経て令和6年度から基本サービス化された、この改定の趣旨について県の認識を示してください。

酒谷介護保険課長。

県の担当者酒谷介護保険課長
口腔ケアの基本サービス化は、国の科学的検証で、口腔の健康状態に応じた適切な口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防はもとより、栄養状態や全身の健康状態の維持にも有効であることが裏づけられたことを踏まえて実施されたものです。基本サービス化により、すべての介護保険施設で、歯科専門職の助言・指導に基づき、職員による口腔衛生のチェック体制を整え、各入所者に合わせた丁寧な口腔ケアを充実させることが必要になったと認識しています。
委員塩出麻里子委員
今の答弁で、国による科学的な検証と御説明いただきましたが、その内容について説明をお願いいたします。
県の担当者酒谷介護保険課長
国の科学的な検証について、令和2年度の社会保障審議会の資料で、口腔ケアが必要な入所者に口腔ケアが行われなかった場合、適切に行われた場合と比べて1年間の肺炎発症リスクが約3.9倍に上昇し、1年後の体重減少リスクも2.2倍に増加したことなどが示され、口腔ケアが肺炎予防だけでなく栄養状態の維持にも不可欠であることが示唆されました。
委員塩出麻里子委員
次に、執行部には、介護保険施設における誤嚥性肺炎による入院件数等の推移について、あらかじめ資料の準備をお願いしております。資料の概要について御説明をお願いします。
県の担当者酒谷介護保険課長
お配りした資料は、県が所管する介護保険施設について、入所者の年間入院件数と誤嚥性肺炎による入院件数を、努力義務化の令和3年度から完全義務化の令和6年度まで、口腔ケアに取り組んでいる施設と取り組んでいない施設に分けてまとめたものです。取り組んでいる施設では、令和4年度に一部でコロナの集団感染の影響で一時増加したものの、その後は減少傾向です。取り組んでいない施設は義務化の進展で年々減り、令和6年度の完全義務化でゼロになりました。入院件数の割合は、取り組んでいる施設に比べ総じて高い傾向で、わずかな差ですが口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防に一定程度寄与していると思われます。
委員塩出麻里子委員
マナハウスのような先進事例では誤嚥性肺炎による入院が7割減ったと伺っていますが、今の資料では、令和6年度の実績でも義務化前と比べて劇的な改善やマナハウスほどの差は表れていないように見えます。この結果を県としてどう分析し、要因をどう捉えていますか。
県の担当者酒谷介護保険課長
口腔ケアが誤嚥性肺炎の減少につながらなかった施設に要因を確認したところ、高齢化に伴い、喀たん吸引など専門的な医療的ケアを必要とする誤嚥性肺炎リスクの高い入所者が増えていること、歯科専門職からの指導・助言がおおむね半年に1回程度と限定的であること、口腔ケアを実践する介護職員が多忙な中で専門的知識・技術の習得が十分に追いついていないことなどが挙げられました。
委員塩出麻里子委員
この結果を踏まえ、介護保険施設の口腔ケアの最も重要な課題は何か、県の認識を改めて聞かせてください。
県の担当者酒谷介護保険課長
介護業界は多くの施設で深刻な人手不足に直面しています。多忙な中で、ご紹介の事例のような顕著な成果を上げるには、施設管理者のリーダーシップのもと、施設全体で口腔ケアの重要性を共有し、職員一人一人が高い意識を持って専門的な知識・技術の習得に励んでいただくことが重要だと認識しています。
委員塩出麻里子委員
この調査は口腔ケアの実施について有効なものです。今後も継続していただけますか。
県の担当者酒谷介護保険課長
この調査は、今後も事業者への負担に十分配慮しながら続けていきます。
委員塩出麻里子委員
ありがとうございます。令和4年3月の代表質問で、マナハウスの取り組みを研修充実に生かしていくと知事が答弁されていますが、県としてどう取り組んできたか教えてください。

町田健康増進課長。

県の担当者町田健康増進課長
マナハウスの取り組みは、施設職員が歯科衛生士から指導を受け、実際に誤嚥性肺炎が減った好事例です。県では、施設職員を対象に県歯科医師会の協力を得て口腔ケアの研修会を継続的に実施しており、講義や歯科衛生士から直接学べる実習を行うほか、マナハウスの取り組みと効果も紹介しました。
委員塩出麻里子委員
施設での口腔ケアを単なる義務化にとどめず、マナハウスのような質の高いものへ向上させるため、県は今後どのような具体的な取り組みを行う考えですか。
県の担当者酒谷介護保険課長
口腔ケアの質の向上は入所者の生活の質の向上に直結する重要な課題です。県では、令和5年度に県歯科医師会の協力で実践的な研修用テキストと動画を作成しました。今後も毎年の集団指導や運営指導を通じてこれらの活用を施設に働きかけ、普及啓発に努めます。また、他施設の先進的な取り組みを直接見て学ぶ施設見学会を開催しており、今後は口腔ケアに先進的に取り組む施設でも実施することとしています。
委員塩出麻里子委員
確認ですが、先進的な取り組みを学ぶ機会として、口腔ケアについては初めて実施するということですか。
県の担当者酒谷介護保険課長
口腔ケア以外のテーマの施設見学会はこれまでも実施してきましたが、今回、口腔ケアをテーマとしたものを新たに実施することとしています。
委員塩出麻里子委員
ありがとうございました。介護施設の口腔ケアは肺炎予防につながる効果的な取り組みです。最後に部長の決意を伺います。

田中保健医療介護部長。

県の担当者田中保健医療介護部長
介護施設の口腔ケアは、摂食・嚥下機能の維持向上や誤嚥性肺炎の予防につながるだけでなく、入院日数の削減にも貢献し、入所者の生活の質の向上につながる重要な取り組みだと認識しています。介護現場が質の高い口腔ケアを自信を持って実践できるよう、職員研修や研修教材による普及啓発、先進事例見学会の開催など、より実効性のある支援策を講じ、今後ともしっかり取り組んでまいります。
委員塩出麻里子委員
質の高い口腔ケアを行えば、施設の稼働率が上がった分の3.4倍もの医療費が削減できるという画期的な予防事業にもなります。福岡県が先頭に立って実績を積み上げていただくよう期待します。以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。大塚絹子委員。

委員大塚絹子委員
新政会の大塚絹子です。若者への大麻・薬物乱用対策について伺います。 先月末、福岡市中洲の麻薬密売グループ十数人が摘発され、指示役の25歳の男も逮捕されました。X(旧ツイッター)で隠語を使い客を募り、匿名性の高いアプリに誘導して路上で違法薬物を販売していたと見られます。また、警察庁は、2025年に大麻事件で摘発された20歳未満の少年が前年より21.7%増の1,373人で統計のある1990年以降で最多と発表しました。少年の摘発は増加傾向で、この10年で6.5倍です。 そこで伺います。福岡県の大麻事犯の検挙者数の推移、特に20歳未満の少年の検挙者数について、資料に沿って説明してください。

服部薬務課長。

県の担当者服部薬務課長
お手元の資料をご覧ください。棒グラフが大麻事犯全体の検挙者数で、平成28年の155人から年々増え、令和5年に475人と過去最多になりました。直近の令和7年は408人とやや減少していますが、依然高い水準です。折れ線グラフが20歳未満の少年の検挙者数で、平成28年の4人から大幅に増え、令和5年に109人と過去最多となりましたが、令和7年は68人に減少しています。少年の内訳は、有職・無職の少年が6〜8割を占めます。
委員大塚絹子委員
令和5年度から減少していますが、まだまだ多いことが分かりました。県では一昨年10月にアウトリーチ型(必要な人に必要なサービスや情報を届ける)の大麻相談窓口を新設し、XやTikTok、LINEで若者に向けて窓口を紹介し、公認心理師の相談員にLINEやメールで悩みを打ち明けられるとお聞きしています。現在までの相談件数と内容、また相談時間(平日10〜16時)の時間外に相談があった場合の対応を教えてください。
県の担当者服部薬務課長
これまでに31名から相談があり、公式LINEへの相談が24名、メールが7名です。大麻を使用している方の家族や友人などから、身近な人が大麻を使っている、やめさせたいといった相談が寄せられています。時間外にLINEで相談が来た場合は、チャットボットで相談内容を尋ねるメッセージを自動送信し、次の相談日に相談員が速やかに対応します。時間外だからと相談を諦めさせず、第一歩を踏み出してもらいたいと考えています。
委員大塚絹子委員
相談窓口が有効に機能していることが分かりました。全国的に大学の運動部員の違法薬物事件が後を絶ちません。SNSで「大麻は身体への影響はない、依存性はない」といった誤情報が広がったことも影響していると言われますが、厚生労働省は特に若年層で脳への影響があるとしています。ある意識調査では、大学生の3人に1人がSNSで大麻を入手できると回答し、約4人に1人が条件つきの使用を許容という結果もありました。啓発について「必修授業や集中講義に組み込むべき」「単位とひもづけると受講者が増える」「実際に使用した人の話を聞ける機会があればよい」というコメントもありました。 そこで伺います。中高生より自由な時間とお金を持つ大学生・短大生・専門学校生に、薬物の怖さを正しく学ぶ機会をつくるべきです。大学生などに対する県の取り組みを教えてください。
県の担当者服部薬務課長
県では、大麻の危険性や罰則を盛り込んだ啓発リーフレットを、県内の大学・短大に配置する連絡調整員を通じて毎年新入生全員に配布しています。また、平成22年度から毎年1校を選定し、大学・短大・専門学校の学生を対象に、薬物乱用に関する正しい知識を普及する講演会を開催しています。開催校によってはこれを講義と位置づけ学年全員に参加いただいています。今後もより多くの学生に啓発できるよう、大学などと連携して取り組みます。
委員大塚絹子委員
大学生などへの取り組みは理解しました。一方で、学校で学ぶ機会のない社会人の少年にも正しい情報を得る機会が必要です。若者に向けてどのような啓発活動を行っていますか。
県の担当者服部薬務課長
「大麻は体への影響がない、依存性がない」という誤った情報が蔓延し乱用増加の一因となっていることから、科学的根拠に基づく正確な情報を若者に響く形で継続的に発信しています。具体的には、大麻を初めて使ったきっかけは「誘われたから」が最も多いことから、様々な断り方を伝えるアニメーション動画を作成し、YouTubeや商業施設のデジタルサイネージで発信しています。この動画や県の公式LINEから啓発サイトに誘導し、正しい知識を普及しています。
委員大塚絹子委員
学生ではない若者の検挙数が多いこともあり、一般の若者に届きやすく分かりやすい啓発を引き続き進めてください。最後に大麻以外の薬物について。「ゾンビたばこ」など身体に悪影響を及ぼす薬物が次々現れており、迅速に規制する対応が必要です。県は新たな薬物にどのような対策をとっていますか。
県の担当者服部薬務課長
県では、精神に作用を及ぼす危険ドラッグ成分などが確認された場合、県条例に基づき「特定危険薬物」として指定し、製造・販売・所持・使用などを規制しています。県内で健康被害が発生した場合の緊急指定と、他自治体で新たに規制された場合の広域指定があり、これまでに177の成分を指定しています。今後も危険ドラッグ成分が確認された場合は速やかに指定し、しっかり取り組みます。
委員大塚絹子委員
ありがとうございました。一昨日には門司税関で不正薬物の押収量が昨年の4.2倍で、未成年が運び屋として摘発されたとの報道もありました。様々な形で若者に薬物の誘惑があると理解しています。引き続き若者に正しい情報を提供し、薬物に近づかない環境整備を強化してください。ありがとうございました。(拍手)

―― 正副委員長交代 ――

ほかに質疑はありませんか。新開崇司委員。

委員新開崇司委員
無所属の会の新開崇司です。看護師等修学資金貸付制度について質問します。 福岡県の就業看護職員数は2024年で8万3,419人ですが、高齢者がほぼピークを迎える2040年には県の推計で約9万人が必要となり、約7,000人の人材確保が必要な見込みです。県内で働く看護職員を確保する取り組みの一つが福岡県看護師等修学資金貸付制度ですが、その概要を説明してください。

甲斐医師・看護職員確保対策室長。

県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
この制度は、資格取得後5年間、県内の200床未満の病院などで看護師等の業務に従事しようとする学生に修学資金を貸与し、県内の看護職員の確保と資質向上を図るものです。県内の養成学校に在学し、特定施設で従事することが確実と認められ、学校からの推薦がある者が対象です。貸与額は、保健師・助産師・看護師で民間立の養成学校が月額3万6,000円、自治体立などが月額3万2,000円、准看護師が月額2万1,000円です。
委員新開崇司委員
ありがとうございます。  それでは、福岡県看護師等修学資金貸付制度に基づく修学資金貸与者の状況等について、あらかじめ執行部に資料を要求しておりますので、説明をお願いいたします。また、新規推薦者と新規貸与者のそれぞれの人数の理由についても、併せて説明をお願いいたします。
県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
お手元の資料をご覧ください。新規推薦者(貸与を希望し各養成学校から推薦があった人数)は令和3〜6年度の平均で121人、新規貸与者(推薦者の中から県が選定した人数)は同じく平均75人で、予算の範囲内で最大限の人数を選定しています。継続貸与者(前年度以前に開始し継続している人数)は平均112人です。令和7年度から大学生と高校専攻科の生徒を対象に追加しており、その数を内数で示しています。
委員新開崇司委員
令和3〜6年度の新規推薦者の平均121人、新規貸与者の平均75人で、予算の範囲で最大限選定していることは分かりました。令和7年度は新規推薦者90人・新規貸与者75人で、うち大学生と高校専攻科の生徒の合計は3人です。しかし令和7年度は、重点施策として貸与対象を16校の大学・8校の高校専攻科に拡大し、各校1人・合計24人が新規貸与者になると想定されていたと思いますが、当初の見込みはどの程度だったか示してください。
県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
今年度から始めた大学生・高校専攻科の生徒向けの制度は、16校の大学・8校の高校専攻科の各1人で、24人への貸与を見込んでいました。
委員新開崇司委員
では、大学生・高校専攻科の生徒の新規推薦者・新規貸与者が3人になった理由を示してください。
県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
大学生・高校専攻科の生徒の募集は、6月議会で議決いただいた後、7月10日から8月1日まで一次募集、8月8日から9月8日まで二次募集を行いました。しかし、日本学生支援機構や病院の奨学金など多くの奨学金の募集が入学と同時に始まっていたことから、3名の貸与にとどまっています。
委員新開崇司委員
では、来年度の大学生・高校専攻科の生徒の新規貸与者はどの程度を見込んでいますか。
県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
来年度も、16校の大学・8校の高校専攻科の各1人で24人への貸与を見込み、必要な予算を今議会に提案しています。
委員新開崇司委員
本事業は6月議会で議決となったため一次募集が7月10日からとなり、入学と同時に取り組めなかったことが3人にとどまった理由で、来年度も今年度と同じ24人を見込んでいることが分かりました。次に、令和7年度は重点施策として大学生・高校専攻科向けに約1,030万円が計上されていましたが、3名の修学資金として執行した予算額を具体的に示してください。
県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
大学生・高校専攻科の生徒への貸与の執行額は、月額3万6,000円・年間43万2,000円の3名分で、現時点で129万6,000円です。
委員新開崇司委員
予算額から執行額を引くと執行残額は約900万円です。しかし補正予算の説明書では看護師等修学資金貸付金の補正額は547万1,000円の減となっていますが、差額の約350万円はどうなっているのか示してください。
県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
この事業は今年度から新規で始めたもので、11月以降も問い合わせがあったことから、今後の追加貸与分として511万9,000円の執行を見込んでいます。このため2月補正予算で547万1,000円の減額を行い、その内訳は大学生・高校専攻科分が385万7,000円の減、養成所分が161万4,000円の減です。
委員新開崇司委員
今後の追加貸与分として残した予算は511万9,000円だと分かりました。答弁の中に「11月以降も問い合わせがあった」とありましたが、今年度拡大した16校の大学・8校の高校専攻科の中で、追加貸与の問い合わせがあり新規で貸与を受けた学生はいるのか示してください。
県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
二次募集の後、大学の担当者や学生・保護者から制度についての問い合わせがあった際には、引き続き申請を受け付けている旨をお伝えしていますが、大学生・高校専攻科の生徒への新規の貸与には至っていません。
委員新開崇司委員
重点施策として24人への貸与を見込んでいましたが3人になり、その理由は多くの奨学金の募集が入学と同時に始まっていたからとの答弁でした。では、追加貸与分として511万9,000円を残していますので、二次募集以降の9月9日から現在まで、対象の16校の大学・8校の高校に対して、追加で貸与を受けたい新規貸与者を発掘する取り組みを行っていたのか示してください。
県の担当者甲斐医師・看護職員確保対策室長
県ホームページで広く周知したほか、看護系大学の教授などに学生への周知を依頼し、希望者がいた場合には県への申請を促していただくようお願いしてきました。
委員新開崇司委員
令和7年度から重点施策として貸与対象を大学生・高校専攻科の生徒に拡大し、24人への貸与を見込んでいましたが、多くの奨学金の募集が入学と同時に始まっていたことから3人にとどまっています。それでも来年度の見込みは今年度と同じ24人です。重点施策の予算1,030万円のうち執行できなかった約900万円は重く受け止める必要があり、拡大した16校の大学・8校の高校専攻科にきめ細かな予算が行き届いていないと考えます。この現状を踏まえ、来年度予算は24人の貸与見込みについて増員を検討したほうがよいと考えますが、部長の考えを示してください。

田中保健医療介護部長。

県の担当者田中保健医療介護部長
大学生・高校専攻科の生徒向けの制度は、多くの奨学金の募集が入学と同時に始まっていたことから競合し、今年度の貸与者が3名にとどまったと考えています。この事業は、養成所の学生より県内就職率が低い大学生などの県外流出を抑制するために今年度創設したもので、各大学に本県の将来の看護職員の需要見通しを説明し、県内就職の重要性を理解いただくとともに、県内就業定着を促す契機とするため各校1名の枠を設けて働きかけています。このため貸与者の増員は考えていませんが、大学などへの県内就職の働きかけは継続します。来年度は年度当初からしっかり取り組み、貸与につなげてまいります。
委員新開崇司委員
各校1名の枠を設けていることから増員は考えていないとの答弁でした。しかし予算約1,030万円のうち執行額は129万6,000円です。きめ細かな予算が行き届いていない現状を踏まえ、知事に直接考えを聞きたいので、知事保留質疑のお取り計らいをお願いします。
委員長山本耕一副委員長
ただいま新開委員から申し出のあった知事保留質疑を認めます。知事保留質疑は3月19日木曜日に行う予定ですので、ご了承ください。
委員新開崇司委員
終わります。
委員長山本耕一副委員長
この際、しばらく休憩します。再開は午後1時30分をめどに放送でお知らせします。

―― 休憩 ――

委員長山本耕一副委員長
委員会を再開します。休憩前に続いて議事を進めます。3款保健費について、ほかに質問はありませんか。宮川宗一郎委員、どうぞ。(拍手)
委員宮川宗一郎委員
自民党県議団の宮川宗一郎です。がん検診の受診率向上について質問します。 がん対策は、今議会の一般質問で会派の花田尚彦議員も質問し、知事から、住民健診を行う市町村への研修会、県内大学生と連携して啓発資材を作る「Cプロジェクト」、職域検診の事業所への啓発資材提供などの支援に取り組んでいるとの答弁がありました。私自身、母が毎年健康診断を受けていた中でクラス3と診断されたことがありましたが、定期的に検診を受けていたため早期発見でき、適切な治療で現在は回復しています。定期的ながん検診は早期発見・早期治療につながり、命を守る上で極めて重要です。 本日は、市町村への研修とCプロジェクトに着目して質問します。まず、住民健診を行う市町村を対象に研修会を開催したことによる成果と課題、今後の取り組みを伺います。

石田がん感染症疾病対策課長。

県の担当者石田がん感染症疾病対策課長
県では、市町村研修会で、受診率向上に資する取り組み事例として、休日・夜間の検診や子育て中の女性に配慮した託児サービスなどを紹介してきました。その結果、休日・夜間の検診は全市町村で実施され、託児サービスは37市町で実施されています。しかし、休日検診は開催頻度に差があり年1回にとどまる市町村もあり、託児サービスは全市町村では実施されていません。今後は、研修会で未実施市町村の課題解決に資する事例を紹介するとともに、取り組みが十分でない市町村に出向いて個別ヒアリングを行い、必要な助言をしてまいります。
委員宮川宗一郎委員
次に、Cプロジェクトの成果について伺います。
県の担当者石田がん感染症疾病対策課長
県では、令和4年度から県内の大学生と連携し、若者の視点で企画したリーフレットや動画などの啓発資材を制作し、先月28日にイオンモール福岡で開催したがん検診啓発イベントなど様々なイベントで配布しています。この資材は受け取ってもらいやすく工夫されており、市町村や事業所から好評で、多くのイベントで活用されています。また、Cプロジェクトに参加した学生の大学で出張子宮頸がん検診を実施するなど、学生のがん検診受診のきっかけづくりにもなっています。
委員宮川宗一郎委員
Cプロジェクトに参加した学生はすばらしい体験をされていますが、その経験が他の学生に広まっていないのはもったいないと思います。参加した学生の協力を得ながら、がん検診の大切さを広める取り組みが必要です。今後どう取り組むか伺います。
県の担当者石田がん感染症疾病対策課長
Cプロジェクトに参加した学生からは「友達にがん検診の大切さを話したい」「経験を周りに広めたい」といった声が聞かれました。今後は、啓発資材の企画・制作だけでなく、県の啓発イベントにも参加いただくとともに、参加した学生の協力を得て、所属する大学で他の学生への啓発を行うことを検討してまいります。
委員宮川宗一郎委員
さらなる受診率向上には、もっと踏み込んだ取り組みが必要です。小中高では、命の大切さを学ぶ「がん教育」を行っており、授業後のアンケートで「大切な人に年1回は検診を受けてほしい」「自分も大人になったら検診を受けよう」という前向きな声があったと伺っています。子どもたちは学校で学んだことを持ち帰り家族と話すこともあると思います。教育委員会や私学振興・青少年育成局と連携し、保健医療介護部が作成した啓発資材を学校を通じて家族に提供すれば、受診率向上に効果があるのではないでしょうか。教育委員会などと連携した取り組みをどう考えるか伺います。
県の担当者石田がん感染症疾病対策課長
児童生徒の家族には検診対象年齢の方が多く含まれるため、家族にも参考となる啓発資材を学校を通じて提供すれば、がん検診を知るきっかけとなり、受診率向上の効果が期待できます。このため、Cプロジェクトで作成したリーフレットを、ご提案のように学校を通じて家族に提供できるよう、関係課と連携して取り組んでまいります。
委員宮川宗一郎委員
ワンヘルスは、人と動物の健康と環境の健全性を一つと考えて守る取り組みで、その柱の一つに健康づくりがあります。がん検診も人の命を守る取り組みですので、ワンヘルスとともにがん検診も進めるべきです。最後に、ワンヘルスとともにがん検診受診率の向上に向けた部長の決意を伺います。

田中保健医療介護部長。

県の担当者田中保健医療介護部長
ワンヘルスは、県民の皆様が日常的に実践活動に取り組むまでには至っておらず、「何をしたらワンヘルスにつながるのか具体的に示してほしい」との意見をいただいています。このため今年度、ワンヘルス未来会議を設置し、多くの県民が取り組める身近なワンヘルス活動を提案いただくこととしており、今後、市町村や事業所と連携して展開します。がん検診は、がんを早期に発見し死亡率の減少を目指す重要な取り組みで、市町村への支援やCプロジェクトを活用した啓発、学校を通じた家族への働きかけなどで受診率向上に取り組みます。ワンヘルスもがん検診も目指すところは人の命と健康を守ることであり、ともに重要な課題として、今後ともしっかり取り組んでまいります。
委員宮川宗一郎委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。室屋美香委員。

委員室屋美香委員
民主県政クラブ県議団の室屋美香です。心のサポーターの普及とLINE相談の実効化に向けて質問します。 心のサポーター(通称ここサポ)は、厚生労働省が2021年度に始めた事業で、メンタルヘルスや精神疾患への正しい知識を持ち、地域・職場・学校で心の不調を訴えた方に気づき、声をかけ、話を聞き、可能な範囲で手助けをする支援者のことです。昨年2月の一般質問で、私は子どもの自殺増加を踏まえ、地域の方々にも周知・参加していただくための養成講座の推進を求めました。その後、県は自治体への呼びかけなどを進め、春日市の養成講座は満席となるなど関心の高さがうかがえます。 まず、心のサポーター養成事業の公共的意義について、地域社会の安全・教育・福祉の観点から、県民生活にもたらす具体的な効果をどう考えるか伺います。

松田こころの健康づくり推進室長。

県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
身近な方に声をかけ傾聴してくれる心のサポーターが県内各地で養成されていくことで、地域・職場・学校で、心に不調がある方が「一人ではない」という安心感を持ち、人や社会とつながりがあると感じてもらえるのではないかと考えています。
委員室屋美香委員
国は2024年からの10年で100万人の養成を目標としています。県は令和16年度までに1,000人養成と伺っていましたが、現時点での養成者数と、養成研修の構成や受講時間について、資料の説明をお願いします。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
お手元の資料をご覧ください。心のサポーターの養成者数は、令和3年度の事業開始から今年度までに1,382名です。居住地別では福岡市の600名が最多、次いで北九州市の541名で、大部分の市町村は10名以下にとどまっています。研修は国のプログラムに基づき、対面またはオンラインで2時間、講義とグループワークを組み合わせて行います。
委員室屋美香委員
政令市は独自に養成講座を展開しているため認知度も養成者数も高いようですね。令和16年までに13年かけて1,000人養成という目標に対し、現在1,382名と約5年で既に達成しているようです。目標達成はすばらしいですが、当初目標1,000人に対し約9年も早く達成していることから、目標設定が現場の需要や先進県の水準に比べて低く抑えられていた、または当初目標値が低すぎたのではという懸念もあります。今後、新たな目標値の設定をどう考えますか。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
新たな目標設定は、来年度策定する第7期福岡県障がい者福祉計画に盛り込むこととしており、県と同様に養成を行う保健所設置市とも協議しながら検討してまいります。
委員室屋美香委員
県は市町村と連携して研修を開催していると伺っています。本年度に共催した市町村の数を明らかにしてください。また、市町村と共催することで得られる具体的な効果を県としてどう評価し、今後の施策に反映するか説明してください。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
今年度は、筑紫野市・春日市・岡垣町の3市町に会場準備や広報に協力いただいて研修を実施しました。市町村との共催の効果は、自治会や見守り活動団体を通じた案内や市町村広報の活用で多くの方に周知できること、身近なところで受講できることだと考えています。
委員室屋美香委員
心のサポーター養成研修は、これまでどのような立場の方々が受講されているか説明してください。また、受講者に県としてどのような役割や期待を持っているか具体的に示してください。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
心のサポーターは、小学生からお年寄りまで、県内に住むか通勤・通学する方ならどなたでも受講でき、医療・福祉関係者にとどまらず、一般住民や学生など様々な方がいます。受講された方には、地域や職場で困っている人に気づいて声をかけ、必要に応じて可能な範囲で相談機関につなぐなどの役割が期待されています。
委員室屋美香委員
地元で話をすると、朝の通学見守り活動を続けている方や、不登校の子の支援をしたい方、公民館で地域活動する方などが特に高い関心を持っていることが分かりました。参加したい方が多くいるので、周知期間を十分確保するためにも開催日程を早めに決める必要があります。来年度の開催日程は決まっていますか。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
来年度の開催日程は現在検討中です。受講を希望される方が受講しやすいよう、日程を早期に決めて公表していきたいと考えています。
委員室屋美香委員
近年、児童生徒が学校の教職員や保護者に相談しづらい悩みをAIチャットに打ち明ける事例が増えています。AIは有用な補助ツールである一方、最終的には人と人との関わりの中で解決の糸口を見いだすことが重要です。ここからは、県が令和4年から運用しているLINE相談窓口「きもちよりそうライン@ふくおかけん」の仕組み、年間利用者数、今後の活用方法を伺います。まず、この窓口の目的、対応する相談、応答する人、また匿名相談を受け付けているのか、個人情報の取り扱いやプライバシー保護の体制を具体的に示してください。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
県では、若年層の自殺予防のため、多くの若い世代が日常的に利用するLINEを活用した相談窓口を開設し、チャット形式で相談員とやり取りできます。精神保健福祉士や公認心理師、心理学を専攻する学生などが毎週月曜と木曜の16〜19時に相談に応じています。利用にあたっては年代・市町村・性別・ニックネームは伝えていただきますが、名前や電話番号、メールアドレスなどアプリに登録された個人情報は相談員に見えない仕組みになっています。
委員室屋美香委員
情報発信用の公式LINEではなく、リアルタイムのチャットで一対一で気軽にやり取りできることから、年間5,000件を超える相談が寄せられていると聞き、その多さに驚いています。特に若年層の利用が多いと伺いました。この窓口でどのような相談が多いですか。また、相談内容に応じて他の関係機関や専門機関へ連携・紹介する体制は整備されていますか。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
主な相談内容は、友達や家族などの人間関係、自分の性格や容姿に関する悩みが多くなっています。自殺をほのめかしたり、親からの暴力などの相談があった場合には、緊急対応の必要性を見極めながら、保健所や児童相談所などの地域の相談機関につなげています。
委員室屋美香委員
保健所や児童相談所につなげていただいていること、ありがたく思います。今広まっているAIの相談は有用な補完手段ですが、当事者の話を丁寧に聞き取り、心情に寄り添い、適切な機関につなげる能力は人間の相談員こそ期待される役割です。人が関わる血の通った支援の充実がとても大切です。この福岡県の相談LINEを周知するため、どのような取り組みを行っていますか。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
県ホームページや公式LINE、Xに掲載するほか、学校や警固公園における支援者と連携して、若者に直接、相談先のQRコードを掲載したカードを配布し周知しています。
委員室屋美香委員
若い世代の利用をさらに増やすには様々な工夫が必要かと思いますが、今後の取り組みを聞かせてください。
県の担当者松田こころの健康づくり推進室長
さらに多くの若い世代にLINE相談を利用いただくため、より利用しやすい相談時間帯を検討するとともに、周知カードを届けるための効果的な方策について、関係機関や庁内の関係課と連携して検討することとしています。
委員室屋美香委員
心のサポーターの養成やLINE相談の利用促進など、効果的な事業の実施に向けた取り組みを一層強化する必要があります。特に子どもたちの未来を守る観点から、精神衛生に関する支援をより手厚くしていただきたい。最後に部長に、子どもや若年層を含む県民の心の健康を守るため、今後どう体制強化を図るか伺います。

田中保健医療介護部長。

県の担当者田中保健医療介護部長
心に不調を抱えた方が「一人ではない」という安心感を持ち、人や社会とつながりがあると感じられる地域社会を構築することは大変重要です。心のサポーターは今年度3市町の協力で研修を実施しました。効果的に養成するため市町村との連携を強化します。LINE相談は、より多くの方に利用いただけるよう相談時間帯や周知カードを届ける方策を検討します。これらの取り組みを通じ、心に不調を抱えた方の支えとなるようしっかり取り組んでまいります。
委員室屋美香委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。永島弘通委員。

委員永島弘通委員
公明党の永島弘通です。介護従事者へのハラスメント対策について質問します。 私は令和6年12月の一般質問で、本県の介護従事者へのハラスメント対策を知事にただしました。県の調査では、回答した在宅ケア従事者約2,400人のうち約4割の926人が暴力やハラスメント被害を受けたと回答し、うち3人に1人が仕事を辞めたいと思ったと答える深刻な状況でした。 まず質問します。令和5年度の介護労働安定センターの調査で、県内の介護従事者が何らかのハラスメントにあったと回答した割合は43.4%でしたが、最新の現状を聞かせてください。

高田介護人材確保対策室長。

県の担当者高田介護人材確保対策室長
昨年度、介護労働安定センターが実施した調査によると、県内の介護従事者でハラスメントを受けたことがあると回答した割合は44.1%で、内容は暴言が23.9%、暴力が9.8%、セクシュアルハラスメントが7.8%となっています。
委員永島弘通委員
前回調査より微増であることが分かりました。本県では九州初の在宅医療・介護職員カスハラ相談センターを開設されています。前回、対象に在宅だけでなく介護施設の従事者も加えるよう要望しましたが、その後の状況を伺います。あわせて、令和6年6月の開設以降の相談件数と内訳を示してください。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
在宅という密室では従事者が利用者や家族と一人で向き合うためハラスメントが発生しやすいことから、相談センターは当初、特に在宅介護サービスを対象に始めました。その後、介護施設からも多くの相談が寄せられ、対象にしてほしいとの声を受け、今年度から介護老人保健施設や介護老人福祉施設なども対象としました。相談実績は、令和6年6月から令和7年3月末までで172件、令和7年4月から令和8年1月末までで155件の合計327件です。主な内訳は、暴言・罵倒・威圧的態度などの精神的暴力が207件、たたく・つねるなどの身体的暴力が15件、体を不必要に触るなどのセクシュアルハラスメントが15件などです。
委員永島弘通委員
相談センターの対象に介護施設の従事者も加えていただいたことに感謝します。次に、管理者向けハラスメント研修会の受講状況を伺います。令和6年6月末から11月末の5か月で、対象4,497事業者のうち256事業所が受講したと聞きました。これまでの受講状況を伺います。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
管理者向けハラスメント研修会は、管理者・従事者の責務や、対策の必要性、暴力・ハラスメントを未然に防ぐための対応などを学ぶ内容です。受講状況は、昨年度は対象4,497事業所のうち320事業所、今年度は介護施設も対象としたため対象が5,886となり、令和8年1月末時点で559事業所が受講しています。
委員永島弘通委員
対象5,886に対し令和8年1月末で559受講とのことで、単純計算で受講率は9%です。研修会の受講状況がいまだ低調であることをどう認識していますか。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
県の調査によると、ハラスメント対策を行う上での課題として最も多かったのは「対策を行う時間的余裕がない」で、これが受講に至らない要因の一つと考えます。しかし、受講者アンケートでは「役に立った」が9割以上に上り、「組織的に対応しなければならない問題だと理解した」「予防策として内部研修やマニュアル作成が必要だと気づいた」などの声が聞かれました。研修は効果的であり、より多くの事業所に受講いただけるよう引き続き働きかける必要があります。
委員永島弘通委員
課題の最多が「時間的余裕がない」で、これは介護業界の人手不足やDX化の遅れなど構造的な問題があると推察されます。一方、受講者アンケートでは「役に立った」が9割以上ですから、受講すれば大きな環境整備に資すると思われます。研修の受講率アップに向け、今後どう取り組むか伺います。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
研修会は、全対象事業所にチラシを送付し周知するとともに県ホームページにも掲載しています。集合研修が難しい方のためにオンライン受講も可能とし、終了後もオンデマンド視聴を可能としています。研修テーマも、受講者アンケートを参考に事業所の関心が高いテーマを設定できるよう検討しています。今後も、関係団体や受講者の意見を参考に、より多くの受講につながるよう取り組みます。
委員永島弘通委員
本年10月に改正労働施策総合推進法が施行され、全企業でカスタマーハラスメント対策が義務化されます。利用者からのハラスメントから介護職員を守る体制整備が必須となります。介護事業者の主体的な取り組みを促すため、県はどのような取り組みを行いますか。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
介護事業所に対しては、毎年の集団指導や現地での運営指導で、ハラスメント規定の整備や相談体制の整備など必要な対策を講じるよう指導しています。また県では、関係団体や弁護士、学識経験者の意見を伺い、令和6年12月に本県独自の暴力・ハラスメント対策マニュアルを策定しました。このマニュアルは、対策の基本的な考え方や相談・対応体制の整備、管理者・従事者が取り組むべきことを説明し、各種相談センターや県の取り組みも紹介しています。事業者が主体的に体制整備に取り組めるよう、研修会と同様に周知して活用を呼びかけています。
委員永島弘通委員
県のハラスメント対策の一層の充実と、受講対象者が研修に参加できるよう、さらなる周知に期待します。最後に、介護従事者のハラスメント対策に対する部長の決意を伺います。

田中保健医療介護部長。

県の担当者田中保健医療介護部長
介護従事者のハラスメント対策は、現場で働く方々の安全を確保し、利用者へ介護サービスを持続的・安定的に提供するために重要な取り組みです。県では、相談センターでの対応や研修会の開催、対応マニュアルの周知などを進めています。一方、利用者である県民が安心してサービスを受けられるようにすることも重要で、利用者に対策への理解と協力を求めるリーフレットに、サービスへの不満や心配事を相談できる窓口一覧を掲載して周知しています。介護従事者も利用者も家族も誰もが安心できる介護サービスの実現に向け、関係者の声も聞きながら、引き続きしっかり取り組んでまいります。
委員永島弘通委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。田中雅臣委員。

委員田中雅臣委員
民主県政クラブ県議団の田中雅臣です。介護現場を支える職員の処遇改善について質問します。 本県でも高齢化率が年々上昇し、地域包括ケアシステムの推進などが進められていますが、現場を担う介護職員の確保なくして持続可能な介護体制はあり得ません。しかし介護職員の賃金水準は全産業平均と比べ依然低く、2024年度の介護報酬改定で処遇改善加算の一本化や加算率引き上げなどが講じられましたが、物価高騰や他産業との賃金格差で人材流出に歯止めがかかっているとは言い難い状況です。国は昨年12月、補正予算に「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」を措置しました。 まず質問です。この事業の目的と具体的な内容を説明してください。

酒谷介護保険課長。

県の担当者酒谷介護保険課長
この事業は、介護人材の流出を防ぐため、今年6月に予定される介護報酬の臨時改定までの緊急的対応として、賃上げ・職場環境改善を支援することを目的とするものです。具体的には、介護職だけでなく看護職やケアマネジャーなども幅広く対象とした月1万円相当の賃上げ、生産性向上や共同化に取り組む事業者への賃金上乗せ、職場環境改善に取り組む事業者への支援を行います。これらすべてが活用されると、最大で介護職員1人当たり月1万9,000円相当の賃上げが可能となります。
委員田中雅臣委員
この事業の本県での活用状況を、具体的なスケジュールも含めて説明してください。
県の担当者酒谷介護保険課長
県では、できる限り早期の賃上げにつなぐため、この事業の補正予算案を12月議会で議決いただき、速やかに着手して1月29日から申請受付を開始しました。対象事業所約9,000件のうち、2月末時点で約4,900件の申請を受け付けました。審査を経て3月末から順次支払いを行います。6月の臨時改定までに賃上げを実施いただくため、申請期限は4月15日までとし、申請漏れが生じないよう繰り返し周知します。
委員田中雅臣委員
この補助金が全ての介護事業者に行き渡るよう、引き続きしっかり取り組んでください。説明の中で「臨時改定」という言葉がありましたが、介護報酬は原則3年ごとの改定で、通常なら次回は2027年度です。総合経済対策として2026年度に必要な対応を行うと閣議決定されたことを踏まえ、2027年度を待たず2026年度に臨時改定を行うことを明らかにしました。急激な物価高騰や賃金格差による深刻な人手不足に対処するためです。2026年6月の臨時改定における処遇改善加算の改定内容を説明してください。
県の担当者酒谷介護保険課長
今年6月の臨時改定の改定率は、前回を上回るプラス2.03%となる見込みで、そのうちプラス1.95%が処遇改善分です。内容は先ほどの補正予算の事業を引き継ぐもので、介護従事者を幅広く対象とした月1万円相当の賃上げ支援に加え、生産性向上などに取り組む事業者への支援などにより、介護職員1人当たり最大月1万9,000円相当の賃上げを実現します。国はこれにより6.3%相当の賃上げを見込んでいます。また、従前は対象外だった居宅介護支援、訪問看護、訪問リハビリテーションなども新たな加算対象になります。
委員田中雅臣委員
事業所では、人材不足でサービス提供を断らざるを得ない事態や廃業を選ぶ事業所も出てきていると聞きます。誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすには質の高い介護サービスの安定的な確保が重要です。現在の介護職員の賃金水準を踏まえ、今回の臨時改定についての見解を聞かせてください。

高田介護人材確保対策室長。

県の担当者高田介護人材確保対策室長
厚生労働省の調査によると、介護職員の平均給与は令和6年9月から令和7年7月にかけて33万4,500円から34万1,340円へと2%ほど上昇したものの、他産業の賃上げ率には及ばず、物価高騰も相まって賃金格差が課題です。今回の臨時改定で処遇改善加算の加算率が引き上げられることは、賃金改善や離職防止に一定の効果があると考えます。今後も臨時改定の効果や他産業の賃金水準を注視しながら、継続的に処遇改善が図られるよう国に要望を続けてまいります。
委員田中雅臣委員
各事業所からは、処遇改善加算の申請手続きが難解で事務量が多すぎて取得を諦めるという声が聞こえます。特にこれまで対象外だった居宅介護支援や訪問看護、訪問リハの事業者には特に難しいと考えられ、より細やかな支援が必要です。届出状況は、対象約6,800事業所のうち約9割が取得していますが、1割は取得していません。県は取得していない事業所の理由をどう認識していますか。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
厚生労働省の令和6年度調査によると、処遇改善加算の届出を行わない理由は、「事務作業が煩雑」が39.6%と最も多く、次いで「加算取得による利用者負担の発生」が22.4%、「算定要件を達成できない」が22.1%となっています。
委員田中雅臣委員
介護サービスを安定的に確保する観点から、処遇改善加算の取得に向けた支援をすべきですが、どのような取り組みを行うか、新たに対象となった居宅介護支援や訪問看護、訪問リハへの支援も含めて答えてください。
県の担当者高田介護人材確保対策室長
県では、処遇改善加算制度を解説した冊子を作成しており、来年度は臨時改定に伴う変更点も分かりやすく記載した冊子を配布するとともに、新たに県ホームページにも掲載する予定です。また、加算を取得していない事業所向けに社会保険労務士によるオンライン個別相談や集合形式の勉強会を開催しており、来年度はこの勉強会を小規模事業所が参加しやすいようオンライン視聴も可能とする予定です。加算取得済みの事業所には、より上位の加算への移行を目的とした勉強会も開催しています。新たに対象となった居宅介護支援や訪問看護、訪問リハには、この勉強会や個別相談を活用いただくこととしています。
委員田中雅臣委員
解説の新たなホームページ掲載や、オンライン個別相談・勉強会の視聴を可能とすること、できる限り早い対応と周知の徹底をお願いします。介護職は人生の最終段階を支える尊い仕事です。福祉の現場で働く人が報われる県であることが、高齢者とその家族の安心につながります。本県が処遇改善などの介護人材確保をしっかり進めるべきですが、最後に部長の強い決意を聞かせてください。

田中保健医療介護部長。

県の担当者田中保健医療介護部長
2040年には介護と医療の複合ニーズを抱える85歳以上人口が増加し介護ニーズの増大が予想される中、必要な介護人材の確保は大変重要です。しかし介護職員の賃金水準は全産業平均より依然低く、有効求人倍率も3倍を超える中、いかに人材を確保・定着させるかが喫緊の課題です。県では、高齢者保健福祉計画に基づき、関係団体と連携して、参入促進・労働環境と処遇の改善・資質の向上を3つの柱に取り組んでいます。来年度は、臨時改定までの緊急的対応となる賃上げ・職場環境改善、加算取得の支援を実施し、処遇改善を図ります。引き続き事業者や関係団体と連携しながら、介護人材の確保に取り組んでまいります。
委員田中雅臣委員
終わります。(拍手)
委員長山本耕一副委員長
ほかに質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長山本耕一副委員長
ないようですので、板橋委員・新開委員の知事保留質疑を残し、3款保健費の質疑を終わります。

―― 正副委員長交代 ――

次に、四款環境費について説明を求めます。田村環境部長。

県の担当者田村環境部長
4款環境費について説明します。主なものとして、リサイクル総合研究事業化センターの事業推進などに約3億8,600万円余、再生可能エネルギーの導入促進などに約12億4,900万円余、浄化槽の設置助成などに約5億2,700万円余、産業廃棄物の不適正処理対策などに約5億8,400万円余、ワンヘルスセンターの屋外エリア整備などに約4億2,200万円余を計上しています。環境費(1項)全体では約52億4,200万円余をお願いしています。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。宮原伸一委員、どうぞ。
委員宮原伸一委員
自民党県議団の宮原伸一です。太陽光パネルの資源循環について質問します。 平成24年に固定価格買取制度(FIT)が導入されて以降、本県でも多くの太陽光発電設備が設置され、再生可能エネルギーの導入促進に貢献してきました。しかし、導入から10年以上経ち、太陽光パネルの耐用年数が20年程度とされることから、2030年代半ばから使用済みパネルが大量に発生すると見込まれます。放置や不法投棄、不適切な処理による環境への影響が懸念され、待ったなしの課題です。 そこで、福岡県における太陽光パネルの導入量と排出見込みについて伺います。

小村循環型社会推進課長。

県の担当者小村循環型社会推進課長
本県の太陽光パネルの導入量は、FIT開始以降急速に増え、ピークの平成26年には年間約53万キロワット・約4万2,000トンが導入されました。その後、年間導入量は減ったものの着実に進み、令和7年3月末時点の累計では約273万キロワット・約22万トンで、標準的な大きさのパネル約1,100万枚分になります。排出量は、耐用年数が20年程度であることから今後加速度的に増加すると予測され、国の関係機関NEDOの推計では、ピークを迎える2036年ごろに県内の排出量は1万トンを超えると推計されています。
委員宮原伸一委員
大量排出が見込まれる太陽光パネルには、アルミや銅などの有用な資源が使われているため、産業廃棄物として処理するだけでなく、適切にリサイクルされ再利用されることが望まれます。現時点の県内のリサイクル施設の数と処理能力を伺います。
県の担当者小村循環型社会推進課長
本県には、太陽光パネルをアルミや銅などの金属、ガラス、樹脂などに選別するリサイクル施設が5施設あり、処理能力は全体で年間5,000トン程度です。
委員宮原伸一委員
リサイクル施設には限りがあり、将来の大量排出ピーク時に不足する可能性も示唆されます。この問題に対する県の資源循環に向けた体制を伺います。
県の担当者小村循環型社会推進課長
県では、将来の排出量増加に備え、太陽光パネルの3R推進のため、平成30年に県リサイクル総合研究事業化センターが中心となって「太陽光発電保守・リサイクル推進協議会」を設置しました。保守事業者やリサイクル業者、収集運搬業者などで構成され、当初は県内事業者に限っていましたが、今後の大量排出を見据え、先進的な取り組みに賛同した県外事業者の参画も認めており、現在57事業者が参画しています。この協議会では、パネルを効率的・経済的に運ぶ「スマート回収」や、発生量のピーク時にも確実にリサイクルできるよう排出量の平準化を図るためのパネルのリユース実証を行っています。
委員宮原伸一委員
協議会を通じて多くの事業者と連携し先進的に取り組んでいることは理解しました。まず、スマート回収の具体的な取り組みを伺います。
県の担当者小村循環型社会推進課長
スマート回収とは、県内各地で分散して発生する使用済みパネルを一か所ずつ個別に回収するのではなく、複数か所から効率的に集約して回収し、収集運搬コストを抑えて経済的なリサイクルにつなげる仕組みです。廃棄パネルの種類や保管場所、保管料などの情報を共有できるシステムを全国に先駆けて構築し、令和3年から運用を開始、これまでに約6トン・約340枚のパネルをリサイクルしました。今後は、収集運搬コストの低減やCO2排出削減のメリットを周知し、協議会への参画事業者を拡大して、将来大量廃棄されるパネルをリサイクルに誘導します。
委員宮原伸一委員
スマート回収で回収プロセスの効率化が進むことを期待します。次に、リユース実証の具体的な取り組みと課題を伺います。
県の担当者小村循環型社会推進課長
県では、使用済み太陽光パネルのリユース実証を、協議会参画企業の発電事業者やメンテナンス事業者と連携して令和5年度から取り組んでいます。パネルが発電可能かを簡易かつ信頼性高く診断する方法や、運搬・保管を効率的に行う標準化の検討に加え、令和6年2月からは使用年数の異なるリユースパネルを県内4か所に設置し発電能力を確認する実証を行いました。この結果、現場で簡易に診断できる手法や運搬・保管の手順を標準化でき、10年経過したパネルでも約90%以上の発電能力があり十分使用可能であることを確認し、リユースパネルの普及の可能性を強く感じています。課題は、リユースパネルが活用できることがあまり知られておらず利用が進んでいないことで、新たな活用を創出しリユース市場を活性化することが重要です。
委員宮原伸一委員
県が協議会を通じてスマート回収やリユース実証など様々な取り組みを実施していることはよく分かりました。今議会に提案された令和8年度当初予算案に、リユース太陽光パネルを活用した実証のための経費が計上されていますが、その内容を伺います。
県の担当者小村循環型社会推進課長
リユース市場を本格的に活性化するため、令和8年度当初予算案に、リユース太陽光パネルの活用を促進する新たな実証経費を計上しています。具体的には、リユース太陽光パネルとリユース蓄電池、エネルギーマネジメントシステムをパッケージとして、避難所となる県内の学校3か所に導入し、サブスクサービスの有効性やビジネス性を実証する予定です。これにより初期費用を抑えつつ再生可能エネルギーを導入できる新たなモデルを確立し、リユース品の普及を加速して資源循環を促進します。
委員宮原伸一委員
太陽光パネルの資源循環は、限りある資源の有効活用にとどまらず、脱炭素・温暖化防止にも貢献する取り組みです。本県における太陽光パネルの資源循環に対する部長の決意を伺います。

田村環境部長。

県の担当者田村環境部長
太陽光パネルの資源循環は、資源の有効利用に資するだけでなく、リサイクル・リユースを通じて新品製造時のエネルギー消費を削減し、脱炭素や地球温暖化防止にも貢献する多面的な価値を持つ重要な取り組みだと認識しています。県では、県リサイクル総合研究事業化センターと協働し、スマート回収システムの構築やリユースの実証を全国に先駆けて行ってきました。しかし、リユースパネルの信頼性や導入費用に課題があることから、来年度から国の事業も活用し、他地域に類を見ない先進的な挑戦として、リユース太陽光パネルとリユース蓄電池を組み合わせたサブスクサービスの実証を行い、初期投資の低減や信頼性の不安払拭を図ります。この全国初の取り組みを着実に進め、リユース市場を創出・活性化し、排出量の平準化を図ることで確実なリサイクルにつなげ、資源の有効利用を一層促進してまいります。
委員宮原伸一委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。横尾政則委員。

委員横尾政則委員
自民党県議団の横尾政則です。次世代型太陽電池の普及促進について質問します。 脱炭素社会の実現に向け再生可能エネルギーの導入拡大は避けて通れない課題です。FIT導入を契機に再エネの導入量は急拡大しましたが、近年は伸びが鈍化しており、県内でも同様です。主因は、県内の再エネ導入量の約8割を占める太陽光発電が、設置に適した土地の減少で緩やかになっていることです。耐荷重の問題や景観への配慮も課題です。 この状況を打開し太陽光発電の導入を飛躍的に拡大する新技術として「次世代型太陽電池」が期待を集めています。まず、次世代型太陽電池とはどのようなもので、従来との違いは何か説明してください。

岩尾エネルギー政策室長。

県の担当者岩尾エネルギー政策室長
次世代型太陽電池は、従来のシリコン系太陽電池と比べて薄く軽く柔軟であるという特性を持ち、これまで設置が難しかった耐荷重の小さい建物の屋根やビルの壁面などにも設置でき、設置場所の選択肢が大幅に広がり、都市部や既存建築物への導入が期待されます。現在、特にペロブスカイト太陽電池やカルコパイライト太陽電池が注目されており、これらは再エネの導入拡大において極めて重要な役割を果たすものと認識しています。
委員横尾政則委員
次世代型太陽電池は薄型・軽量で柔軟という特性を持ち、導入場所を広げるものとして期待されていることが分かりました。次に、県はこれまでどう取り組んできたか伺います。まず、県有施設への率先導入の進捗状況を答えてください。
県の担当者岩尾エネルギー政策室長
県有施設への導入は、小倉工業高校の体育館屋根への導入を進めています。昨年11月に環境省補助金の交付が決定し、現在は設計業務が完了した段階です。メーカーの量産化の状況を踏まえると、実際の設置は令和8年度になる見込みです。
委員横尾政則委員
数ある県有施設の中で、なぜ小倉工業高校が選定されたのですか。選定要件と期待される効果を説明してください。
県の担当者岩尾エネルギー政策室長
小倉工業高校が選定されたのは、県民の命を守る指定避難所であり、かつ環境省の補助要件に合致する施設だったためです。具体的には、耐荷重の低い体育館屋根であること、5年以内に屋根改修の予定がないこと、ハザードマップや塩害地域の区域外であることなどです。なお、今年度、環境省の補助金の交付決定を受けた都道府県は全国で滋賀県と本県のみで、本県は率先導入で全国的にも先進的な取り組みを進めています。また、工業高校への設置は、生徒が最先端の技術に直接触れる機会となり、将来の技術者育成につながる効果も期待されます。
委員横尾政則委員
福岡県が全国的にも率先導入に積極的に取り組んでいることは分かりました。次に、民間事業者が実施する実証事業への支援について、具体的な事業内容を聞かせてください。
県の担当者岩尾エネルギー政策室長
今年度は3件の民間事業者の実証事業に補助金の交付を決定しました。具体的には、JR九州による博多駅ホーム屋根へのペロブスカイト太陽電池の設置、九電みらいエナジーによる福岡空港国際線ターミナルビル屋根へのカルコパイライト太陽電池の設置、名古屋電機工業による道路情報板や監視カメラへのカルコパイライト太陽電池の設置です。これらは既存のインフラや建築物に次世代型太陽電池を適用する先進事例で、その成果は県内への普及促進に大きく寄与すると期待しています。実証実験の開始に合わせて知事によるPR活動も行うなど、広く情報発信に努めています。
委員横尾政則委員
これまでの県事業は理解しました。次に、令和8年度予算で次世代型太陽電池の普及促進費が令和7年度より大幅に増額されていますが、その主な要因を説明してください。
県の担当者岩尾エネルギー政策室長
予算増額の主な要因は、県有施設へのペロブスカイト太陽電池の導入を令和7年度の1施設から令和8年度には最大8施設へと大幅に増やす計画で、この導入費用が予算増額の大部分を占めます。総事業費は約8億1,000万円となりますが、国庫支出金や県債を最大限活用することで、県の一般財源からの支出額は約2,500万円となっています。
委員横尾政則委員
予算が増大した要因は分かりました。令和8年度に環境部で実施する、県有施設への導入可能性調査、県有施設への率先導入、普及拡大に向けた実証支援のそれぞれの具体的な事業内容を詳しく聞かせてください。
県の担当者岩尾エネルギー政策室長
一つ目の導入可能性調査は、環境省の補助要件に適合する施設を幅広く抽出し、自家消費率・設置可能面積・立地条件などを詳細に調査します。今年度、既に基礎調査を終えている8か所の指定避難所については、導入施設確定のため耐荷重調査を実施する予定です。二つ目の率先導入は、指定避難所である県立学校の体育館屋根に最大8施設への導入を進め、県が先駆けて導入することで市場の需要を喚起し、民間への普及拡大のモデルケースとすることを目指します。三つ目の実証支援は、民間事業者による将来の拡張性が高い設置場所での実証を積極的に支援し、その取り組みを広く発信して、新たな導入を検討する事業者のきっかけとし、県内各所での普及拡大につなげます。
委員横尾政則委員
来年度の事業内容は理解しました。これらが本県の次世代型太陽電池の普及拡大を加速させることを期待し、ぜひ着実に進めてください。しかし、この革新的な技術の社会実装を進めるには、単年度にとどまらず中長期的なビジョンに基づく計画的な取り組みが不可欠です。来年度策定予定の次期総合計画において、県有施設への具体的な設置箇所数を目標に掲げるなど計画的に普及促進を図るべきですが、県の考えを聞かせてください。
県の担当者岩尾エネルギー政策室長
ご指摘のとおり、普及拡大には中長期的な視点で取り組むことが大変重要です。まずは来年度予定の事業を着実に進めるとともに、その成果を踏まえ、次期総合計画における導入目標への反映も含め、中長期的かつ計画的な普及促進のあり方を検討してまいります。
委員横尾政則委員
今後の県の考えは理解しました。ぜひ中長期的・計画的に進め、さらなる普及拡大につなげてください。次世代型太陽電池は発展途上の技術で日々進化しており、ペロブスカイトとカルコパイライトを重ねたタンデム型や、窓や壁面に使える建材一体型など新しいタイプの開発も進んでいます。最先端の研究開発の動向も注視し将来的な技術導入の可能性を視野に入れることが県の長期戦略として必要です。また、社会実装の加速には、単一部局にとどめず、来年度から脱炭素社会の推進を担う環境部が中心となって、総務部や県土整備部、教育庁などと緊密に連携し部局横断的に取り組んでいただきたい。最後に環境部長に、次世代型太陽電池の普及拡大に向けた力強い決意を伺います。

田村環境部長。

県の担当者田村環境部長
次世代型太陽電池は、太陽光発電の可能性を大きく広げる切り札だと認識しています。本県は、今年度、ペロブスカイト太陽電池の率先導入で環境省補助金の交付決定を受けた全国2県のうちの一つであり、この分野の全国的な先進地域として普及拡大を主導しています。令和8年度は、指定避難所である県立学校の屋根への導入数を大幅に増やすとともに、新たに指定避難所以外の県有施設への導入可能性調査を行います。民間事業者への実証支援も継続し、これらの関連予算を今議会にお願いしています。こうした取り組みを関係部局と連携して着実に実行するとともに、次期総合計画への導入目標の反映も検討し、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、次世代型太陽電池の普及拡大に努めてまいります。
委員横尾政則委員
終わります。(拍手)
委員長香原勝司委員長
ほかに質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、4款環境費に関する質疑を終わります。以上で本日の議事は終了しました。明日13日金曜日の委員会は午前11時に開き、歳出の5款生活労働費と6款農林水産業費の審査を行う予定です。本日はこれで散会します。

出典: 福岡県議会 会議録検索システム