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発言のやり取り

予算特別委員会2026年3月17日(火) 開催

開会・はじめの手続き

委員長香原勝司委員長
おはようございます。定足数に達しましたので、委員会を始めます。本日は、令和8年度福岡県一般会計予算の歳出のうち9款警察費から14款予備費まで、第2条債務負担行為から第5条歳出予算の流用まで、そして第2号議案から第20号議案までの審査を予定しています。 まず、9款警察費について説明を求めます。西村警察本部総務部長、どうぞ。
県の担当者西村警察本部総務部長
9款警察費について説明します。1項警察管理費は、警察本部の職員費や交通安全施設整備費などが主なもので、総額は1,450億9,800万円余です。2項警察活動費は、一般警察運営費や暴力犯罪捜査活動費などが主なもので、総額は42億2,300万円余です。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。原田博史委員、どうぞ。
委員原田博史委員
おはようございます。質問は私一人のようで、すみません。暴力団離脱者に対する社会環境の整備について質問します。 福岡県警は暴力団排除に積極的に取り組み、全国唯一の特定危険指定暴力団に指定された工藤會をめぐって長年恐怖と沈黙を強いられてきた北九州市も、今では静かで穏やかなまちへ変わりつつあります。皆さんの日夜のご尽力に敬意を表します。 一方、暴排を徹底するほど重要になるのが、暴力団から離脱し更生を志す人を社会に引き戻す仕組みです。離脱しても生活基盤を築けず再び組織に戻れば、暴排の実効性を損ない、県民の安全・安心にも跳ね返ります。とりわけ最大の試練となり得るのが、銀行口座を開設できないという問題です。就労が決まっても給与振込口座が作れなければ、本人の努力も企業の協力も無力化されます。 離脱者支援は単なる福祉・民間の問題ではなく、再流入防止の観点から治安対策として重要だと考えます。県警として、離脱・就労支援の重要性をどう考えているか答えてください。

西村部長。

県の担当者西村警察本部総務部長
暴力団員の離脱促進・就労支援対策は、暴力団員を組織と決別させ、責任ある社会の一員として社会復帰させる非常に重要な取り組みであり、ひいては暴力団の組織力と資金力の低下にもつながると考えています。
委員原田博史委員
次に、就労支援の課題を明確にしたいと思います。離脱者の就労には、本人の就労意欲だけでなく、受入れ企業側の不安、職場定着の難しさ、住居や携帯、保証人といった生活基盤の不足など複合的な壁があると考えられます。県警として、離脱者の就労支援における課題をどう考えていますか。
県の担当者西村警察本部総務部長
課題としては、暴力団離脱者を雇用することにリスクや不安を感じている企業が少なくないことが挙げられます。その結果、離脱者が就労できず、将来に不安を感じることになる状況が認められます。
委員原田博史委員
その課題に対する取り組みの全体像を伺います。暴追センター(暴力追放運動推進センター)や関係機関との連携はもちろん、県警としての治安機関の役割もあります。離脱相談から就労、就労後のフォローなど、現状の取り組みを答えてください。
県の担当者西村警察本部総務部長
県警では、離脱促進・就労支援対策の意義や重要性を効果的に発信し、社会全体の理解を深める取り組みを進めています。また、暴追センターが持つ離脱者雇用給付金の支給制度や身元保証制度といった受入れ企業への支援制度を紹介することで、企業のリスクや不安の解消に努めています。離脱者に対しては、所持金不足時の宿泊費・旅費の支給などの公費支出制度や受入れ企業への支援制度を説明して協賛企業への就労を促し、就労に至れば口座開設の支援などに取り組んでいます。
委員原田博史委員
県警や暴追センターが民間事業者の協力も得て取り組んでいることが分かりました。令和7年度の実績を伺います。①離脱・就労支援の人数、②協賛企業(受入れ企業)の数、③雇用給付金や身元保証制度の実績を答えてください。
県の担当者西村警察本部総務部長
令和7年中に県警の支援のもとで暴力団から離脱に至った人数は43人、就労に至った人数は3人です。離脱者を雇用する意思を持つ協賛企業の登録数は昨年末時点で392社、令和7年中に暴追センターが離脱者雇用給付金を支給した件数は9件、身元保証制度を適用した件数は2件です。
委員原田博史委員
数字を伺うと、就労は現実に非常に難しいという印象です。就労後の定着支援こそ再流入を防ぐ本丸だと思います。離職や生活破綻が起きれば再流入のリスクも高まります。県警として、離脱者が就労後に離職しない、生活が崩れないようにするため、受入れ企業や当事者へのフォローなどどのような取り組みを行っていますか。
県の担当者西村警察本部総務部長
離職させないための取り組みとして、就労前に県警の担当者が離脱者と雇用主の間に入り、双方の要望を調整してきめ細かな意思疎通を支援し、適切な就労先を選定することで円滑に就労できるようにしています。また就労後も、就労意欲を継続させるため、離脱者や雇用主に対して定期的な連絡のほか、必要に応じた助言・指導などのアフターケアを行っています。
委員原田博史委員
最後に、県民の安全・安心の確保のため、離脱者就労支援対策を今後どう推進していくか、県警察としての決意を伺います。
県の担当者西村警察本部総務部長
暴力団を壊滅するには、暴力団員を一人でも多く離脱させ社会復帰を促すことが極めて重要です。県警としては、引き続き関係機関・団体と連携して離脱に向けた働きかけを進めるとともに、離脱・就労に必要な社会環境の整備や支援体制の充実を行うなど、離脱促進・就労支援対策を強力に推進してまいります。
委員原田博史委員
すみません、一問飛んでいました。冒頭に申したとおり、口座開設が最大のボトルネックです。口座開設の審査が金融機関の判断であることは理解していますが、現実には金融機関が利用する民間のデータベースに氏名が一旦載ると更新されず、現状が反映されていないのではという疑念があります。就労が決まっても口座が作れず給与が受け取れないと、生活が立ち行かず再び組織に戻る悪循環になり、県民の安全・安心の観点からも看過できません。県警として行っている口座開設の支援について、取り組み内容を答えてください。失礼しました。
県の担当者西村警察本部総務部長
県警では、協賛企業や暴追センターと連携し、協賛企業で就労しているなどの条件を満たす方を対象に、金融機関への口座開設の申請時に県警の担当者が同行し、離脱・就労状況などを説明するなど、口座開設に向けた支援に取り組んでいます。
委員原田博史委員
すみません、本当はここで決意をと思っていました。最後に要望します。暴排の厳格性を揺るがせないことは大前提ですが、同時に、真に更生する人が仕事で生活を立て直せる環境を整えることは、再流入を防ぎ結果的に治安を強化します。口座開設のように県警だけでは解決し切れない課題も、暴追センターや金融機関、関係団体と協議の場を設け、実効性ある対応につなげてください。特に口座開設という最大のボトルネックについて、関係機関との連携も含め実効性ある改善を強力に進めていただくよう強く要望して終わります。ありがとうございました。(拍手)
委員長香原勝司委員長
ほかに質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、9款警察費に関する質疑を終わります。

―― 正副委員長交代 ――

次に、十款教育費について、順次説明を求めます。松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
10款教育費のうち教育委員会所管分について説明します。1項教育総務費は職員費や教職員等退職手当などで総額429億1,500万円余、2項小学校費は職員費が主で894億6,500万円余、3項中学校費は522億7,600万円余、4項高等学校費は740億5,400万円余、5項特別支援学校費は268億5,000万円余、6項社会教育費は46億7,500万円余、7項保健体育費は185億4,200万円余です。教育委員会所管分の総額は3,087億8,100万円余です。よろしくお願いします。

坂田私学振興・青少年育成局長。

県の担当者坂田私学振興・青少年育成局長
続いて、10款教育費のうち私学振興・青少年育成局所管分について説明します。8項大学費は女子大学費から県立大学費までの大学運営費交付金や施設整備費などで総額56億8,700万円余、9項私立学校費は私立高等学校運営費補助金などで702億5,600万円余、10項青少年費は青少年健全育成費などで4億3,500万円余です。局所管分の総額は763億7,900万円余です。よろしくお願いします。
委員長山本耕一副委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。井上正文委員、どうぞ。
委員井上正文委員
自民党県議団の井上正文です。県立高校のさらなる魅力向上について伺います。 本議会の会派代表質問で高校教育改革の基本的な考え方を尋ねましたが、本日は先日の高校入試の状況も確認しながら、県立高校の魅力向上の方針を質問します。まず、県立高校のここ5年の志願倍率の状況の特徴を説明してください。

古島高校教育課長。

県の担当者古島教育庁高校教育課長
お手元の福岡県立高校全日制の志願倍率の資料をご覧ください。令和4年度入試は1.14倍で昨年度までほぼ横ばいでしたが、本年度入試は1.03倍と昨年度から0.08下落し、集計している2000年以降で過去最低となっています。
委員井上正文委員
直近の志願倍率の低下、特に令和8年度の落ち込みの要因を現時点でどう分析していますか。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
詳細な分析は今後行いますが、本年4月から高校授業料の無償化が進み所得制限が撤廃されて公私間の経済負担差がさらに縮小すること、専願入試などを活用した私立高校の積極的な募集活動、進路の早期決定を望む中学生や保護者の意識などが主な原因と考えています。
委員井上正文委員
無償化だけでなく様々な原因が考えられ、今後さらに分析が必要です。県立高校入試には推薦入学、特色化選抜、そして先週実施された一般入学者選抜があります。一般選抜の志願者は減少傾向と聞きますが、近年の入試改革とその活用状況を伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
近年の入試改革としては、まず令和5年度入試から、第1志望校に加えて県教委が指定する高校を第2志望校として志願できる制度を導入しました。令和7年度入試では721名が利用して志願し、第1志望不合格の192名のうち149名が合格しました。また、不登校の生徒の増加に鑑み、中学3年での評定値を選考に使わない特例措置を昨年度から実施しており、令和7年度入試では116名が利用して志願し、うち76名が合格しました。
委員井上正文委員
中学生が県立高校を志願しやすい環境となるよう、入試制度も絶え間なく見直してください。普通科で倍率が低下しているところもあり、魅力化・特色化が必要です。例えば私の地元の宗像高校は中高一貫教育を実施していますが、その意義と成果をどう考えますか。また、私の母校の光陵高校では地元自治体と連携し、先月、連携協力の基本協定が締結されました。県立高校と地域や大学との連携の状況も併せて答えてください。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
中高一貫教育校は、中高6年間を見通した教育で、学習の先取りや大学との連携による高度な学び、課題研究活動などを行い、生徒の知的好奇心や学習意欲の向上、希望する進路の実現などの成果が得られています。地域との連携では、福津市と光陵高校のほか、小郡市と三井高校、築上町と築上西高校で連携協定を締結しています。大学との連携では、多くの県立高校で出張講義や大学訪問を実施しており、例えば香住丘高校は県立福岡女子大学と高大連携協定を結び、課題研究や女性の科学技術人材育成に関わる連携事業などを進めています。
委員井上正文委員
地元の中学生が進学したいと思える高校にするため、普通科でも自治体や大学、企業などと連携した取り組みを推進する必要があると考えますが、今後の方針を伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
地域の自治体、大学、産業界などと連携・協働した講義や探究活動は、実社会につながる学びとなり高校の魅力化につながります。普通科では、文理融合型の学びを提供し理数的素養を身につけた幅広い視野を育むとともに、大学や企業と連携した探究的な学びや、地元自治体と連携した地域課題解決に向けた実践的な学びを充実させます。
委員井上正文委員
県立高校の魅力向上には施設・設備の充実が不可欠だと考えますが、いかがですか。

山田施設課長。

県の担当者山田教育庁施設課長
現在、老朽化した学校施設の計画的な改修や、各学校の要望に基づくエアコンの更新、トイレの洋式化などを進めています。これらに加え、魅力向上につながるよう、体育館や食堂へのエアコン設置、トイレへの温水洗浄便座の設置、通信ネットワークの強化など、充実した教育環境の整備に努めます。
委員井上正文委員
各校の取り組みや施設・設備の充実も、各学校の意向を聞きながら着実に進めてください。しかし少子化が続くと将来的な再編・統合は避けられないという意見もあります。そのような中、現在のように県内各地域に県立高校を維持・発展させる意義はどこにあると考えますか。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
多様な人間関係の中で得られる学びを踏まえ一定の学校規模を確保する意義は大きい一方、少子化が進む中では、生徒の通学可能性を考慮して地域の高校教育の維持や学びへのアクセス確保が重要で、県立高校はその中心的な役割を果たすと考えています。加えて、県立高校は地方創生の核であり、学校の存続は地域の存続にも関わる重要な課題となり得ます。地元自治体や地域産業とも連携した人材育成の役割を担うことが求められます。
委員井上正文委員
県立高校の強みは、継続的な研修で教員が授業力やカウンセリングスキルを高め、生徒一人一人に寄り添ったきめ細かい指導をしてきたことにあると考えます。今後は一校のリソースだけでなく、県立高校間の連携を強めることがより重要になると考えますが、見解を伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
一校で完結せず、地元自治体や大学・企業との連携のみならず、県立高校間で協働的な学びを進めることが重要になります。その際は、デジタルの力でリアルな学びを支える考えが必要です。本議会では、在籍校にとらわれず学校の枠を超えて高い指導力を持つ教員の講座をオンデマンドで視聴できる動画サイトの構築予算をお願いしています。さらに今後、国の予算事業を活用して、遠隔教育などデジタル技術を活用した教育を推進することを検討しており、各県立高校の特色を生かした連携をさらに進めてまいります。
委員井上正文委員
人口減少が進む中では、県立高校のあり方について前例にとらわれず機敏かつ柔軟に検討することが求められ、司令塔としての県教委の意義が改めて問われます。国の高校教育改革も受け、危機感を持って魅力化にさらに力を入れるべきと考えますが、副教育長の決意を伺います。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
県立高校は、子どもたちが県内のどの地域に住んでも高校就学の機会を確保し、地域を支える人材を育成する重要な役割を果たしています。管理運営の最終的な責任を負う県教委は、県立高校の魅力化・特色化を図れるよう、教育環境や教育内容、制度の改善を総合的に支援する責任があります。今後、国の基本方針を踏まえ、専門高校の機能強化、普通科高校の魅力向上、多様な学習ニーズへの対応、高校入試のあり方などを検討し、その方針を示す高校教育改革実行計画を令和8年度中に策定します。引き続き、市町村・大学・産業界とも連携・協働し、学校と県教委が一体となって時代の変化に応じた魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。
委員井上正文委員
県立高校のあり方について、責任者である教育長の所見も伺いたいので、委員長、教育長保留質疑のお取り計らいをお願いします。
委員長山本耕一副委員長
ただいま井上正文委員から申し出のあった教育長保留質疑を認めます。教育長保留質疑は3月19日木曜日に行う予定ですので、ご了承ください。
委員井上正文委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。原田博史委員。

委員原田博史委員
民主県政クラブの原田です。高校授業料無償化と本県県立高校の改革について伺います。先ほど井上委員の質問と重複するところもありますが、よろしくお願いします。 国は高校教育改革の基本方針(グランドデザイン)を2月に公表し、令和7年度補正予算で高校教育改革を先導する拠点のパイロットケースを創出し成果を域内の高校に普及することを目的とした3,000億円もの予算を計上しました。令和8年度からは施設整備の地方債、令和9年度からは新たな交付金も創設する方針です。 まず、令和8年度入試の最終志願率は1.03倍で、令和7年度の1.1倍から大きく低下しました。この要因をどう分析していますか。

古島高校教育課長。

県の担当者古島教育庁高校教育課長
高等学校就学支援金制度の創設や、専願入試などを活用した私立高校の積極的な募集活動、進路の早期決定を望む中学生や保護者の意識などが近年の公立高校の志願倍率低下の要因と考えられるため、県立高校としても積極的な魅力発信や志願しやすい入試制度の改善を図ってきました。令和8年度の詳細な分析は今後行いますが、これらに加え、本年4月からの授業料無償化の進展と所得制限の撤廃で公私間の経済負担差がさらに縮小することも影響していると考えています。
委員原田博史委員
私も私学無償化の影響が背景にあると思います。ただ、個別の学校を見ると全ての学校で倍率が低下しているわけではなく、都市部を中心に人気校がある一方、毎年定員割れが続く学校もあります。この状況を県教委としてどう捉え、定員割れが続く学校にどのような支援を行っているか伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
人口減少地域の学校の中には、地域の中卒者数の減少に加え、学校の魅力が十分に伝わっていないことなどで志願割れが続く学校もあります。そのため、県教委事務局に県立高校等活性化戦略本部を置き、魅力向上や活性化を推進しています。具体的には、支援が必要な高校に高校教育課の指導主事などが訪問し、課題分析や教育活動の特色化、戦略的な広報について具体的に指導・助言し、学校と伴走しながら支援しています。また、学区ごとに県立高校間の連携を強化し、戦略的・効果的な広報や活性化を進めています。
委員原田博史委員
県立高校が今後も選ばれる学校であるため、国の事業なども活用しながら教育内容の充実をどう図る考えですか。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
国の予算支援を最大限活用し、各学校の魅力化・特色化を推進し、生徒・保護者から選ばれ地域から求められる学校となるよう取り組みます。専門高校では先端成長産業への対応として施設設備の高度化を図り、産業界との連携を強化して実践的な学びを充実させます。普通科高校では文理融合型の学びを提供し理数的素養を育むとともに、大学など研究機関と連携した探究的な学び、地域課題に対応した協働的な学びを充実させます。さらに、遠隔教育などデジタル技術を活用した教育を一層推進します。
委員原田博史委員
国の令和7年度補正予算の高校教育改革促進事業は、パイロットケースを創出し成果を域内の高校に普及することが目的で、本県も活用するとのことでした。拠点校だけでなく多くの県立高校に成果を普及することが大切ですが、拠点校の成果を他校にどう普及させる考えか伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
パイロットケースの取り組みについては、公開授業や成果発表会などによる研修・情報発信、教材データのアーカイブ化などにより、多くの県立高校に成果を普及していくことが求められていると捉えており、これらを考慮しながら取り組み内容の検討を進めます。
委員原田博史委員
福岡県は他県と比べ私立の比率が高いところです。少子化が進み県立高校の志願倍率も低下すると予想される中、高校教育全体の最適化には、公私比率について一定の政策目標を持って守っていくことも含め、公私の垣根を越えた緊密な連携が必要と考えます。県教委として今後どう取り組むか伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
公私立の高校教育を連絡・協議するため、副知事を会長とし、県私学協会や県教委の代表者が構成メンバーとなる福岡県公私立高等学校連絡協議会を組織しています。この協議会で、令和6年6月に、令和7年度から10年間、全日制高校の受入れ比率を県全体で公立60対私立40とする計画を策定し、この考え方で本年度の県立高校の定員を設定しています。今後も入試の実施状況を共有し、この会議を活用して、長期的な展望を踏まえ、公私が連携した受入れや定員のあり方などを引き続き協議してまいります。
委員原田博史委員
公私の連携をやっていることは分かりました。ただ協議会はあくまで紳士協定なので、それをどうきちんと落とし込むかが大きな課題です。少子化の進行は高校入学者の減少に直結し、高校も将来的に再編統合の対象になるのではないでしょうか。施設が老朽化した学校も多く、生徒の安全のため計画的な改築は必要ですが、効率的な予算執行の面からは、将来的な再編統合の見通しを持って施設整備を進めることが重要とも考えます。今後、県立高校のあり方を検討するに当たり、どういったことを考慮要素に入れる必要があると考えるか、見解を示してください。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
多様な人間関係の中で得られる学びを踏まえれば一定の学校規模の確保の意義は大きい一方、少子化が進む中では、生徒の通学可能性を考慮して地域の高校教育の維持や学びへのアクセス確保が重要で、県立高校はその中心的役割を果たすと考えています。その際はデジタルの力でリアルな学びを支える考えが必要です。加えて、県立高校は地方創生の核であり学校の存続は地域の存続にも関わります。魅力ある教育課程の編成のためにも、地元自治体や地域産業、大学との連携が重要になると考えています。
委員原田博史委員
私は県立高校をなくせとか統廃合を前提にと言っているのではありません。しかし少子化の現状を踏まえれば、近い将来、再編の議論は避けられないのではないでしょうか。県立高校が将来にわたり地域の人材育成の要であり続けるためにも、私立高校も含めた将来の本県の高校教育の形を見通しながら改革を前へ進めてください。最後に、国から提示された内容も含め非常に大きな改革を前に進める副教育長の決意を伺います。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
県立高校が、引き続き本県並びに我が国の持続的な発展を支える人材育成の要として地域から求められ、生徒、保護者から選ばれる学校となるよう、私立高校と切磋琢磨しながら改革を進めていくことが重要であると認識しております。  県教育委員会としては、国の高校教育改革に関する基本方針を踏まえつつ、専門高校の機能強化、普通科高校の魅力向上、多様な学習ニーズへの対応などを検討し、その方針を示す高校教育改革実行計画を令和八年度中に策定し、県立高校の充実、振興に取り組んでまいります。
委員原田博史委員
ありがとうございました。最後に要望します。県立高校全日制の志願倍率は年々低下し令和8年度は1.03倍まで下がりました。定員約2万2,000名に対し志願者は約2万2,800名で、実質的に定員割れが目前です。さらに本県の18歳人口は2021年の約4万6,000人から2040年には約3万4,000人へ減少する見込みで、この構造的な縮小の中で現行の学校配置・学科編成は難しくなります。無償化は入り口の平等ですが、国が同時に示しているのは質の転換、高校の高度化・拠点化です。少子化・公私競争の激化・国の巨額投資が同時進行する今、県立高校を存続させるための最適化に向けて早急に検討に着手する必要があります。戦略的な高校改革を強く求めて終わります。ありがとうございました。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。塩出麻里子委員。

委員塩出麻里子委員
公明党の塩出麻里子です。教育現場での過度な要求などへの対応について質問します。 近年、全国の学校現場で、保護者や地域の方からの過度な要求や暴言、いわゆる学校版カスタマーハラスメントが問題となっています。長時間のクレーム対応や威圧的な言動は教職員に精神的苦痛を与え、教育活動に影響します。まず、本県の政令市を除く公立学校で病気休職している教員は何人で、そのうち精神疾患によるものが何人か、過去3年間の人数を示してください。

中嶋教職員課長。

県の担当者中嶋教育庁教職員課長
令和4年度から昨年度の3か年で、けがや疾病により病気休職となった教員の総数は、令和4年度は151人でうち精神疾患による休職は105人、一昨年度は総数185人でうち精神疾患140人、昨年度は総数195人でうち精神疾患140人です。
委員塩出麻里子委員
病気休職の教員は年々増加し、そのうち約7割がメンタルによるものであることが分かりました。教員不足が続く中、メンタルヘルス対策は極めて重要な課題です。次に、保護者などからの暴言、威圧的な言動、不合理な要求など、県教委が把握している事例を教えてください。

古島高校教育課長。

県の担当者古島教育庁高校教育課長
把握した事例としては、授業欠席への対応で学校側が十分な配慮をしているにもかかわらず一方的に要求を続け脅しとも取れる発言を教員にした事例や、学校外の保護者間トラブルの解決を学校に求め、人格否定や脅迫的な言葉を伴う電話が連日1時間を超えてなされた事例などがあります。
委員塩出麻里子委員
学校現場では個々の教員や学校が対応を抱え込んでいるとの声もあり、特に校長・教頭に負担が集中しているとの指摘もあります。教職員が安心して教育活動に専念できるよう、過度なクレームや不当な要求への対応方針・対応基準を明確にすることが重要と考えますが、県教委の見解を伺います。

矢野義務教育課長。

県の担当者矢野教育庁義務教育課長
外部からの過剰な要望・要求への対応で多くの時間と労力を費やし精神的な疲弊も生じている学校を支援することは大変重要です。県教委では、法的な裏づけに基づく適切な対応のあり方を明確にし、県内で実際に生じた事例をもとに解決の手だてを分かりやすくまとめた「学校問題解決対応ガイドブック」を平成22年3月に作成し県域の学校に配布しています。また、直近の状況を反映するため2度改訂し、最新版となる一昨年12月の改訂版を各種研修会などで活用を促しています。
委員塩出麻里子委員
ガイドブックには弁護士相談を円滑に行う内容も記載されていると伺います。学校問題解決を支援する弁護士、いわゆるスクールロイヤーは文部科学省も導入を推奨しています。小中学校については、一昨年10月の決算特別委員会で、市町村が独自に弁護士に相談できる体制がある教育委員会は56市町村でおおむね相談体制が構築されているとの答弁をいただきました。一方、高校ではいじめや事件・事故、生徒への懲戒、進級・卒業の認定、部活動指導など、小中学校に比べ保護者などからの過度な要求が多く、管理職に大きな負担がかかっているのではないでしょうか。県立高校でのスクールロイヤーの活用実績(直近3年間の件数)と、配置の考え方を伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
県立高校では、事案が訴訟などに発展する前に、初期対応の段階から予防的に法務の専門家が関わることで適切かつ速やかな問題解決や教職員の負担軽減が図られるよう、弁護士への相談体制を整備しています。学校だけでは解決困難な案件について学校から高校教育課へ相談を依頼し、高校教育課が支援担当の弁護士につなぐ仕組みです。過去3年間の対応実績は、令和5年度28件、令和6年度26件、令和7年度はこれまで24件です。法的助言で学校の対応方針が明確になり管理職の精神的負担の軽減にもつながっています。学校現場のニーズも高いことから、支援担当の弁護士を8名に増員することや、相談だけでなく相手方との協議の場に弁護士が同席できるようにするなど、支援体制を強化する予算を本議会にお願いしています。
委員塩出麻里子委員
スクールロイヤーの活用は負担軽減の一つの方策であり、さらなる取り組みが必要です。全国の先進事例として、東京都教育委員会は学校への過度な要求や暴言を防ぐ啓発ポスターを作成し、学校と保護者が互いに尊重し合う関係づくりを呼びかけています。本県でもまず東京都の事例を参考に保護者などへの啓発ポスターを作成・周知する取り組みができると思いますが、いかがですか。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
啓発ポスターの掲示は、一部の保護者などによる行き過ぎた言動や要求を抑止する一定の効果があると思われますが、一方で、本当に困っている保護者などがポスターを見て学校に迷惑をかけたくないと感じ相談をためらうことがないよう留意する必要があります。他県の事例も含め、効果や課題を踏まえて実施の可否を判断する必要があると考えています。
委員塩出麻里子委員
別の事例として、奈良県天理市は学校と保護者のトラブルを学校だけで抱え込ませないため行政窓口「ほっとステーション」を設置し、元校長や心理士などの専門家が対応する体制を整えています。これは教職員を守るだけでなく保護者の不安やトラブルの早期解決にもつながります。学校問題解決の相談窓口の設置といった仕組みを検討すべきと考えますが、見解を伺います。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
本県では、柳川市の学校教育支援センターに学校問題解決のための相談窓口が設置され、地域の実情に応じた多様な相談員が対応しています。県教委としては、こうした地域に根差した相談窓口の設置は望ましいと考えており、学校問題解決の好事例の一つとして他の市町村へ紹介してまいります。
委員塩出麻里子委員
ありがとうございました。学校現場での保護者との信頼関係は重要ですが、教職員が過度な要求や暴言で疲弊すれば子どもたちの教育にも影響します。先進事例のように学校だけで問題を抱え込まない体制づくりを検討し、教職員が安心して教育活動に専念できる環境整備を進めたいと願います。最後に、管理職も含めた負担軽減をさらに進めるべきと考えますが、副教育長の決意を伺います。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
教員は子どもたちの未来を育むかけがえのない存在で、誇りと情熱を持って職務に取り組んでおり、一部の方々からの過度な要求や暴言などで精神的に疲弊し教職を離れるようなことがあってはなりません。県教委としては、教員が安心して教育活動に専念できるよう、今後もスクールロイヤーへの相談体制の充実をはじめ、メンタルヘルスに関する研修会の開催や相談事業の周知、専門スタッフの配置などを進めるとともに、他県の先進事例も参考に様々な方策を講じて、管理職も含めた教員の負担軽減に取り組み、学校をしっかり支援してまいります。
委員塩出麻里子委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。大塚絹子委員。

委員大塚絹子委員
新政会の大塚絹子です。中学校における部活動の地域移行、今は「地域展開」と言われるもの、特に文化部の活動について尋ねます。 部活動の地域移行は、2023〜25年度の改革推進期間を経て2026年度からの改革実行期間に移り、言葉も2025年度に「地域展開」へ変更されました。都道府県は広域自治体としてリーダーシップを発揮し市区町村を支援することが求められています。まず、県内58市町村で推進体制の整備に関する協議会の設置数を答えてください。

矢野義務教育課長。

県の担当者矢野教育庁義務教育課長
昨年8月に実施した部活動の地域移行などに関する進捗状況調査によると、県内58市町村中、8割を超える48市町村が、協議会を設置しているまたは今年度設置予定と回答しています。
委員大塚絹子委員
改革推進期間中、国は地域移行や地域文化クラブ活動への移行の実証事業を進め、本県でも今年度は5市町村で実施されたと聞きます。その具体的内容、取り組みを加速するヒントとなったこと、課題を感じていることがあれば答えてください。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
地域クラブ活動実行委員会を立ち上げた事例では、実行委員会が運営し、教育委員会・学校・文化連盟などが連携して活動場所や用具、運営方針を共有し、生徒の負担軽減と活動の充実で成果を上げています。保護者が参画する事例では、保護者が見守りスタッフとして関わることで生徒の安全確保が図られ、活動の様子を直接見られ、活動への理解や保護者と子どものコミュニケーション促進につながっています。一方、指導者の資質向上が課題であり、指導力向上のための研修や指導者同士の意見交換の場の充実に取り組む必要があると認識しています。
委員大塚絹子委員
連携の重要性と指導者の資質向上の課題を理解しました。文化部の地域展開は生徒に多様な体験機会を確保し教員の負担を軽減することを目指しますが、大きな課題も浮き彫りになっています。特に吹奏楽など専門性の高い文化部では指導者の確保が難しいと聞きます。吹奏楽など専門性の高い文化部の指導者確保について県の取り組みを答えてください。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
県では、人材を確保し指導者を必要とする市町村につなぐため、「福岡県地域文化クラブサポートネットワーク」を昨年5月に新設しました。地域文化クラブでの指導を希望する方を登録し、市町村の要請に応じて両者をつなぐもので、今年度は吹奏楽の指導者を募集し、2月現在57名が登録されています。
委員大塚絹子委員
指導者の登録が順調に進んでいることを理解しました。今の答えにあった地域文化クラブについて説明してください。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
地域文化クラブとは、中学生などに文化・芸術活動の機会を提供する地域主体の活動組織です。地域の音楽教室や美術教室、劇団などの既存団体、自治体や地域が地域展開のために新たに立ち上げる団体など、様々な形があります。
委員大塚絹子委員
地域クラブ化により、これまで少額だった活動費が指導者への謝礼や会場費など受益者負担として各家庭に重くのしかかる懸念があります。施設利用の管理責任や送迎負担、移動時間の増大も課題です。拠点校方式や合同部活動に移行するとかえって活動機会が減る可能性も指摘されており、受益者負担と公的負担のバランスなど費用負担のあり方の検討も必要です。文化部の地域展開の先行事例や協議会の検討で、生徒の活動機会を保ちつつ費用が抑えられた事例があれば答えてください。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
吹奏楽部関連の取り組みとして、生徒が学校の音楽室で活動できるよう、学校備品の調査や安全ガイドラインを作成して地域クラブ活動ができるようになった事例があります。この事例では活動場所までの移動や楽器の運搬が不要なため、交通費や楽器運搬費の負担を生じずに放課後すぐ練習を始められる環境が整えられています。
委員大塚絹子委員
費用負担への配慮を理解しました。大会やコンクール、希望する団体が参加できる県内交流大会の開催について尋ねます。吹奏楽や合唱部など、これまで学校ごとの出場だった大会について、今後の運用や規定の改正はどのような話が進んでいますか。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
福岡県吹奏楽連盟や福岡県文化団体連合会などに参画いただいている地域文化クラブ活動ワーキンググループの中で、吹奏楽連盟主催のコンクールでは地域クラブでの参加も認めているといった情報を共有しています。県教委としても、生徒が日頃の成果を発表する機会が確保されるよう、引き続き実施団体に働きかけてまいります。
委員大塚絹子委員
ありがとうございました。大会への参加が生徒や関係者の一番の励みになると考えます。活動の継続・定着には、学校・保護者・自治体・地域関係団体など幅広い関係者が連携・協働して取り組む必要があります。その一助として、地域とともに学校づくりを目指すコミュニティ・スクールの制度、特にコミュニティ・スクールと地域学校協働活動が連携された取り組みが有効ではないかと考えますが、所見を伺います。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
コミュニティ・スクールは、学校運営に地域の意見を反映させ地域の人材や資源を活用することで、学校運営や地域の活性化、地域と学校の連携強化といった役割を果たします。部活動の地域展開に当たっても、コミュニティ・スクールと地域学校協働本部の仕組みを活用し、それぞれの役割を十分に機能させることで地域展開の促進につながると考えています。
委員大塚絹子委員
地域連携強化の取り組みも理解しました。久留米市の資料では、令和8〜10年度はモデル部活動を拡大しつつ休日の合同部活動を継続し、地域クラブの整備や十分な引継ぎができた部活動は地域クラブも選択できる期間とし、令和11年度から全部活動での休日の地域展開を目指すとありました。基礎自治体でも地域展開が本格化しています。子どもたちに望ましい文化部活動の地域展開には県教委の役割が大きいと考えます。最後に、文化部活動の地域展開の実現に向けた副教育長の決意をお願いします。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
文化部活動は、人格の形成、望ましい人間関係の構築、文化・芸術の振興に大きな役割を果たしてきました。地域展開に当たっても、学校部活動が担ってきた教育的意義を継承・発展させるため、市町村の地域の実情に応じた取り組みを支援していくことが必要です。今後とも、地域展開に関する協議会の開催、好事例の収集や情報発信などを通じて、生徒が継続して文化・芸術活動に親しめる環境づくりに努めてまいります。
委員大塚絹子委員
ありがとうございました。私自身、中学時代に友人たちと音楽部を設立したことが貴重な経験になり、この地域展開に強く関心を持っています。昨年、中学校で吹奏楽の顧問をされていた先生から、地域移行に当たり楽器の確保に非常にコストがかかること、保管や練習場所の確保など運営が苦境に立っているというお話を伺いました。まずは生徒のニーズや保護者からの負担への声を踏まえ、学校や関係団体と連携しながら、引き続き地域展開へのきめ細かい支援をお願いして終わります。ありがとうございました。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。戸成祥平委員。

委員戸成祥平委員
豊築会の戸成祥平です。公立小中学校における不登校対策について質問します。 昨年10月に文科省が発表した令和6年度調査では、全国の小中学校の不登校児童生徒数は過去最多の約35万4,000人に達し、前年度から約7,500人増加、1,000人当たり38.6人で、平均して1学級に1〜2人の不登校の児童生徒がいる深刻な状況です。不登校は子どもの心の健康、学業、その後の社会的自立まで大きな影響を及ぼす重い社会課題です。まず、福岡県の公立小中学校における過去5年間の不登校児童生徒数について、資料に基づき説明を求めます。

矢野義務教育課長。

県の担当者矢野教育庁義務教育課長
お手元の福岡県公立小・中学校における不登校児童生徒数の推移の資料をご覧ください。本県の公立小中学校の不登校児童生徒数は、令和6年度、小学校で7,977人、中学校で1万1,330人、合計1万9,307人となっており、小中学校ともに年々増加し、令和2年度の9,565人と比べ5年間で2倍を超え、過去最多となっています。
委員戸成祥平委員
5年間で2倍を超えたことは重く受け止めなければなりません。不登校の主な要因と、増加していることをどう認識しているか伺います。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
不登校の主な要因は、学校生活にやる気が出ない、生活リズムの不調、不安・抑うつなど本人に係る状況が多くなっていますが、複数の要因や背景が考えられる場合もあり、多様化・複雑化していると認識しています。
委員戸成祥平委員
小中学校の不登校対策について、県教委はこれまでどのような取り組みを行ってきたか教えてください。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
県教委では、令和3年12月、不登校児童生徒の多様で適切な教育機会の確保と社会的自立を目指した支援の充実を図るため、「福岡県不登校児童生徒支援グランドデザイン」を本県独自に策定しました。これに基づき、新たな不登校を生じさせない学校の取り組み(福岡アクション3)や家庭の取り組み(保護者のアクション3)の全県的な推進、相談体制の充実、市町村が設置する教育支援センターの機能強化への支援など様々な対策を講じてきました。
委員戸成祥平委員
様々な対策を行ってきたことは分かりました。未然防止には小学校段階からの早期対応が必要と考えますが、令和8年度当初予算の概要にある「早期アプローチによる不登校児童生徒支援事業」について説明をお願いします。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
この事業は、本県の小学校における不登校出現率が全国を上回るペースで増加している状況を踏まえ、不登校対策のさらなる充実を図るため令和6年度から実施しています。具体的には、小学校における校内教育支援センターの設置を促進し、不登校児童や学級に入りづらい児童が自分に合ったペースで学習や学校生活を行える環境づくりを推進するものです。また、専門スタッフとして不登校児童支援員を配置し、学習支援や教育相談などの充実を図るものです。
委員戸成祥平委員
これまで事業を実施してきた中での成果と課題を伺います。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
学校によって状況は異なりますが、不登校出現率や専門的な相談指導を受けていない児童の割合が減少するといった成果が得られています。一方で、小学校の校内教育支援センターは常時設置の割合が中学校と比べ低いことや、全国と比較して県下での設置が進んでいないことが課題です。本県の小学校の不登校出現率が全国を上回るペースで増加していることもあり、小学校でいかに早く校内での支援を充実させ欠席の長期化を防ぐかが課題と認識しています。
委員戸成祥平委員
これらの課題を踏まえ、来年度、この事業でどう改善を図るか教えてください。
県の担当者矢野教育庁義務教育課長
まず、小学校における不登校児童支援員の設置に要する市町村への経費補助について、対象学校数を大幅に拡充することを考えています。これにより校内教育支援センターの設置と成果の他校への普及が進み、学びの場の確保と県全体の不登校出現率の減少を目指します。また、不登校児童生徒支援員を対象とした研修を新たに実施し、支援の考え方や関係機関との連携方法をはじめ、支援員に求められるスキルの向上を図ります。これらの予算を本議会にお願いしています。
委員戸成祥平委員
今年度の課題を改善し、不登校の兆候に早い段階で気づいて早い支援につなげ、深刻化や長期化を防いでください。最後に、今後の不登校対策について副教育長の決意を伺います。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
県教委では、先月、不登校児童生徒への支援を一層充実させるため「福岡県不登校児童生徒支援グランドデザイン」を改訂し、県内各地の優れた取り組みを幅広く収録するなど内容の充実を図りました。このグランドデザインで取りまとめた今後の方向性や具体的施策を市町村教育委員会・各学校・関係機関と共有し、児童生徒が自分自身を大切にし、安全・安心に学び、社会的自立を図れるよう、多様で適切な教育機会の確保と支援の充実にしっかり取り組んでまいります。
委員戸成祥平委員
終わります。(拍手)
委員長山本耕一副委員長
この際しばらく休憩します。再開は午後1時40分をめどに放送でお知らせします。

―― 休憩 ――

委員長香原勝司委員長
委員会を再開します。休憩前に続いて議事を進めます。10款教育費について、ほかに質問はありませんか。吉田健一朗委員、どうぞ。
委員吉田健一朗委員
自民党県議団の吉田健一朗です。福岡県学生会館について質問します。 福岡県学生会館は、東京近郊の大学などで学ぶ福岡県出身の学生のために横浜市に設置されている学生寮で、県教委所管の福岡県教育文化奨学財団が運営しています。昭和31年設置の男子寮などに端を発し、平成11年3月に男女合わせた福岡県学生会館として開設された伝統ある寮で、多くの人材を輩出し、同窓会もあります。まず、この学生会館はどのような目的で設置されているか伺います。

比山社会教育課長。

県の担当者比山教育庁社会教育課長
福岡県学生会館は、東京近郊の大学などに在籍する学生の経済的負担を軽減するとともに、寮での共同生活を通して社会性や協調性を育み、有為な人材を育成することを目的として設置されています。
委員吉田健一朗委員
学生会館の利用料金と定員、実際に何人の学生が入館しているか答えてください。
県の担当者比山教育庁社会教育課長
利用料金は、入館時の一時金が5万円、月額が朝夕の食費込みで5万円です。定員は男子100名・女子50名の計150名で、令和7年4月1日現在の入館者数は男子69名・女子45名の計114名です。
委員吉田健一朗委員
リーズナブルな料金で多くの学生が世代を越えた友情を深めていると思います。こうした寮を県内の高校や生徒・保護者に知ってもらい、関東方面に進学する際の住居の候補としてもらいたいと思います。入館者の募集の仕組みと、その周知をどう図っているか教えてください。
県の担当者比山教育庁社会教育課長
入館者の募集は年2回、早期募集と通常募集を行っています。早期募集は推薦入試などの入学予定者を対象に11月、通常募集は一般入試などの入学予定者を対象に12月下旬から2月上旬まで、欠員が見込まれる場合は3月に追加募集も行います。広報は、10月頃に募集要項やポスター・チラシを県内全ての高校などへ送付して周知を依頼するほか、財団や県のSNS・ホームページ、テレビ、ラジオ、福岡県だよりなどで広く周知しています。
委員吉田健一朗委員
PRは幅広くされていますが、現在の入館者数はまだ定員に達していません。入館希望者の手続きを年度で区切らず、年度途中でも希望する学生がいれば随時入館してもらってもよいのではないかと思います。入館希望者の随時募集について県の考えを伺います。
県の担当者比山教育庁社会教育課長
ご指摘のとおり、欠員が生じている状況では既定の時期以外でも募集を行うことは入館者確保に有効だと考えます。このため次年度から、年度中途でも入館の応募ができるようホームページなどで周知する方向で財団と協議してまいります。
委員吉田健一朗委員
この学生会館も平成11年の開設から27年が経過しています。先日、入館している学生の親御さんから、一部の設備で不具合が生じているとお聞きしました。設備の不良で学生が日常生活に不自由を感じているとしたら問題です。運営する財団が、現地で支障が生じていないか、学生がどのような生活を送っているかを速やかに把握し適切に対応する必要があります。施設設備や寮生活の状況を財団はどう把握しているか伺います。
県の担当者比山教育庁社会教育課長
学生会館には男子・女子それぞれの寮に寮監が1名ずつ常駐し、設備などの不具合を把握した際は財団に報告することになっています。また、財団職員も年に数回訪問し、施設を見て回るとともに学生と面談し状況の把握に努めています。
委員吉田健一朗委員
先ほどの設備の不具合は、様々な事情があってのこととは思いますが、改善に至っていないものもあるようです。県ももっと関わりを持って財団を支援し迅速な対応を図るべきです。施設のメンテナンスを適切に行うため、今後県としてどう対応するか聞かせてください。
県の担当者比山教育庁社会教育課長
施設の適正な維持管理には、現地の寮監と財団、財団と県とが緊密に連携し情報を共有して対応することが重要です。今後は財団職員の施設訪問の回数を増やすことに加え、県の職員も定期的に財団職員に同行することで、財団と県が現地の状況をより的確に把握します。その際、設備の不具合などが判明すれば、財団と県で必要な対応を協議し、できる限り早急に改善を図ってまいります。
委員吉田健一朗委員
今後は管理を財団だけに任せず、県も現地に足を運び財団としっかり連携して対応するようお願いします。最後に、福岡県出身の学生が安心して寮生活を送り社会で活躍できる人材として羽ばたけるよう、学生会館の運営について副教育長の決意を伺います。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
学生会館は、学生の経済的負担の軽減のみならず、寮生活を通じて協調性や信頼関係を育み積極的なコミュニケーションを図ることで人格形成につながるなど、教育的にも意義ある施設です。今後とも、学生が充実した寮生活を過ごせたと思える学生寮として安定的に運営できるよう、財団としっかり連携し、学生の声・意見も聞きながら入館者の確保や施設の適切な維持管理に努めてまいります。
委員吉田健一朗委員
終わります。(拍手)

―― 正副委員長交代 ――

ほかに質疑はありませんか。田中雅臣委員。

委員田中雅臣委員
民主県政クラブ県議団の田中雅臣です。不登校生徒の高校進学について質問します。 不登校の児童生徒が増える中、社会的自立に向け高校で学ぶ機会を保障する必要性が高まっています。一週間前の3月10日に県立高校の一般入試が実施され、合格発表は19日です。本県の県立高校一般入試は調査書(内申書=各教科の評定や中学校での活動の記録などを中学校がまとめた資料)と学力検査を主な資料として選考します。昨年10月の報道では、不登校生徒などの心理的負担に配慮し、2027年度入試までに調査書から出欠の記録欄をなくす都道府県が約4割の19都府県に上るとされました。本県では調査書に出欠欄が残されています。県立高校入試で出欠欄を残している意義と選考での活用方法、また不登校であったことのみで選考上不利益な取扱いが行われることはないか、併せて答えてください。

古島高校教育課長。

県の担当者古島教育庁高校教育課長
県立学校の入学者選抜では、中学校の出欠の記録について原則として選考上考慮しないことを入学者選抜要項に明記しており、不登校であったことのみで選考上不利益な取扱いをすることはありません。調査書の出欠の記録欄は、中学校の状況を把握するとともに、ほとんど出席していない場合でも欠席の理由欄の記載から修学の可能性を判断するために活用しています。
委員田中雅臣委員
不利に扱われることはないとのことで、ひとまず安心しました。しかし調査書に出欠欄があることで合否の判定材料になるのではという不安を生徒が感じることも事実ではないでしょうか。フリースクールなど校外での学習やICTを活用したオンライン授業など、出席扱いは様々な形があります。今後、本県でも調査書の出欠欄の見直しを検討する予定はないか答えてください。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
調査書の記載事項については、選抜資料としての妥当性の観点から、不登校生徒の実態や心理的負担にも配慮しながら検討していくことが必要と考えています。今後とも他自治体の状況を情報収集するとともに、学校関係者・生徒・保護者の意見を踏まえながら見直しの必要性などを研究してまいります。
委員田中雅臣委員
次に、不登校生徒に対する入試の特例措置について伺います。県教委は昨年度入試から不登校など長期欠席の生徒を対象とした新たな選抜方法を導入しました。この選抜方法を導入した目的と概要を聞かせてください。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
不登校の生徒の増加に鑑み、評定値が低くなりがちな不登校生徒などが県立高校への志願を諦めなくていいよう、中学3年の評定値を選考資料としない特例措置を、昨年度実施した令和7年度一般入試から導入しました。高校入学後、継続して登校する意思がある者で、中学3年の欠席日数が12月末時点で70日以上の生徒が対象で、学力検査の結果や登校意思などを確認する面接の結果などにより総合的に選考します。
委員田中雅臣委員
昨年度入試でこの制度を利用した生徒は何人で、うち何人が合格したか答えてください。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
令和7年度入試では、116名が本制度を利用して志願し、うち76名が合格しています。
委員田中雅臣委員
本制度は他県にもあまり例のない先進的な取り組みで評価できます。ただ、2024年度の県の公立小中学生の不登校は1万9,307人、うち不登校の中学生は1万1,330人で、これと比べるとまだ利用者は少ないように感じます。県立高校で学ぶことを希望する生徒が本制度を利用できるよう、今後どう周知を図るか答えてください。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
令和6年度の不登校の中学生1万1,330人は、30日以上欠席した生徒を1〜3年生まで合計した人数です。本特例は3年生のうち70日以上欠席した生徒が対象のため全ての者が対象になるわけではありませんが、県教委としては、今後とも必要とする生徒が本制度を利用して県立高校を志願できるよう、入学者選抜要項に明記し、入試広報用の電子パンフレットにも掲載するなど、生徒・保護者や中学校などに対し周知に努めてまいります。
委員田中雅臣委員
できる限り早い対応をお願いします。次に、こうした制度で高校に入学できても、その後も卒業までしっかり学習を継続することが重要です。県教委としてどう支援していくか答えてください。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
高校入学後に再び不登校となることを防止するため、まず出身中学校との間で当該生徒に関する情報共有を行い、学校生活で必要な配慮などについて引継ぎを行うなど十分な連携を図ります。また、スクールカウンセラーなどの専門家と連携しながら、学校全体として個々の生徒の実態に寄り添ったきめ細かな相談支援体制を構築してまいります。
委員田中雅臣委員
不登校を経験した生徒がこうした制度を活用し、社会的自立に向けて高校で学びを継続することは非常に重要です。最後に、不登校経験の有無にかかわらず生徒一人一人が将来の可能性で評価される入試制度であるとともに、高校で学びたいと願う不登校の子どもたちの受入先を充実していく必要があると考えますが、今後どう取り組むか、副教育長の決意を聞かせてください。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
高校入試は、生徒一人一人の努力や可能性を適切に評価し進路選択を支える重要な制度です。今後とも、公平性・客観性・透明性の確保を基本に、不登校経験のある生徒を含め全ての生徒が安心して受験できる制度となるよう、調査書の記載事項を含め高校入試の改善に取り組みます。また、中学校の不登校の状況や地域のニーズを把握しながら、不登校を経験した生徒が学びを諦めることのないよう、多様な学びの場を県立高校で提供してまいります。
委員田中雅臣委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。壹岐和郎委員。

委員壹岐和郎委員
公明党の壹岐和郎です。ネクストハイスクール構想と本県の高校教育改革について尋ねます。 国は、高校無償化と併せて工業高校など専門高校を含めた公立高校の改革を図るため、高校教育改革の基本方針(グランドデザイン)を策定し2月13日に発表しました。これは2040年を見据えた高校教育の国としての共通ビジョンです。背景には、少子化で15歳人口が2039年に70万人まで減る見通し、AIやロボットの普及で理数系デジタル人材が大幅に不足すること、私立高校の授業料無償化で公立高校の魅力が相対的に低下すること、地方の教育機会格差の拡大のおそれなど、構造的な課題があります。まず、グランドデザインが示す高校改革の方向性である『ネクストハイスクール構想』の内容を、資料に基づいて説明してください。

古島高校教育課長。

県の担当者古島教育庁高校教育課長
お手元の資料1の1ページをご覧ください。ネクストハイスクール構想とは、①AIに代替されない能力や個性の伸長、②我が国や地域の経済・社会の発展を支える人材育成、③一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保、という3つの視点を重視しながらさらなる高校教育改革を進めるものです。資料2ページのとおり、新しい学校のイメージや取り組み例として、専門高校の機能強化・高度化、普通科改革を通じた高校の特色化・魅力化、地理的アクセス・多様な学びの確保が挙げられ、これらを支援するものとして、都道府県における高校教育改革のための基金の造成や新たな交付金の仕組みの構築などが示されています。
委員壹岐和郎委員
ネクストハイスクール構想の実施に資する国の予算の受皿として県に基金を造成するため、今議会の早期議決分で福岡県公立高等学校等教育改革促進基金条例の制定が認められました。この基金で、アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成支援、理数系人材の育成支援、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保の3つの類型に応じたパイロット校・拠点校を整備し、その成果を地域内の高校に横展開します。これは公立高校の存続をかけた国の大胆な施策で、本県も本腰を入れるべきです。県としてこの構想をどう評価し、どうしようとしているのか伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
本県ではこれまでも、専門高校での実践的な学びの強化、文理共創科やDXハイスクールでの教科横断的な学習や探究活動の充実、学びの多様化学校や県内各地区での定時制単位制高校の設置など多様な学びへの対応を進め、各校の魅力化・特色化を図ってきました。国が示した3つの類型を踏まえた改革は、本県でも地域経済や社会を支える人材を育成するとともに、各県立高校の魅力化・特色化をさらに進める上で効果的なものと捉えています。
委員壹岐和郎委員
次に、ネクストハイスクール構想の取り組みを今後どう進めるか、実施に向けたスケジュールを説明してください。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
お手元の資料2の1ページをご覧ください。まず、3類型に応じた拠点のパイロットケースの創出を3年間支援する国の事業の申請締切りが5月までと設定されており、拠点校における教育改革の取り組みの検討を進めます。そして、パイロットケースの取り組みの普及も含め、地域の産業界や大学など各界の意見をいただきながら、専門高校の機能強化、普通科高校の魅力向上、多様な学習ニーズへの対応などを検討し、その方針を示す高校教育改革実行計画を令和8年度中に策定してまいります。
委員壹岐和郎委員
課長に確認です。スケジュールがタイトな中、令和8年度中に策定する実行計画を見据えながらパイロット校をスタートさせ、出てくる課題を実行計画へ反映させる、という同時並行的な進め方で今から進める、という理解でよいですか。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
ご指摘のとおりです。資料2に記載のとおり、申請に当たっては令和8年度中に策定予定の実行計画を見据えながら教育改革の取り組みを企画立案することと文部科学省から示されているため、同時並行的に進める形になります。
委員壹岐和郎委員
県は令和8年度中に実行計画を策定しなければならず、パイロット校・拠点校の整備は本年5月までに国へ申請が求められます。時間がない中で整備方針を決めるには、まず現在の県立高校が抱える教育課題をきちんと認識することが重要です。また本県には、福岡都市圏、北九州地域、筑豊地域、筑後地域とそれぞれ特色ある産業や文化、地理的特性があります。魅力的な県立高校をつくる上でそれらの特色・地理的特性を踏まえた取り組みが重要と考えますが、どう取り組むか伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
本県では、少子化や生産年齢人口の減少、AIやDXの進展による産業構造の転換への対応、産業を支える人材不足などの課題は各地域で共通しつつも、例えば福岡都市圏とその他の地域では人口動態が異なるなど状況に差異があります。そのため、各地域に根差した教育を展開してきた県立高校では、こうした課題の違いにも対応しながら魅力化・特色化を進める必要があると考えています。
委員壹岐和郎委員
次に理数系人材の育成について。普通科のあり方は文理の区分にとらわれない文理横断的な学びへの転換が示されています。文理横断的な学びとは具体的にどういう内容か、また、これまでの大学受験を想定した文系・理系のクラス分けはどうなるか尋ねます。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
複雑化した社会課題に対応する多角的な視点を持つ人材の育成という観点から、文理横断的な学びが求められています。具体的には、共通テーマについて複数の教科の観点から授業を行うことや、データサイエンスの視点を数学や情報以外の授業に取り入れることが考えられます。普通科の文系・理系のクラス分けは、生徒の進路希望や興味・関心に応えるために行われているもので、文理横断的な学びは文系・理系を問わず必要ですが、学級編成のあり方は、大学入試改革の進展や特色ある教育課程の編成を踏まえ、生徒の進路保障も考慮しながら各学校で決定されるものです。
委員壹岐和郎委員
文理のクラス分けはよく理解できました。文理横断の考え方は重要なのでぜひ進めてください。そこで気になるのが、大学入試の際に大学が求める科目と高校で学んだ科目にそごが生じる心配です。その点はどう考えたらよいでしょうか。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
大学入試は各大学がそれぞれの判断で行うものですが、基本的には学習指導要領を踏まえてなされるため、その点はあまり心配ないと考えています。ただ、これからの時代を踏まえ、それぞれの学校の特色的な入試制度も進んでいくところですので、そういう観点では、先ほど申し上げた文理横断的な学びがより重要になってくると考えています。
委員壹岐和郎委員
ぜひ創造的な改革をお願いします。次に、2022年から高校で探究学習の必修化が本格的に始まり、高校だけでは支え切れない領域が増え、人口減少で学校単位の教育力も限界に近づいているとの指摘もある中、地域の人材育成を高校と大学が協力して担う必要性が高まっています。本県の教育改革で高大連携を力強く推進すべきと考えますが、見解を伺います。また、自治体や地域、地元企業などとの連携についても併せて伺います。
県の担当者古島教育庁高校教育課長
地域の自治体・大学・産業界などと連携・協働した講義や探究活動は、実社会につながる学びとなり高校の魅力化につながります。普通科では文理融合型の学びを提供し理数的素養を身につけた幅広い視野を育むとともに、大学や企業と連携した探究的な学びや、地元自治体と連携した地域課題解決に向けた実践的な学びを充実させます。また専門高校でも、先端成長産業を支える知識・技能や資質・能力を身につけられるよう、地域の産業界との連携を一層強化しながら実践的な学びを充実させてまいります。
委員壹岐和郎委員
最後に、本県の高校教育改革は非常に重要な改革ですので、副教育長の改革に向けた決意と意気込みをお聞かせください。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
県立高校が引き続き人材育成の要として地域から求められ、生徒・保護者から選ばれる学校となるよう、大学や地域産業とも連携を一層深めながら改革を進める必要があります。県教委としては、国の基本方針を踏まえ、専門高校・普通科高校の機能強化や魅力向上、多様な学習ニーズへの対応などを検討し、令和8年度中に実行計画を策定して、県立高校の充実・振興に取り組んでまいります。
委員壹岐和郎委員
2040年に向けたネクストハイスクール構想に基づく高校教育改革は、県立高校の存在意義を問う大変重要な取り組みです。ぜひ教育長の考え方を直接伺いたいので、教育長への保留質疑のお取り計らいをお願いします。
委員長山本耕一副委員長
ただいま壹岐委員から申し出のあった教育長保留質疑を認めます。教育長保留質疑は3月19日木曜日に行う予定ですので、ご了承ください。
委員壹岐和郎委員
ありがとうございました。(拍手)

―― 正副委員長交代 ――

ほかに質疑はありませんか。宮原伸一委員。

委員宮原伸一委員
自民党県議団の宮原伸一です。起業家精神の醸成について伺います。 県が取り組む「未来をつくる高校生チャレンジ」では、地域活性化・社会課題の解決・ワンヘルスの推進の3テーマで高校生のチャレンジを支援していますが、特に印象的なのが福岡舞鶴高校の森田さんと神宮司さん2人組が挑戦したAnimal Destinationという取り組みです。不幸な犬猫ゼロ社会の実現に向けた啓発活動に取り組み、県の支援終了後に株式会社を設立し動物愛護事業の研究などを続けています。高校生の取り組みが単なるチャレンジに終わらず、自ら事業を立ち上げ社会実装へつながる起業家精神へ発展したすばらしい事例です。そこで、ソーシャルビジネスの起業を目指す高校生への支援策「アントレプレナーズチャレンジ」について、今年度までの「未来をつくる高校生チャレンジ」との違いを含めて概略を説明してください。

野中青少年育成課長。

県の担当者野中青少年育成課長
これまでの「未来をつくる高校生チャレンジ」では、高校生の大胆な発想と行動力あふれる26のチャレンジを応援してきました。この成果を引き継ぎ、来年度から「アントレプレナーズチャレンジ」として、ソーシャルビジネスの起業を目指す高校生のチャレンジを毎年度6組程度採択し支援します。具体的には、サポーターの伴走、各分野の専門家派遣、50万円を上限とした活動資金の助成を行います。その後、チャレンジの実現性・採算性・持続性などを検証して事業計画を見直し、起業の際の資金調達や法人設立に必要な知識を習得してもらいます。またビジネスコンテストへの参加奨励、創業支援機関・制度の紹介、専門分野の相談対応など、起業の実現可能性を高めるよう支援します。前身事業との違いは、高校生の自由な発想を引き出すため個別のテーマを設けないこと、ソーシャルビジネスを起業するためのチャレンジを継続して応援することです。
委員宮原伸一委員
テーマを設けずに募集することで、高校生にとっては課題の範囲が広く捉えづらくなるのではと危惧します。課題設定の一助として、ワンヘルスをはじめ県が重点的に取り組む課題を高校生に知ってもらうことが必要と考えますが、公募の際にどのような工夫をしているか伺います。
県の担当者野中青少年育成課長
募集に当たっては、応募希望者を対象とした説明会を実施する予定です。この説明会でワンヘルスの推進など県が推進する主な施策を高校生に分かりやすく説明する場を設けます。これにより、高校生は漠然とした社会課題だけでなく県が力を入れている分野やニーズを深く知ることができ、自身のアイデアを具体的な企画へ落とし込む上で有効なきっかけになると考えます。また、過去の成功事例の紹介や先輩チャレンジャーから直接助言を得られる場も提供し、高校生が自信を持って挑めるよう多角的に支援してまいります。
委員宮原伸一委員
自由度の高い補助事業ですが、高校生にとって、特にお金の扱いやSNSでの情報発信などトラブルとなるリスクも考えられます。そうしたリスクへの対策を伺います。
県の担当者野中青少年育成課長
高校生が金銭管理やSNSでの情報発信でトラブルに巻き込まれないよう様々な対策を講じます。まず、補助金は高校生自身に交付し、自分で資金計画を立て適正に積算した収支予算の作成を求めます。活動報告時には出納簿や支出証拠書類の提出を義務づけ、外部講師への謝金やイベント会場費の支払いなど資金管理に本人たちが責任を持つことで、契約のルールやお金の取扱いを実践的に学ぶ機会にします。SNSでの情報発信については、トラブル防止のため、使用する画像や個人情報などの権利関係の確認、人権に配慮した投稿の徹底を指導します。また効果的な広報戦略や情報発信のノウハウを専門家に講義してもらい、高校生が安全かつ適切にSNSを活用できるよう支援してまいります。
委員宮原伸一委員
県立高校でもアントレプレナーシップ教育に取り組む必要があると考えますが、現状の取り組み状況を説明いただくとともに、今回の事業に県立高校の生徒にも参加してもらうことが重要と考えます。高校教育課長の見解を求めます。

古島高校教育課長。

県の担当者古島教育庁高校教育課長
様々な困難や変化に対し自ら行動を起こし新たな価値を見いだすにはアントレプレナーシップが必要で、学校教育では創造力やチャレンジ精神、課題設定・解決能力を培う教育が重要です。現在、県立高校では必履修の総合的な探究の時間や課題研究で、生徒が興味・関心に応じて設定した課題を掘り下げ解決を目指す探究活動などを実施しています。例えば県立折尾高校では、インターンシップを希望する高校生と地元企業のマッチングを支援するシステムを考案し、日本政策金融公庫主催の高校生ビジネスプラン・グランプリで、昨年度、応募総数5,151件の中から10組が選ばれるセミファイナリスト賞を受賞しました。アントレプレナーズチャレンジについても、県立高校の生徒が挑戦することはこうした資質・能力の向上につながるため、各県立高校を通じて積極的に参加するよう呼びかけてまいります。
委員宮原伸一委員
県立高校の探究活動やアントレプレナーシップ教育の重要性は理解しました。アントレプレナーズチャレンジでは高校生の自由な発想と挑戦する姿勢が重要で、失敗する経験も含めて成果と言える施策になることを期待します。どのような成果を目指しているか伺います。
県の担当者野中青少年育成課長
この事業はソーシャルビジネスの起業を目指すチャレンジを応援しますが、課題の解決に向け他者と協力しながら主体的に行動する力を育むことが主な目的で、成果として起業だけを求めるものではありません。試行錯誤しながら壁を乗り越える経験自体がその後の人生で役に立つ学びとなり、失敗を恐れずチャレンジしその過程で得られる成長こそが最大の成果だと捉えています。
委員宮原伸一委員
前身の未来をつくる高校生チャレンジ2025事業は、45組の応募に対し採択は7組にとどまったと聞きます。8割強の意欲的なチャレンジが日の目を見なかったことになり惜しい状況です。採択に至らなかった高校生も、せっかく芽生えた挑戦意欲が次のステップへつながるよう、何かしらの支援を行うべきではないか、どう考えるか伺います。
県の担当者野中青少年育成課長
ご指摘のとおり、採択の有無にかかわらず高校生の挑戦意欲を次のステップへつなげることは大切です。そのため、採択に至らなかった高校生も含め、意欲を持って挑戦しようとした全ての高校生が参加できるプログラムとして、大学生や若手起業家なども加わるキャリアデザインコミュニティを形成します。このコミュニティでは、参加者同士が活動を報告し合い刺激し合う交流の場や、多様な価値観やロールモデルに出会う機会を提供し、本事業への再挑戦に限らず様々な活動への挑戦意欲が高まるよう支援してまいります。
委員宮原伸一委員
この新事業は、高校生自身の成長はもちろん、高校生が社会課題解決に挑むソーシャルビジネスを展開する点で社会に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。しかし、起業に至っても経験不足や資金調達、販路開拓といった課題に直面することもあると思われます。ソーシャルビジネスの芽を確実に根づかせ持続可能な事業へ発展させるため、チャレンジを終了した者への支援も必要と考えます。この事業に対する私学振興・青少年育成局長の意気込みを伺います。

坂田私学・振興青少年育成局長。

県の担当者坂田私学振興・青少年育成局長
変化を予測することがますます困難となる現代社会において、起業家精神を持つ高校生をより多く育成することが重要です。まずは今議会に提案しているアントレプレナーズチャレンジをはじめとした新事業に、私学協会や教育庁とも連携しながらしっかり取り組みます。その上で、チャレンジを終えた者に対しても県庁各課と連携し、事業に必要な専門情報の提供や関連機関への接続など必要な支援を行います。今後も、自らの可能性に気づき、自らの内にある無限の力を信じて夢に向かってチャレンジする全ての高校生を全力で応援してまいります。
委員宮原伸一委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。波多江祐介委員。

委員波多江祐介委員
自民党県議団の波多江祐介です。がん教育とワンヘルスについて質問します。 6年前に小学校へ入学した県下約4万6,000人の児童が、コロナ禍も経験し大きく成長して本日卒業式を迎えました。ご指導いただいた先生方や県教委にも感謝します。本日は学校でのがん教育について質問します。がん教育については我が会派の長裕海議員ががん経験者と啓発活動に取り組み、外部講師を活用したがん教育の推進を働きかけてきました。その成果で、県内の小学校で外部講師を活用した学校の割合が全国を大きく上回り、命の大切さやがん検診の重要性の理解が深まっていると聞きます。一方ワンヘルスは、人の健康・動物の健康・環境の健全を一体として守る重要な理念です。がん教育とワンヘルスは人の健康や命を守る共通点が多く、さらなる充実が必要と考えます。まず、がん教育の目標を示してください。

笠井体育スポーツ健康課長。

県の担当者笠井教育庁体育スポーツ健康課長
目標は2点あります。1点目は、がんが身近な病気であること、がんの予防・早期発見・検診などに関心を持ち正しい知識を身につけ、適切な対処の方法を理解できるようにすること。2点目は、がんと向き合う人々の生活に触れることを通して、自他の健康と命の大切さに気づき、自己のあり方や生き方を自ら考え、共に生きる社会づくりに貢献しようとする態度を育成することです。
委員波多江祐介委員
がん教育の目標の2つ目にあった「自他の健康と命の大切さに気づき、共に生きる社会づくりに貢献しようとする態度の育成」は、ワンヘルスの理念に通じるものがあると思います。改めて、ワンヘルス教育の目標も示してください。
県の担当者笠井教育庁体育スポーツ健康課長
人の健康・動物の健康・環境の保全を一体として、みんなで考え行動しようというワンヘルスの理念をもとに、生涯にわたって自らの健康や環境を適切に管理・改善していくために必要な資質・能力を身につけていくことです。
委員波多江祐介委員
ワンヘルス教育は人の健康について考え行動する力の育成が目標で、がん教育と関連があると考えます。県教委は「子どものためのワンヘルスリーフレット」を全ての学校に配付し普及を図っていますが、その中で「実際に行動することが大切」と示しています。これはがん教育の目標である「主体的に考え、行動する」に通じるのではないでしょうか。がん教育とワンヘルスの関連を示してください。
県の担当者笠井教育庁体育スポーツ健康課長
ご指摘のとおり、子どものためのワンヘルスリーフレットには、各教科の学びをワンヘルスの視点を通して気づき、調べて、考えたり話し合ったりし、実際に行動するサイクルを繰り返すというワンヘルスの学びを示しています。がん教育をワンヘルスの柱の一つである健康づくりの視点を通して学習することで、自分自身や家族の健康について新たな気づきが生まれ、がん検診による健康状態の把握や生活習慣の改善など、健康な生活を維持するために何が必要かを考え行動できるようになると考えます。このことから、がん教育とワンヘルスの関連はあると考えています。
委員波多江祐介委員
がん教育とワンヘルスを関連させることで、子どもが自分や家族の健康を保つため生活習慣を見直し、健康診断やがん検診を定期的に受診する大切さにより一層気づいてくれると思います。ワンヘルスの視点を踏まえたがん教育が効果的と考えますが、その推進を図る方策を示してください。
県の担当者笠井教育庁体育スポーツ健康課長
ワンヘルスの視点を踏まえたがん教育のあり方については、今後、学識経験者、県医師会、がん経験者団体などの代表で構成するがん教育推進委員会で協議を進め明らかにしてまいります。そして、その内容をがん教育指導者研修会でしっかり周知してまいります。
委員波多江祐介委員
最後に、今後のワンヘルスの視点を踏まえたがん教育の充実に向けた副教育長の決意をお願いします。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
ワンヘルス教育の目標はがん教育の目標に通じるもので、この2つの教育を関連づけることで児童生徒の理解がより深まると認識しています。ワンヘルス教育やがん教育は、教育基本法に示された、生命を尊び自然を大切にし環境の保全に寄与する態度を養うという目標を具現化するためにも大変重要な教育活動の一つです。今後、ワンヘルス教育の充実はもちろん、ワンヘルスの視点を踏まえたがん教育の充実にもしっかり取り組んでまいります。
委員波多江祐介委員
終わります。(拍手)

ほかに質疑はありませんか。笠和彦委員。

委員笠和彦委員
自民党県議団の笠和彦です。10款教育費で11人目です。大事なのは教育だと痛感しながら質問します。 DXの進展や生成AIなどの技術革新に対応した教育の質の向上は、高校教育に限らず義務教育段階も含めた教育全般の大きな課題です。社会情勢の変化は急速で迅速な対応が重要です。学校教育は大きな転換期を迎えており、県教委としてどうかじ取りをしていくのか。先日、新たな組織編成が教育委員会議で議決されたとのことで、その点を中心に、新たに顕在化してきた教育課題への対応を伺います。まず、来年度の県教委の新たな組織体制について説明を求めます。

綾部総務企画課長。

県の担当者綾部教育庁総務企画課長
県教委の本庁組織において、教育総務部に新たな課として「教育イノベーション推進課」を設置します。この課は2係1室から成り、県教委の施策の総合企画を行う総合政策係、教育分野のDX推進を総合企画する教育DX企画係、技術革新に対応した学校教育を推進する学校教育イノベーション推進室で構成します。
委員笠和彦委員
次に、新たな課を設置した狙い、組織編成の趣旨を伺います。
県の担当者綾部教育庁総務企画課長
社会構造の変化などで教育課題が複雑かつ多様化する中、スピード感を持った施策の検討が必要です。特にデジタル分野で新たな技術革新が進み現場での対応が喫緊である中、各課の領域を越えて教育DXを総合的に推進する体制が重要です。このことから、県教委が推進すべき政策を総合的に企画・推進し組織全体を牽引する課を設置することとしました。
委員笠和彦委員
教育DXという言葉が出てきましたが、そもそも教育DXとは何か、簡潔に説明してください。
県の担当者綾部教育庁総務企画課長
教育DXは、デジタル技術を活用し、子どもたちの多様な学びや教員の業務効率化に資する取り組みです。昨年には国から教育DXロードマップや次世代校務DXガイドブックが出されるなど、教育DXの環境整備が促されています。
委員笠和彦委員
教育DXの推進について、改めて新たな課に期待される役割の説明を求めます。
県の担当者綾部教育庁総務企画課長
次世代校務DXガイドブックでは、教育委員会内の各部署を超えた連携体制整備の必要性が述べられており、新たな課が教育DXを各課の領域を越えて牽引することで、これまで以上に教員の業務改善につながるDXの活用策を迅速に進めていくことができると考えています。
委員笠和彦委員
本議会の会派代表質問で、高校教育改革実行計画は令和8年度中に策定する旨の答弁が教育長からありました。一方、教育委員会では学校教育で重点的に取り組む施策などを示す「学校教育振興プラン」が策定されていますが、現プランは令和3年度改定から4年が経過しており、社会の急激な変化に的確に対応するには、学識経験者や専門家など各界の意見を取り入れながら見直す必要があると考えます。現行の学校教育振興プランをどう取り扱うか尋ねます。
県の担当者綾部教育庁総務企画課長
学校教育振興プランは改定後4年を迎えていることから、今後、社会の変化や高校教育改革を含めた教育課題に対応した新たなプランを策定する必要があると考えています。策定に当たっては、ご指摘のとおり産業界や大学などの各界の意見をしっかり取り入れ、より実効性のあるものにしてまいります。
委員笠和彦委員
様々な教育課題に対応した新たなプランを考えているとのことですが、近年、少子化で児童生徒数が減少する一方、特別支援教育を必要とする児童生徒は年々増加しニーズが高まっています。福岡県では2024年に糸島、来月に宗像、そして早良に福岡つくし特別支援学校と、特別支援学校を3校立て続けに新設するなど充実を図っていますが、その大変な時期に特別支援教育の振興に尽力された三澄教育監が今年度末に勇退されると伺いました。ここで教育監に、今後の福岡県の特別支援教育に対する思いを伺います。

三澄教育監。

県の担当者三澄教育庁教育監
私は本県の教員として採用され、学校現場と教育行政をちょうど半分ずつ経験させていただきました。この間、従来の特殊教育から新たな特別支援教育へと大きな転換が図られる中、県立特別支援学校の新設をはじめ、希望する子どもたちの確実な受入れと質の高い特別支援教育を提供できる教育環境の整備に携わってきました。また、地域の小中高などに在籍する障がいのある子どもの支援に向け、学校や保護者にとって身近な相談機関として特別支援学校のセンター的機能の充実を図るとともに、幼児期を含む早期からの相談支援体制の整備に努めてきました。今後、共生社会の形成に向け、障がいのある子どもを誰一人取り残さず、一人一人の教育的ニーズに応じた指導と支援を行うとともに、障がいのある子どもとない子どもが可能な限り共に学ぶインクルーシブ教育システムの構築が推進され、本県の特別支援教育がさらに充実していくことを強く期待しています。
委員笠和彦委員
三澄教育監の特別支援教育への思いを、今後の県教委の取り組みにしっかりつなげていただきたいと思います。変化の激しい現代社会において、県教委の計画や方針は福岡県の教育の羅針盤です。市町村教育委員会や各学校の取り組みに及ぼす影響も極めて大きく、策定に当たっては実効性のあるものにしていただきたい。そこで、同じく本年度末に勇退される松永副教育長に、組織改編がもたらす効果への期待も含めて改革への意気込みを伺います。

松永副教育長。

県の担当者松永教育庁副教育長
近年、教育課題が複雑多様化し、既存の課の領域では収め切れない課題への対応が求められています。特に情報化や技術革新の波は急激で、積極的に教育DXを推進し、児童生徒の個別最適な学びの実現や、教職員が効率的かつ柔軟に業務ができる教育環境を整備する必要があります。また、高校教育改革や本県の教育振興に係る方針の策定に当たっては各方面から意見をいただき、よりよく実効性のある教育施策を実施してまいります。これらを牽引する新たな課の設置を契機として、組織一丸となって本県教育の質の向上を図り、地域社会、ひいては我が国の持続的な発展を支える人材育成に取り組んでまいります。
委員笠和彦委員
AIやDXは教育分野で今後ますます重要なテーマです。新年度に新しい組織を設置するに当たり、新たな教育課題への対応について教育長の考えを直接伺いたいので、委員長、教育長保留のお取り計らいをお願いします。
委員長香原勝司委員長
ただいま笠委員から申し出のあった教育長保留質疑を認めます。教育長保留質疑は3月19日木曜日に行う予定ですので、ご了承ください。
委員笠和彦委員
終わります。(拍手)
委員長香原勝司委員長
ほかに質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、井上正文委員・笠委員・壹岐委員の教育長保留質疑を残し、10款教育費に関する質疑を終わります。次に、11款災害復旧費について順次説明を求めます。徳田農林水産部長、どうぞ。
県の担当者徳田農林水産部長
11款災害復旧費のうち農林水産部所管分について説明します。1項農林水産施設災害復旧費は、農地・農業用施設の災害復旧を行う団体営事業費などが主なもので、合計50億3,700万円余をお願いしています。よろしくお願いします。

馬渡県土整備部長。

県の担当者馬渡県土整備部長
11款災害復旧費のうち県土整備部所管分について説明します。2項土木施設災害復旧費は、今後想定される令和8年災害で早期に公共土木施設の復旧を行うための経費(令和8年災害土木施設費)などが主なもので、合計52億4,200万円余をお願いしています。よろしくお願いします。

山本建築都市部長。

県の担当者山本建築都市部長
11款災害復旧費のうち建築都市部所管分について説明します。3項庁舎等災害復旧費は、県営住宅の敷地のり面に係る災害復旧を行うもので、6,500万円余をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、11款災害復旧費に関する質疑を終わります。次に、12款公債費から14款予備費までの3件について説明を求めます。左藤財政課長、どうぞ。
県の担当者左藤財政課長
12款1項公債費は、県債の元金や利子が主なもので総額2,602億4,500万円余、13款1項利子割交付金等は地方消費税清算金などが主なもので総額4,879億7,200万円余、14款1項予備費は、年度途中の損害賠償や災害の発生など不測の事態に機動的に対応するため2億円の計上をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、12款公債費から14款予備費までの質疑を終わります。次に、第2条債務負担行為について説明を求めます。東総務部長、どうぞ。
県の担当者東総務部長
一般会計予算議案の第2条債務負担行為について説明します。予算に関する説明書の439〜445ページに、債務を負担することができる事項、期間、限度額などを掲げており、この調書のとおりお願いするものです。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第2条債務負担行為の質疑を終わります。次に、第3条地方債から第5条歳出予算の流用までの3件について説明を求めます。左藤財政課長、どうぞ。
県の担当者左藤財政課長
第3条地方債は、起債の目的ごとに限度額や起債の方法などを定めるもので、限度額の合計は1,687億2,400万円余です。第4条一時借入金は、県の歳計現金の資金繰りにおける一時的な不足に対応するため資金借入れの限度額を定めるもので、令和8年度は資金収支が回復傾向にあり過不足ない状況となったことから、限度額を3,000億円から令和2年度以前の水準である2,000億円に引き下げるものです。第5条歳出予算の流用は、地方自治法の規定により歳出予算の各項の金額を流用できる場合を定めるものです。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第3条地方債から第5条歳出予算の流用までの質疑を終わります。以上で第1号議案「令和8年度福岡県一般会計予算」の質疑を終わります。次に、第2号議案「令和8年度福岡県財政調整基金特別会計予算」と第3号議案「令和8年度福岡県公債管理特別会計予算」の2件を議題とします。説明を求めます。左藤財政課長、どうぞ。
県の担当者左藤財政課長
第2号議案 財政調整基金特別会計予算は、財政調整基金の適正な管理のための会計で、基金の運用利息収入4億5,100万円余をそのまま財政調整基金に積み立てるものです。第3号議案 公債管理特別会計予算は、公債費の適正な管理のための会計で、一般会計や減債基金からの繰入金などで県債の元利償還などを行うもので、歳入歳出とも5,399億500万円余をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

1. 第四号議案「令和八年度福岡県市町村振興基金特別会計予算」

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第2号議案と第3号議案の質疑を終わります。次に、第4号議案「令和8年度福岡県市町村振興基金特別会計予算」を議題とします。説明を求めます。勝永企画・地域振興部長、どうぞ。
県の担当者勝永企画・地域振興部長
第4号議案 市町村振興基金特別会計予算は、市町村振興基金による貸付金の利子収入と運用益収入を一般会計へ繰り出すためのもので、歳入歳出ともに5,400万円余です。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

2. 第五号議案「令和八年度福岡県国民健康保険特別会計予算」

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第4号議案の質疑を終わります。次に、第5号議案「令和8年度福岡県国民健康保険特別会計予算」を議題とします。説明を求めます。田中保健医療介護部長、どうぞ。
県の担当者田中保健医療介護部長
第5号議案 国民健康保険特別会計予算は、市町村からの納付金や国からの負担金などを財源に、市町村への保険給付に必要な費用の交付などを行う会計で、歳入歳出それぞれ4,509億4,600万円余をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第5号議案の質疑を終わります。次に、第6号議案「令和8年度福岡県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算」と第7号議案「令和8年度福岡県災害救助基金特別会計予算」の2件を議題とします。説明を求めます。福田福祉労働部長、どうぞ。
県の担当者福田福祉労働部長
第6号議案 母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算は、一人親世帯などへの就学資金・就職支度資金・生活資金などの貸付のための会計で、歳入歳出それぞれ2億5,200万円余です。第7号議案 災害救助基金特別会計予算は、災害救助法に基づき令和8年度に生じる基金の運用益を積み立て救助費用の財源とするもので、歳入歳出それぞれ1,400万円余です。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第6号議案と第7号議案の質疑を終わります。次に、第8号議案「就農支援資金貸付事業特別会計予算」から第11号議案「沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算」までの4件を議題とします。説明を求めます。徳田農林水産部長、どうぞ。
県の担当者徳田農林水産部長
第8号議案 就農支援資金貸付事業特別会計予算は、農業経営開始のために貸し付けた資金の管理・回収を行うもので歳入歳出800万円余、第9号議案 県営林造成事業特別会計予算は県営林の経営を行うもので3億800万円余、第10号議案 林業改善資金助成事業特別会計予算は林業者などへの無利子貸付で3,000万円余、第11号議案 沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算は漁業者への漁船購入などの無利子貸付で7,200万円余をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

3. 第一二号議案「令和八年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算」

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第8号議案から第11号議案までの質疑を終わります。次に、第12号議案「小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算」を議題とします。説明を求めます。見雪商工部長、どうぞ。
県の担当者見雪商工部長
第12号議案 小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計予算は、中小企業者への高度化資金の貸付などを行うもので、歳入歳出それぞれ3億5,300万円余をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第12号議案の質疑を終わります。次に、第13号議案「公共用地先行取得事業特別会計予算」と第14号議案「県営埠頭施設整備運営事業特別会計予算」の2件を議題とします。説明を求めます。馬渡県土整備部長、どうぞ。
県の担当者馬渡県土整備部長
第13号議案 公共用地先行取得事業特別会計予算は、土地開発基金の運用益を積み立てるもので歳入歳出500万円余、第14号議案 県営埠頭施設整備運営事業特別会計予算は、苅田港ほか3港湾の整備運営などに要する経費で歳入歳出186億4,100万円余をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

4. 第一五号議案「令和八年度福岡県住宅管理特別会計予算」

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第13号議案と第14号議案の質疑を終わります。次に、第15号議案「住宅管理特別会計予算」を議題とします。説明を求めます。山本建築都市部長、どうぞ。
県の担当者山本建築都市部長
第15号議案 住宅管理特別会計予算は、県営住宅の維持管理に要する経費で、歳入歳出それぞれ68億6,600万円余をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

5. 第一六号議案「令和八年度福岡県病院事業会計予算」

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第15号議案の質疑を終わります。次に、第16号議案「病院事業会計予算」を議題とします。説明を求めます。田中保健医療介護部長、どうぞ。
県の担当者田中保健医療介護部長
第16号議案 病院事業会計予算について説明します。収益的収入は太宰府病院の診療報酬収入などで総額27億6,900万円余、収益的支出は太宰府病院の指定管理者への交付金などで総額27億6,300万円余です。資本的収入は太宰府病院の建設改良費の財源とする企業債収入などで5億7,900万円余、資本的支出は建設改良費や企業債の元金償還などで10億700万円余をお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

6. 第一七号議案「令和八年度福岡県流域下水道事業会計予算」

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第16号議案の質疑を終わります。次に、第17号議案「流域下水道事業会計予算」を議題とします。説明を求めます。山本建築都市部長、どうぞ。
県の担当者山本建築都市部長
第17号議案 流域下水道事業会計予算について説明します。収益的収入は関係市町からの維持管理負担金などで総額199億4,900万円余、収益的支出は下水道処理施設の維持管理などで総額199億1,000万円余です。資本的収入は国庫補助金などで131億2,000万円余、資本的支出は下水道処理施設の建設などで149億2,100万円余です。また、御笠川那珂川流域下水道建設費をはじめ支払義務発生が令和9年度以降となる8事項で、合わせて72億6,000万円余を新たに債務負担行為としてお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第17号議案の質疑を終わります。次に、第18号議案「電気事業会計予算」から第20号議案「工業用地造成事業会計予算」までの3件を議題とします。説明を求めます。中西企業局長、どうぞ。
県の担当者中西企業局長
第18号議案 電気事業会計予算は、収益的収入が電力料などで7億円余、収益的支出が事業運営費などで6億3,700万円余、資本的支出が発電設備の更新経費などで2億8,600万円余で、発電設備の更新事業で5,600万円余を新たに債務負担行為としてお願いしています。第19号議案 工業用水道事業会計予算は、収益的収入が工業用水の給水収入などで24億3,700万円余、収益的支出が23億9,600万円余で、鞍手・宮田工業用水道事業で7,200万円を新たに債務負担行為としてお願いしています。第20号議案 工業用地造成事業会計予算は、収益的収入が土地の貸付収入などで2,100万円余、資本的支出が宮若北部・直方鞍手・うきは西部の各工業用地の造成事業費などで50億8,100万円余で、宮若北部造成事業で25億500万円余、うきは西部造成事業で47億1,100万円余を新たに債務負担行為としてお願いしています。よろしくお願いします。
委員長香原勝司委員長
説明は終わりました。質問はありませんか。

―― 「なし」と呼ぶ者がある ――

委員長香原勝司委員長
ないようですので、第18号議案から第20号議案までの質疑を終わります。以上で本日の議事は終了しました。次回委員会は3月19日木曜日、常任委員会終了後に開き、知事などに対する保留質疑と採決を行いますので、よろしくお願いします。本日はこれで散会します。

出典: 福岡県議会 会議録検索システム